「おせち料理」をもっと楽しく、身近に
毎年「おせち料理」は召し上がりますか? おせち料理は、年の初めに一年の幸せを願う思いが込められた行事食として大切にされてきました。東京ガス都市生活研究所の調査によると、約9割の方が、おせち料理をほぼ毎年食べている、もしくは時々食べているそうです。
料理教室でお客さまから、「縁起物だから少しは食べるけどあまり好きではない」、「いつも同じおせち料理でマンネリがちで・・・」と聞くこともあります。
そこで、今回のコトコト小話では洋風の食材を取り入れたり、盛り付け方を工夫した「洋風のおせち」をご紹介します。雰囲気や印象がグッと変わるので、今年はいつもとひと味違うおせちを、と考えている方にもおすすめです。ぜひお試しください。
さっぱりしっとり「豚肉の柚子風味」
香りが強く、「身体を清め邪気を払う」と考えられている柚子を使った柚香漬け。柚子風味の特製だれが豚肉の美味しさを際立たせてくれる一品です。
【材料】(4人分)
豚モモ肉(塊)・・・300g
柚子・・・1コ
[A]
醤油・・・大さじ2
柚子ジャム又は柚子茶・・・大さじ2
【作り方】
1. 鍋に豚モモ肉とたっぷりの水を入れ、落しぶたをしてコンロ調理タイマーを40分に設定し、茹でます(強火→弱火)。中心部分を竹串で刺して、赤い肉汁が出てこなければ茹で上がりです。
2. 1の粗熱が取れたら薄切りにし、柚子は薄い輪切りにします。
3. 保存容器に、豚肉と柚子を少しずらしながら交互に重ね入れます。合わせたAをかけて1時間以上漬けます。
4. 皿に盛ります。
豚肉は薄切りにするので、折りたたむようにして盛り付けをすると立体感がでて見栄えがします。
見た目もおしゃれに「洋風紅白なます」
紅白は「縁起が良い」色とされています。今回は定番の紅白なますを、レモン汁・コショウ・オリーブ油を加え味付けを洋風にアレンジ。大根とニンジンはピーラーでスライスするので手軽にできて、味の染みこみも良いです。洋食器に盛ると、また違った印象の洋風紅白なますになりますよ。
【材料】(4人分)
大根・・・200g
人参・・・70g
塩・・・小さじ1/2
[A]
酢・・・大さじ3
砂糖・・・小さじ2
レモン汁・・・小さじ2
コショウ・・・適量
オリーブ油・・・大さじ2
【作り方】
1. 大根は1.5㎝、人参は1㎝幅の板状にし、ピーラーでリボン状にスライスします。
塩をふり、しんなりするまでおきます。
2. ボウルにAの材料を順に混ぜ合わせます。1の水気を絞って加え、和えます。
絞る際に野菜が割れてしまう場合は、野菜がやわらかくなるまで少し時間をおいて様子を見てください。
また、おせち以外にも、洋風メニューの前菜や付け合わせにもおすすめです。
優しい甘さ「クリームチーズ栗きんとん」
栗は「勝ち栗」と呼ばれる縁起ものです。きんとんは「金団」と書き、黄金色に輝く財宝にたとえて、豊かな一年を願う料理です。甘い中にも塩味とコクがあり、ワインや焼酎と合わせて食べるのもおすすめです。
【材料】(4コ分)
サツマイモ・・・200g
砂糖・・・大さじ2
塩・・・少々
クリームチーズ(ポーションタイプ)・・・2コ(約40g)
栗の甘露煮・・・5粒
【準備】
栗の甘露煮は2粒を飾り用に半分に切り、3粒は小角に切ります。
クリームチーズは室温に戻します。
【作り方】
1. サツマイモは2cm厚さの輪切りにし、厚く皮をむいて茹でます。
2. やわらかくなったら茹で湯は少し残して捨てます。砂糖と塩を加えてサツマイモをつぶします。
3. クリームチーズを加え混ぜ、手でまとめられる位の固さになるまで火にかけて練り上げます。小角に切った栗の甘露煮を加え、潰さないよう和えます。
4. 粗熱が取れたらラップに3をのせて形を整えます。上に飾り用の栗の甘露煮を飾ります。
サツマイモは形成層(皮の内側の線のあるところ)までむき、水にさらします。また、茹でる時にクチナシの実を入れるとより色がきれいに仕上がります。
冷めたときの固さを考えて、練り上げはややゆるめにします。冷めるとクリームチーズが固まり、形が整えやすいです。
また、栗を加えてからたくさん練ると形が崩れるため、最後に加えると見た目もきれいに仕上がります。
飾りにレーズン等のドライフルーツやピンクペッパーを飾ると、より洋風の仕上がりに!
カリカリが病みつき「カシューナッツ入り揚げごまめ」
片口イワシを農作物の肥料として使った田畑が豊作になったことから、「五穀豊穣」を願います。甘じょっぱい味付けで、おつまみにもおすすめの一品です。
【材料】(4人分)
ごまめ・・・15g
カシューナッツ・・・30g
[A]
砂糖・・・小さじ2
醤油・・・小さじ1
片栗粉・・・大さじ1
揚げ油・・・適量
【作り方】
1. コンロの温度調節機能を160度に設定し揚げ油を熱します。
2. ごまめとカシューナッツによく混ぜたAをからめ、片栗粉を全体にまぶして揚げます。
揚げ上がりの目安は、ごまめから出る泡が少し落ち着き、うっすら色がつく位です。余熱でも火が入るので揚げすぎに注意してください。揚げたてはごまめもカシューナッツも柔らかいですが、冷めると食感がカリッとなり、つい手が伸びてしまう美味しさです。
おわりに
日本の伝統的な食文化である「おせち」。いつもとひと味違った洋風おせちで新年の食卓を美しく彩り、心あたたまるお正月を過ごしてみてはいかがでしょうか?
東京ガスや私たち料理教室スタッフはどんな時でも「食を通じて皆さまの幸せな生活」を応援します。次回もお楽しみに。