いちごの品種は、時代によって進化している!
いちごは世界各国で食べられている果物です。生食での消費量は日本が世界一という説も。そして、日本のいちごは約300品種。なんと、世界全体の品種の半分以上が日本のものともいわれているのだそう!
いちごが日本に入ってきたのは、江戸時代末期。観賞用として長崎に伝わりました。1898年に農学博士で造園家の福羽逸人氏が品種改良を重ね、国産第1号の「福羽イチゴ」を栽培。これが親となって、次々と新たな品種が生み出されて、現在にいたります。
春でもツヤツヤ真っ赤!「やよいひめ」ってどんないちご?
やよいひめは群馬県が育成した「とねほっぺ」と栃木県が育成した「とちおとめ」をかけ合わせてできた、群馬県が開発した品種です。
一般的にいちごは気温が高くなる3月ごろから品質が落ちやすいもの。「やよいひめ」はその名の通り、暖かくなる3月(弥生)になっても、上品な鮮紅色を保つのが特長です。
【やよいひめの特長1】赤色が鮮やか!
ピカピカ、つややかな果肉は、暖かい季節になっても明るい色合いを保ちます。うっとりするほどキレイ!
【やよいひめの特長2】大粒で存在感大!
やよいひめは粒の大きさが自慢。1粒の重量が平均で20gもあります。収穫されるいちごの6割が「2L規格(15g)」以上。一般的ないちごより大きな粒は、食べ応え抜群です。
こちらの写真は、平成25年の群馬県園芸協会「いちご品評会」のジャンボいちご部門で優勝したいちご。500円玉よりもはるかに大きい、堂々たるサイズがすごいですね。
【やよいひめの特長3】日持ちがいい!
果皮や果肉がしっかりしているため、ジューシーな食感やおいしさが長持ちするやよいひめ。
いちごは劣化するのが早いため、気を抜くとつい傷ませてしまいますが、やよいひめは「日持ちの良さ」という、主婦にうれしい魅力もあるんです!
【やよいひめの特長4】糖度が高く、酸味まろやか!
いちごは品種によって、酸味や甘みにかなり個性がありますね。
やよいひめは糖度が高いため甘みがつよく、酸味もまろやか。甘い食味を好む幅広い世代に人気です。
味認識装置で甘さ以外の食味を測定しても、酸味以外のすべての項目で他品種を上回る結果に。一言で言えば「味が濃い」! ただ甘いだけではないところが魅力です。
【やよいひめの特長5】断面が美しい!
やよいひめは、食べてよし、切ってよし!? 断面の美しさにも注目が集まっています。
やよいひめの断面は、華麗なるスイーツの世界でも大活躍します。いちごの断面は全体的に白っぽいものが多いですが、やよいひめの断面は、赤と白のコントラストが見事なほど美しいです。
果肉に映えるのは、放射状に入った印象的な断面模様です。この模様の正体は、維管束(いかんそく)。維管束とは、糖などの栄養を運ぶ「通り道」です。
断面の赤と白のコントラストも、やよいひめの魅力の一つですね。
やよいひめは身体にうれしい? やよいひめの健康機能とは?
いちごといえばビタミンC。やよいひめ8粒で1日に必要なビタミンCが摂れるそうですが、それだけでないのがやよいひめのポイント。
老化やがん、生活習慣病の予防が期待できる総ポリフェノールや総合的な抗酸化力(H-ORAC)などの数値も、他の品種に引けを取りません。
やよいひめはどこで買えるの?
やよいひめは群馬で生まれたいちご。群馬県の全域で栽培され、県内での作付けは約8割を誇っていますが、群馬県内のいちごは直売がメインのため、県外に出回る数は多くはなく、県外のスーパーなどではなかなか見かけないようです。スーパー等でやよいひめを見かけたら、ぜひ手に取ってみてくださいね。
本場のやよいひめを食べてみたい!という方は、『G-アナライズ&PRチーム』(群馬県の部局横断プロジェクトチーム)のWebサイトをぜひチェックしてみてください。いちご狩りができる農園や、直売所やWeb販売、やよいひめを使用したスイーツが食べられるお店などが紹介されていますよ。『G-アナライズ&PRチーム』
魅力いっぱいのやよいひめをスイーツでも楽しもう!
大粒で甘くて、日持ちもする・・・。魅力いっぱいのやよいひめ。
ぜひ手に入れて、いちごスイーツを楽しんでみませんか?
ウチコトでは、いちごを使ったおいしいスイーツレシピをたくさんご紹介しています。
かわいいおやつから大人スイーツまで人気のいちごレシピはこちらから!
おわりに
全国でさまざまな品種がうまれているいちご。なかなか群馬県外では見かける機会が少ないやよいひめですが、甘い・味が濃い・大粒! と三拍子そろった魅力で、まさに満足度いっぱいのいちごですね。他県でも生産が広まっているようです。今回の調査では、いちごによって食味(甘さ、酸味、かたさなど)の個性がさまざまにあることもわかりました。いろんな品種を食べ比べてみて、「マイベストいちご」を見つけたいものですね。