意外⁉羽毛布団は、取り扱いがラクで長持ち
羽毛布団は、軽くて暖かく、吸湿・放湿性に優れているのが特徴。人は毎晩コップ一杯の汗をかいているとされていますが、羽毛布団だと汗をかいても蒸れにくく、頻繁に日干しする必要がありません。
また、長期間の使用でも、綿や羊毛に比べてへたりにくいという特性があります。そのため、取り扱いがラクで長持ちしやすいのが羽毛布団。だからこそ、正しいお手入れをすればさらに長く使い続けられるんです。
羽毛布団を長く使うために、お手入れで気を付けることとは
羽毛布団を使う際は、羽毛が吹き出さないよう注意が必要です。また、吸湿性・放湿性に優れているため、綿布団のように頻繁に日に干す必要はありませんが、なるべく乾燥した状態を保つことが大事です。
・必ずカバーを掛けて使用
羽毛を包む側生地の汚れや、小さな傷から羽毛が吹き出すのを抑えるために、必ずカバーを掛けましょう。カバーをこまめに洗濯・交換すれば布団を清潔に保つことができます。
・日干しは月1回程度、1~2時間でOK
乾燥した状態を保つため、月1・2回、日干し又は風通しの良い日陰で表裏あわせて1~2時間ほど干せば十分です。その際は、側生地の色あせを防ぐため、カバーを掛けたまま干します。時間帯は午前10時~午後3時頃までがベストとされています。
布団乾燥機の使用も問題ありませんが、高温になりすぎないことがポイント。温度調節機能のない布団乾燥機の場合は、乾燥袋と羽毛布団の間に毛布やタオルケットなどを1枚挟むのをおすすめします。
羽毛布団、水洗いは可能? 濡らしたり、汚れてしまった場合の対処法
羽毛布団を濡らした場合は、水分を完全に拭き取り、ドライヤーか、布団乾燥機を使って手早く乾かします。
汚れが気になる場合、水洗い・手洗い・洗濯機で洗える表示があれば、家庭で洗ってもOK。中性洗剤を使い、洗濯水は30℃以下が目安。洗濯機の場合は、洗濯ネットを使用します。また、乾燥には、通常の洗濯ものより多少時間がかかりますので、完全に乾くまでよく干してください。
また、子どものおねしょなどで臭いが気になったり、側生地がひどく汚れてしまった場合などはクリーニングに出しましょう。クリーニングは通常2~3年に1度が目安です。その際は、羽毛の吹き出しなどがないかを事前にチェックします。
羽毛布団、寿命や買い替えの目安はあるの?
羽毛布団は、他に比べて耐久年数が長くなっていますが、長年使っているとボリュームが少なくなりますし、皮脂や汗の不純物などから生地の汚れが目立ち、羽毛も損傷することで暖かさが低下します。
ただ、羽毛布団はすぐに買い替えるのではなく、一般的に5~6年を目安にリフォーム(羽毛の洗浄またはふとんの丸洗い、生地交換、足し羽毛等)することが可能です。仕上げ方法によって異なりますが、価格は2万円~6万円程度。汚れなどで固まった羽毛のふくらみが回復し、新品のような状態に戻ります。長年使っている羽毛布団で以下のチェックポイントに該当すれば、リフォームを検討してもよいかもしれません。
羽毛布団の傷み具合のチェックポイント
・ふくらみが著しく減少している
・羽毛が極端に偏っている
・側生地から羽毛が吹き出している
・生地がひどく汚れている
また、羽毛のへたりがひどい場合や、すでに何度もリフォームしている場合には、リフォームしても保温性が十分に得られない可能性も。そんな時は、そろそろ買い替えのタイミングです。
日本羽毛製品協同組合が認定するリフォーム認定工場はこちらから探せます。
羽毛布団にやってはいけない「NG事項」とは
羽毛が吹き出したり、羽毛が傷むのを防ぐためにも避けたい行為があります。
針は絶対に禁物
羽毛は針の穴ほどの小さな穴からでも吹き出してしまうため、針を通したり、安全ピンを使うのは絶対にやめましょう。
“布団たたき”は使用しない
日干しする際、ついつい布団たたきでパタパタと叩いてしまいがちですが、羽毛布団の場合は羽毛を痛めるので控えたほうがよいです。
ふとん圧縮袋で保管しない
羽毛や側生地を傷めることから、圧縮袋での保管は避けたほうがよいでしょう。
やむを得ず使用する場合は、次の5点に注意します。
(1)圧縮袋メーカーの注意書きをよく読む
(2)袋に入れる前によく乾燥させる
(3)空気は抜きすぎず、元の高さの1/4程度の圧縮を目安にする
(4)長期間(6ヶ月以上)の保管は避ける
(5)保管後、使用する前に日干しする
使わないときの羽毛布団の保管方法
すぐに使わない羽毛布団は、以下のポイントを押さえ、できるだけ乾燥した状態で保管するのが大切です。
・乾燥させる
製品を十分に乾燥させます。
・防虫剤を使う
無臭タイプの防虫剤を製品にはさみ、木綿の風呂敷など通気性のよいものに包みます。ビニールやポリエチレンの袋など、通気性のないものに入れておくと蒸れて臭いが強くなったり、羽毛の品質を損なうことがあります。
押し入れなどの上段に収納
なるべく湿気の少ない場所に保管します。
おわりに
羽毛布団は、コツさえ押さえれば、快適に使い続けることができます。長く使っている羽毛布団は、ぜひ一度汚れやへたり具合などをチェックしてみて。必要に応じてクリーニングやリフォームをしてみると、新たに生まれ変わるかもしれません。
参考資料:日本羽毛製品協同組合「羽毛製品Q&A」