家具の配置で部屋のイメージが変わる! プロが考える家具配置のコツとは?
こんにちは。【NPO tadaima!】の代表 三木智有です。
同じマンションの同じ間取りタイプのお友達の家にお邪魔して「うちと全然違う」とびっくりした経験ってありませんか?
僕はいつもお客さまに模様替えの提案をする時には、2〜3パターンくらい家具の配置パターンをお伝えします。
ライフスタイルや暮らしぶりを伺う中で、このご家族にはAパターンが本命、Bパターンはサブと提案することはありますが、同じ間取りであっても「絶対この家具配置がベスト」という正解はありません。
それぞれにメリット・デメリットがあります。
と、言うことで間取りに制約があっても「うちの間取りはこうだから仕方がない」と諦めないでください。家具の配置を変えるだけでぐっと暮らしやすくなります。ここではライフスタイル毎に子育て家庭にオススメの模様替えのレシピ(家具配置パターン)を3つご紹介します。
模様替えのレシピ(家具配置パターン)の前に!【基本の家具配置パターン】とは?
家族構成イメージ
妻・夫・未就学のお子さん1〜2人
お子さんが保育園や幼稚園に通うようになり、家の中でも元気いっぱい。
「オモチャも散らかるし、もっと収納スペースが欲しい」というご要望を受けたとしましょう。
このような間取りの場合、例えば上記のような配置が一般的。
引っ越しをしてきたら、なんとなくこんな感じで家具を置くのではないでしょうか。
ソファの大きさによっては多少配置が変わることもあるかもしれません。
よくあるパターンのメリット&デメリット
この配置のいいところは、巨大なソファが置けている点。
親としては、リビングにオモチャ収納を置かずリビングの隣にある和室をキッズスペースにして、子どもにそこで遊んでもらおうと期待しますが、そううまくもいきません。
結局リビングにオモチャが散乱し、ごちゃごちゃになりがちです。
かつ収納がほぼないので、よっぽどお片付け上手じゃないとすぐ散らかることに。
このような配置はお子さんのいないご夫婦や、お子さんが自立した後のご夫婦などに最適です。
よく吟味されたこだわりのソファを選ぶとますます素敵な空間になり、本を読んだり休日のお昼寝タイムを楽しんだり、リラックスタイムを快適に過ごせそうです。
【家具配置パターンA】キッズスペースの最大化! 大人も子どももそれぞれゆったり
「子ども達がもっとのびのびと遊べるスペースを作ってあげたい!」そんな思いがあるご家族におすすめ。
この配置の特徴は、リビングを床座にしたところ。大きなクッション(ビーズクッションがオススメ)を2個位ポンポンと配置。タイルカーペットなんかを敷くと防音とリラックスの両方の効果が得られます。
このスペースが、お子さんが思いっきり遊べて、かつ大人もゴロリとリラックスできる場所になります。
また、ダイニングをソファダイニングにすることで、ダイニングソファで食事やお茶をするだけでなく、もたれ掛かって本を読んだりとリラックスの用途に使えます。
リビングには大きな壁面収納でもいいですし、テレビボードの両脇に収納棚を置くのも良いでしょう。
メリット&デメリット
壁面収納にしてしまえばかなり大きな収納を確保できます。そこにオモチャ収納も作れるので、リビングスペースが広く使えてお子さんが開放的に遊べるのが何よりもメリット。
お子さんが小さいうちは、自由度も高いのでかなりおススメです。
デメリットは、いいサイズのダイニングソファを見つけるのがわりと大変ということ。
ダイニングソファって、なかなか欲しいサイズとデザインに出会うのが難しいんですよね。
【家具配置パターンB】コミュニティカフェ風! お友達がよく来るお宅に♪
お友達がよく遊びに来たり、来客が多いならこんな家具配置もオススメです!
人が集い、テーブルを囲む機会が増えてきたご家族にぴったりの思い切った配置プラン。
リラックスダイニングパターンの反転型です。
このパターンだと、生活の中心がこの部屋の中央に置かれた大きなダイニングテーブル(図だと長さ180センチ×90センチ)とダイニングソファになります。
例えば、お友達がよく子連れで遊びに来るなら、子ども達が和室で遊んでも、キッチン正面側の床座リビングで遊んでいても目が行き届きます。
また、「お子さんが就学してリビング学習を始めた」「自宅で仕事をすることが多いんだけど、書斎をひとつ作るのはさすがに無理だしそこまでいらない」という方にもオススメ。ダイニングテーブルがこれだけ大きいと作業もしやすいんです。
メリット&デメリット
一番のメリットは、やっぱり贅沢なリビングの使い方ができる点。
デメリットと紙一重ではありますが、「カフェに何時間いても疲れない、大好き!」みたいなタイプの方には非常にフィットするかと思います。
特に背面の壁面収納は、実用品の収納はもちろん、ディスプレイなども楽しめるスペースになります。
例えば、リビング学習の学習道具とか、PCや仕事道具や本を収納するのも良いですね。
デメリットとしては、なんと言っても勇気がいる点。こうした変形パターンの配置って、確信が持てなくて勇気がいります。
「部屋、狭く感じないかな?」「真ん中に巨大テーブルとか、大丈夫かな?」と悩む方は多いですね。
【家具配置パターンC】フレキシブルで合理的な共働きご夫婦に!
「もっと普通がいいの」という共働きご家族へはこの家具配置がオススメです。「今ある家具をうまく使いたい」、「ソファもやっぱり欲しい」「また室内干しの機会が多いけど、部屋が狭くなって嫌だな〜」などさまざまなニーズに対応できます。
最初にご紹介したよくある基本パターンにわりと近い感じです。またソファもダイニングも配置できるのがこのパターン。
ポイントは、ダイニングテーブルを半円タイプにしたこと。
こうするとよくあるパターンに比べ、テーブル後ろがゆったりと開放的になります。
そうすると、例えばこの窓際に室内用物干しなどを設置できます。
共働きで洗濯物が夜になるという方も意外と多いもの。季節によっては花粉がつくから室内干しがいい、なんていう方もいますね。
そんな場合に床に物干しを置くんじゃなくて、天井から吊るせるようにしておくと、干していない時の開放感が全然違います。室内干しが多いご家庭なら、浴室に浴室暖房乾燥機を導入すれば、居室に干すことがなくなりすっきりした空間を実現できますね。
そしてリビングには2〜2.5人掛けのソファとオットマンを配置。
このくらいの部屋の大きさだと大きなソファを置くと、いろいろ諦めなくてはいけないことが増えてきます。特に子育て期は空間をいかにフレキシブルに使えるかというのがかなり大切です。
そのため、大きなソファではなく2〜2.5人掛けのソファとオットマンにしています。
図の中ではW150センチの2〜2.5人掛けのソファですが、170センチくらいまでならギリギリ配置できるかもしれません。
このオットマンを自由に動かしながら、足を投げ出したり、独立して座ったりできます。
後、ソファをTVの正面に置かなくてはと思う人もいるかも知れませんが、意外と直角に配置しても見やすいんですよ。
メリット&デメリット
この半円テーブルは、こんな使い方もできるので、お客さまや祖父母が遊びに来た時なんかにも対応可能です。
そういった意味ではダイニング側の自由度の高さは子育て家庭にとても向いていると思います。
デメリットは少しキッズスペースが小さめなこと。もう少しリビング側に広いキッズスペースがあると良いと思う方もいるかもしれませんね。
おわりに
同じ間取りでも、家具の配置を少し変えるだけで課題が解決できたり、部屋の使い方を変えることができます。
模様替えをする時には「手持ちの家具や欲しい家具の大きさを見て、配置できる場所に配置していく」という発想になりがちです。でも、「壁際にソファ置いて、空いているスペースにとりあえず収納が置けそうだし」とその場しのぎに空きスペースを埋めていくとなんだかちぐはぐになったりします。
ゼロから考えるのは大変ですが、今回ご紹介した模様替えのレシピ(パターン)を考慮すると新しいアイディアが出てくるキッカケになるかもしれません。