【理由1】鍋ものだけじゃもったいない! 土鍋がマルチに使える&美味しい理由とは?
【美味しい理由1】温度がゆっくり上がる
ゆきひら鍋(金属性の鍋)と土鍋でお湯を沸かし、温度の上がり方を比較すると、同じ火力であっても土鍋はゆっくり温度が上昇していきます。
特性1. 根菜類やお米の甘みが増す
根菜類やお米は加熱によって甘みが増します。これは、でんぷんが酵素のはたらきによって糖に分解されるため。酵素が働きやすい温度帯は「40~60℃」です。
土鍋で調理すると、その酵素が働きやすい温度帯をゆっくりと時間をかけて通るため、より甘みが増します。その間に素材の甘みがどんどん引き出されるんですね。
特性2. 根菜類が煮崩れしにくい
形の崩れやすい煮物も、土鍋ならキレイな仕上がりに。根菜類は加熱はじめの「50~60℃」の温度帯を時間をかけてとおることで表面が硬くなります。土鍋で調理すると、煮はじめにゆっくり加熱されるので、その後グツグツ煮こんでも形を保ちやすく、荷崩れしにくくなります。
野菜のきれいな形をくずしたくない、おでんやポトフ、かぼちゃの煮物などにもオススメです。
特性3. 卵料理がなめらかに
卵料理は、簡単そうで意外にコツがいりますね。プリンはなめらかなものが人気ですが、市販のものは生クリームを加えて食感を作り上げているものも多いようです。卵・砂糖・牛乳だけのシンプルなプリンを美味しく作るには土鍋がおススメです。
卵料理の食感は、加熱温度と時間が決め手で、ゆっくり低い温度で固めると、なめらかになります。茶碗蒸しやプリンは、一気に温度が高くなると、すが立ってしまいますが、土鍋はゆっくり温度が上昇しますので、茶碗蒸しやプリンなどの卵料理がなめらかに仕上がります。
5分だけ加熱し、あとは余熱だけで調理する「なめらかな食感のプリンのレシピ」を後ほどご紹介します。
【理由2】鍋ものだけじゃもったいない! 土鍋がマルチに使える&美味しい理由とは?
【美味しい理由2】温度が下がりにくい&保温性が高い
土鍋は、一度温度が上がると下がりづらく、火を止めても高温が持続します。
保温性に優れた土鍋は、いったん温度を上げた後は「弱火調理」や、火を消しての「余熱調理」といったエコな調理方法が得意です。
特性4. 根菜やお肉が余熱でやわらかく仕上がる
根菜は90℃以上、お肉は75℃以上で加熱することで柔らかくなります。土鍋は火を消してもすぐに温度が下がらないので、高い温度をしばらく保つことができます。その間に、素材に熱を入れてやわらかく仕上げます。
特性5. 余熱で素材に味が染み込む
温度が高い方が味がしみこみやすいと言われています。土鍋は火を止めた後でも高温が保たれるので余熱で、よりじっくりと具材の芯まで味が染み込みます。
さらに一工夫。火を消す直前に強火にして、蓋まで熱くなるくらい鍋全体を加熱します。火を止めたら、新聞紙と古いタオルにくるんでください。保温効果が高まり、味の染みがさらに良くなります。
【土鍋の活用法1】お米をふっくら美味しく炊く
ガスの炎で土鍋を使ってお米を炊くと想像以上の美味しさに。白いご飯も絶品ですが、混ぜご飯や炊き込みご飯にもおすすめです。以下に簡単に作れるレシピをご紹介します。
土鍋おすすめレシピ:「土鍋ご飯」の基本の炊き方
土鍋を使って家庭用ガスコンロで炊くときの、基本的な炊き方をご紹介します。 火力調節は1回だけのシンプルな方法です。おすすめは3合です。
土鍋おすすめレシピ:牡蠣がまるごと入ってボリューム満点!「土鍋かきご飯」
かきの旨みと生姜を加えて土鍋で炊き上げました。冬ならではの炊き込みご飯です。
土鍋おすすめレシピ:見た目も味も豪華! 土鍋で簡単に「土鍋で鯛飯」
さっと焼いた鯛を贅沢に使い、土鍋でふっくら美味しく炊き上げます。風味と旨みは絶品!ほうじ茶をかければ二度愉しめます。
【土鍋の活用法2】煮込み料理を美味しくやわらかく作る
土鍋で煮物を作るときのポイントは、弱火でじっくり火を通すこと。ある程度具材が煮えたら、火を切ってしまっても余熱でしっかり火が通ります。放っておくだけで、味の染みて仕上がりもキレイな煮物ができちゃいますよ。
高温の余熱が、肉を軟らかく、そして肉や野菜に味を染み込ませますので、沸騰したら弱火で30分、消火して、余熱で2時間以上おくと、さらに美味しく仕上がります。
土鍋おすすめレシピ:くるっと巻いた牛肉とごろっとしたお野菜!「ロール ド ビーフシチュー」
薄切りのお肉がごちそうに大変身! 土鍋で煮込んだアツアツシチューです。
土鍋おすすめレシピ:じっくり煮込んだ豚肉がジューシー! フランスのお鍋「土鍋カスレ」
豚肉と白インゲン豆を煮込んだフランスの郷土料理のカスレを、土鍋を使って手軽に作ります。土鍋の持つ蓄熱性を活かして余熱で素材を柔らかく仕上げます。
土鍋おすすめレシピ:栄養満点! 味が中までよく染みた「お煮しめ」
土鍋の余熱を利用して根菜も鶏肉も柔らかくふっくらと仕上げます。
【土鍋の活用法3】蒸し器として使用する
土鍋を蒸し器として使えば、素材の甘味を十分に引き出してくれるのでお肉や野菜を蒸すだけでも美味しくいただけます。プリンなどのデザートも作れちゃうんです!
鍋の下に白菜のような水気の多い野菜を敷きつめ、空焚きにならないよう少し水を入れてから火にかけます。沸騰したら、お肉や魚、焼売などメインのものを上に乗せて、再び蒸します。野菜も他の食材のうま味をたっぷり吸って美味しくなりますよ。
土鍋おすすめレシピ:栄養満点! 味が中までよく染みた「お煮しめ」
土鍋でつくるプリンを紹介します。カラメルソースも手作りで甘みもお好み加減に。
5分ほど火を入れ、その後は余熱だけで調理するとおいしい食感になります。
【土鍋のお手入れ】土鍋の正しいお手入れ方法とは?
土鍋を長く使うには、初めて使用する際や使った後などにお手入れをすることが大切です。
使い始めのお手入れ「目止め」
土鍋に使用している粘土はキメが荒いため、ひびが入りやすかったり匂いが染み付きやすかったりします。これを防ぐのが「目止め」。米のとぎ汁やおかゆ等でんぷん質のものを煮て土鍋に浸透させることで、小さな傷やひび等を防ぎます。
土鍋に水を8分目まで入れ、米をひと掴み加えて弱火でおかゆになるまで煮てください。そのまま冷ましておき、水洗いした上で風通しのいい場所でよく乾燥させましょう。水気が残っているとカビのもとです。
土鍋を使用した後の普段のお手入れ
土鍋を冷ましてから水で洗います。熱い状態で急激に冷やすと、その温度差でひび割れることがあるので気をつけましょう。
洗剤を使う時は、臭いがつかないようにサッと洗うようにしてください。強くこすると傷のもとです。必ずやわらかいスポンジなどで洗うようにしてください。
臭い移りが気になる場合は、「茶殻」を使うのも手です。土鍋に水を8分目まで入れ、茶殻を入れて弱火で数分煮ます。その後水洗いし、しっかり乾燥させてください。
コゲがついてしまった時のお手入れ
軽いコゲであれば、水やぬるま湯でふやかしてから洗えば大丈夫です。しつこいコゲの場合、水を入れて一度沸騰させると取れやすくなります。この時強くこすってしまうと土鍋に傷が付いてしまうので、注意して下さい。
土鍋の保管方法やその他詳しいお手入れ方法は、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
【ゴシゴシこするのはNG!?】土鍋のお手入れ方法をしっかり知って長く使おう
おわりに
お鍋だけでなく、色々な調理に大活躍の「土鍋」。寒い季節は特に、素材の甘みやうま味を引き出したアツアツ料理を楽しみたいところです。ぜひ参考にしてみてくださいね。
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冬の鍋料理!みんなでワイワイ【鍋を味わう】レシピ5つ
色々使えて便利な土鍋ですが、これでお鍋を作るとやはり格段と美味しくなりますよね。お鍋と一言でいっても、色々とバリエーションがあるんですよ。水炊き等に飽きたら、こちらのレシピも参考にしてみてください。いつもと違った味わいが楽しめます。