単身者がマンションを購入した理由とは?
家賃を払うのがもったいない
マンションを購入した理由として最も多くあげられたのは、「家賃を払うのがもったいない」という意見でした。その他にも「資産として残る」や「月々の支払いが賃貸と同程度かそれ以下で済む」等、経済面での理由が上位を占めています。
次に男女別で見てみましょう。
男女で差異がみられたのは「持ち家の方が質がいい」「老後の住まいとして」などです。これらは女性の方が多くなっています。
「老後の住まいとして質を重視する」といった長期的な視点は女性の方が高く、「住まうこと」に対しての意識が女性の方が高い傾向がみられます。
将来の不安を軽減するため
また、回答者に「購入する際にいつまで住むつもりで購入したか」を聞いたところ、全体の半数を超える51.5%は、「一生住むつもり」と回答しました。
マンション購入によって住む場所を確保することで、将来の不安を軽減しようという意識もあると言えるかもしれません。
何を重視する? マンション選びの重視点とは?
「質」を重視! 転売や賃貸も視野に入れる
マンションの購入理由を聞いたところ、「通勤の便」「新築・築浅」「周辺環境」が上位3つを占めました。
続く4位に「転売や賃貸に有利」が入っており、購入時に転売や賃貸の見通しを重視していることがわかります。
中でも、年収400万円以上の女性にこの傾向が高く、同時にキッチンなどの設備や収納などの「質」へのこだわりが高いことが上の表から見受けられます。
「質」へのこだわりは、自分が住んで快適であることと共に、転売や賃貸時に有利になるという考えがあるものと考えられます。
一方で年収400万以上の男性では、「結婚しても住めそう」が約2割と他のグループの2倍以上と高くなっています。また、広さを理由とする人も多く、結婚の可能性を考慮していることがわかります。
女性は特にキッチンを重要視し、住まい選びの重視点が多い!
住まい選びに際して、建物や部屋に関することがどの程度重要かを聞いたところ、ほぼ全ての項目において男性より女性の方が重要と考える割合が高いことがわかりました。
特にキッチンは重要と考える女性の割合は高く、「2口以上のコンロがあること」は約8割の女性が重要・やや重要と考えています。また、「システムキッチンである」「シンクが大きい」などが魅力的に映るようです。
実際に、マンション購入後の変化として、「心からくつろげる場所ができた」と感じる割合は女性の方が高く、女性はこだわりを持って住まいを選び、さらにインテリアなども自分好みに飾るなどして、心地よい居場所を実現している様子がうかがえます。
また、インテリアを楽しんだり、人を家に招くようになったという傾向も女性に多くみられます。
その他にも、浴槽のお湯に浸かる頻度が増えたり、料理をする頻度があがるなど、家でゆっくりと過ごす時間が増えているようです。
単身者のマンション購入、広さや間取り・実際の購入金額は?
購入したマンションの広さは、女性の約7割が60㎡未満、約8割が2LDK以下のコンパクトマンションであるのに対し、男性では、3LDK以上のファミリータイプのマンションを購入している割合が多いことがわかりました。
これは、インタビューでも聞かれた「結婚しても住むことができる」との声のように、男性は「できるだけ広い住まいを購入しておく方がよい」との価値観があると言えそうです。
一方で女性は、ひとり暮らしにちょうど良い広さを選んでいるが、購入平均価格は高いことから、「質」を重視していることが考えられます。
実際に、単身者が購入したマンションの平均金額はどれくらいなのでしょうか?
購入したマンションの金額が最も高いのは、年収400万以上の女性で、最も低いのは年収400万未満の男性でした。この平均額には1300万円近くの差があります。女性の方が購入金額が高いのは、やはり「質」を重視して選んでいることが影響していると言えそうです。
おわりに
単身者のマンション購入に関する実態と、意識の違いと、実際に購入したマンションの間取りや平均金額についてご紹介しました。
住まいへのこだわりや生活をより楽しむ意識、マンション購入の理由など、考え方はさまざま。重視するポイントや目的も異なります。マンションを購入する際の参考にしてみてくださいね。
東京ガス都市生活研究所調査「単身者のマンション購入と暮らし」
■回答者は、一都三県在住の30~59歳単身社会人男女 600名
(自分名義の持家マンションでひとり暮らし)
■一都三県在住の30~50代未婚者平均年収に近い400万円でグループを分け、分析した。
(性別・年収によってマンション購入意識・実態に差が見られたため)