家族にいいことがたくさん! 親子料理の嬉しい効果とは?
東京ガス都市生活研究所では、「親子で一緒に行う料理」について、母親・父親・子どもそれぞれの意識と実態を調査し、親子料理の効果や実現のためのヒントを探りました。
その結果、親子料理をしたい、と考えている母親と子どもは約9割と多いことが分かりました。しかし一方で、実際に親子料理ができるのは「月に1回以下」という家庭が6割以上と、多いこともわかりました。
そこで今回は、親子料理の様々な効果と合わせて、簡単で効果的な始め方、取り組み方の6つのコツをご紹介します。
親子料理の効果で「家族が幸せになる」!?
親子料理を行うことは、どのような影響や効果があるのでしょうか? 具体的に以下のことが挙げられました。
・子どもが食に興味を持つ
・子どもと一緒に料理することが楽しいと感じられる
・家族が仲良くなる
・食材や栄養などの知識を教えられる
・将来子どもが自分で料理することで健康的な生活ができる
これらの影響や効果は、親子料理を週1日以上と日常的に行っている母親の方が感じている割合が高いことがわかります。「食育効果」だけではなく、「コミュニケーション効果」や「自分が助かる効果」など、さまざまな良さを実感する割合が高いようです。
また、家族の仲の良さや幸福感について、料理頻度別に尋ねたところ、親子料理の頻度が高いほど、「子どもと仲がよいと感じる」「家族と仲がよいと感じる」「家族が幸せであると感じる」と答えた割合が高いことが分かりました。
親子で時間と空間を共有し、1つのものを作り上げる機会が多いことは、家族の幸せ実感につながっているのではないかと考えられます。
気負わなくてもOK! 簡単で効果的な親子料理のコツとは?
食育にもなり、親子のコミュニケーションも活発になる「親子料理」。
でも、時間や手間が余分にかかるなどの理由から、あまり実施できていない家庭も多いのでは?
気負わずできて、親子で楽しく過ごせる、簡単で効果的な親子料理のコツについてご紹介します。
【効果的な親子料理のコツ1】年齢が低い頃からチャレンジ!
まず、親子料理はいつからどうやって始めるのがよいのでしょうか。
親子料理を行っている人の7割が、親子料理の最初のきっかけとして「子どもが料理に興味を持った」こと、と答えています。
実際に、子どもが料理に興味を持ちはじめた年齢を聞いたところ、「5歳」が最も多くなっています。また、親子料理を実際に始めた年齢も、5歳が最多となっています。
これは、2007年の調査でも同様の結果でした。
しかし、子どもが親と一緒に料理をしたいと思う時期は、短いようです。
小学生の子どもに対するアンケートでは、全体的に「親と一緒に料理をしたい」と思う子どもの割合が高いものの、小学校高学年になると、親子料理の意向が低くなっていることがわかります。
インタビュー調査では、「低学年の頃は自分からやりたいと言ってきたが、いつの間にか言わなくなった」という声があり、親と一緒に料理をしたいと子どもから言う時期は短いようです。
小さい子どもと料理をするのは時間も手間もかかりますが、子どもが「やりたい!」と意欲を見せた時が、親子料理を始める良いタイミングかもしれません。
【効果的な親子料理のコツ2】まずは「料理する姿を見せる」「味見させる」ことから
でも、子どもが小さいと、できる作業も限られるし、教えるのも時間がかかる・・・。
そんなときは、「料理する姿を見せる」「味見をさせる」だけでも、子どもの料理への興味が高まり、コミュニケーションが取れることが分かっています。
特に乳幼児の頃は、周囲の人を真似して発達する「モデリング効果」が働きやすい時期です。
小さな頃は、キッチンに入れると危ないと思いがちですが、おんぶ紐、子ども椅子、チャイルドロックなどで対応し、親が楽しく料理する姿を見せてあげるとよいでしょう。
もう少し大きな子どもには、「味見をさせる」のも簡単で効果的な入口です。
実際に、子どもに味見をさせている母親のアンケートでは、味見には単に味を確認するだけでなく、「子どもが喜ぶ」「コミュニケーションが取れる」「料理に興味を持つ」などの理由があることがわかります。
親子で一緒に料理することは難しい場合でも、親が料理しているときにその様子を見せてあげたり、子どもに味見をさせてあげることは、比較的簡単にできるのではないでしょうか。
【効果的な親子料理のコツ3】「褒める」「怒らない」でやる気を高める
せっかく子どもが料理に興味を示しても、やる気を損ねてしまっては残念ですね。
そこで、親子料理を日常的に行っている母親が、親子料理の際どのような行動をとっているか見てみました。
日頃から親子料理を行っている母親は、「料理中に子どもを褒める」「料理中に子どもを怒らない」ことで、子どもの料理に対するやる気を高めることにつながっているようでした。
実際に、親子で料理をする頻度が高い家庭へ訪問調査を行った際も、料理中に母親が子どもを「いいね、いいね」と褒めている姿がありました。
「子どもが一品を通して作れるように教えている」という項目についても、日常的に親子料理を行う家庭と、そうでない家庭では大きな差がありました。
日常的に親子料理をしている家庭は、料理の部分作業だけではなく、子どもが一人で料理をできるように手順を教えている様子がうかがえます。「自分で作れた!」と思えると、より自信がつき、ますますやる気が出るのかもしれません。
【効果的な親子料理のコツ4】キッチンの空間にゆとりを持たせる
日常的に親子料理をしている家庭では、親子料理を取り巻くキッチン空間にも工夫がみられるようです。
親子料理の頻度が高い家庭では、キッチンの空間やコンロ周り、調理スペースに余裕がある傾向があることが分かります。
「キッチン空間が広い」「コンロ周りの空間にゆとりがある」などの他、「子どもが作業できる台がある」などの工夫も見られます。
一方で、親子料理の頻度が少ない人ほど、「コンロ周りの空間が狭いので子どもには危ない」「キッチンで調理スペースの後ろ側が狭くて通りにくい」など、スペースの狭さに不便を感じている様子がうかがえました。
また、「子どもの手が届くところに道具や調味料」を置くといった配慮や、「子どもの目につくところに料理本がある」などの点でも、親子料理の頻度による差が大きいことがわかります。
子どもが料理に参加しやすい環境も、親子料理には大切と言えそうです。
【効果的な親子料理のコツ5】子ども用の料理グッズをそろえる
子ども用の包丁、エプロンや三角巾など、子ども用の料理グッズを利用することも、子どもの料理意欲を高めることに有効のようです。
実際に、「エプロンをつけると子どもの気分が盛り上がる」「子どもが自分で選んだ包丁を使っている」という声がインタビュー調査でもありました。
子ども用の料理グッズをそろえることも、子どもの料理意欲を高める良い方法かもしれません。
【効果的な親子料理のコツ6】子どもと楽しく作れるメニューを選ぶ
親子料理を行っている人は、どのようなメニューを作っているのでしょうか?
実際に作っているメニューを聞いてみると、「子どもが好きなメニュー」「子どもに任せる部分があるメニュー」の回答が多くありました。
具体的なメニューとして、「カレー」など子どもが好きで作りやすいメニューのほか、「ハンバーグ」「餃子」など、「混ぜる」「こねる」「成形」といった、子どもに任せる部分のあるメニューがよく作られているようでした。
「遊び要素があるメニュー」も上位にあり、盛り付けの段階で絵を描くなど、遊び心を加える余地のあるメニューも好まれるようです。
「お菓子やデザート」「季節のメニュー」など、普段の食事の料理以外でのメニューも挙げられていました。
日常の料理では難しい場合は、時間のある土日にお菓子作りをしたり、ハロウィンやクリスマスなど季節のイベント料理を一緒に作ることも、楽しい親子料理になりそうですね。
親子で楽しめる! 東京ガス料理教室
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おわりに
親子料理の効果と、簡単で効果的な始め方、取り組み方のコツについてご紹介しました。
親子料理は、子どもが興味を示した時など、早い時期から行うのが理想です。平日などなかなか余裕がないときは、料理をする姿を見せたり、味見をさせるだけでも効果がありそうですね。
親子料理を通じて、家族で一緒に楽しんだり、コミュニケーションを深めるきっかけになると良いですね。