子どもの運動神経をよくするために、体育指導は「逆効果」!?
自分の子どもの運動神経について、ちょっと気になる・・・という方もいると思います。
最近では、体育指導に力を入れる幼稚園や、体操やスポーツを習わせる家庭も増えています。
運動神経は小さいうちが大切だというし、運動が苦手なうちの子も、体育系の習い事をやらせた方がいいのかしら・・・そんな風に悩む方もいるかもしれません。
ところが、最新の研究では、「体育の指導をすればするほど、運動能力の点数は低くなってしまう」ことが判明しました。
東京学芸大学の杉原隆名誉教授の研究チームでは、25メートル走や立ち幅跳びなど、6つの種目について、全国65箇所の幼稚園児の運動能力を調べ、幼稚園等でマット運動や体操などの体育指導を受けている子どもと、受けていない子どもを比較しました。
すると、30点満点中、指導を受けている子どもは18点台だったのに対し、受けていない子どもは19点台だったそうです。
「体育指導を受けている」子どもの方が、運動能力の点数が「低かった」のです。
その理由は、「子どもが経験する動きの種類」にあったようです。
体育指導では、前転や跳び箱など同じ運動を繰り返すことがどうしても多くなります。
また、説明を聞いたり、順番を待ったりする時間も長く、運動する時間も短くなりがちです。
体育や体操自体がよくないというわけではなく、指導方法が大切なようです。
人間の基本的な動きは36種類に分類できると言われており、幼少期にできるだけたくさん経験し、バランスよく身につけることが望ましいとされています。
杉原名誉教授によりますと、こうした色々な動きを経験するためによい方法は、「遊び」だそうです。「遊びを通して、たくさんの種類の運動を経験することが運動能力のアップにつながる」とのことです。
身体を使った遊びの中で、色々な動作をバランスよく身につけることは、子どもの運動神経や運動能力を伸ばすだけはありません。
コミュニケーション能力や創造力の発達、表現力や自主性の向上、意欲心の育成などにもつながると言われています。
参考:一般財団法人 田中教育研究所「Recrew レクルー5月号(公益財団法人日本レクリエーション協会発行)」
子どもの運動神経を「遊び」で伸ばす、お出かけスポット6選
何もない場所で自由にしても、自分からは活発に体を動かさない子どももいます。色んな動きをしたくなったり、自分たちで工夫して楽しんで体を動かせるような環境が必要です。
そこで、「子どもの運動神経を伸ばす」、幼児~小学生におすすめの首都圏のお出かけスポットをご紹介します。
各地に複数あるような施設も含めて、屋外・野外施設に加え、雨の日にもぴったりの室内の施設を3つずつご紹介します。
【室内編】子どもの運動神経を伸ばす、室内お出かけスポット3つ
その1 KID-O-KID(キドキド)
キドキドは、北欧などの良質なおもちゃや遊具で子どもの遊び環境を提供する会社「ボーネルンド」が運営している室内遊び場です。全国各地のショッピングモールなどに設置されていて、首都圏にも12ヶ所あります。(2017年8月時点)
キドキドでは、上でも述べた「人間の基本的な36の動き」を意識した遊び環境がつくられ、飛んだり跳ねたり走ったり、転がったり登ったりボールを投げたり、色々な動きが、楽しく安全にできるよう工夫されています。
「プレイリーダー」というスタッフがいて、子どもの遊びをサポートしてくれるので、親としても安心できます。
対象は0歳~小学生。
靴を脱いで入り、裸足で遊べるので、子どもが小さいうちから楽しめます。
特に0~1歳の赤ちゃんには専用の遊びスペースもあります。伸び伸びと体を動かせるほか、手先を使った遊びやおままごとができるスペースもあり、色々な楽しみ方ができます。
利用時間に応じて料金がかかるシステムですが、平日フリーパスや夏休みフリーパスなどの販売もあります。ぜひ一度、おうちから行ける範囲の場所を探してみて下さい。
⇒ KID-O-KID(キドキド)
その2 アネビートリムパーク
アネビートリムパークは、東京お台場、西多摩、神戸に開設している、室内遊び場です。
施設内は非常に広く、幼児教育先進国であるヨーロッパの、高品質な遊具が集まっています。大型の複合遊具、トランポリン、クライミングウォールなど、小学校高学年の子でも全身を思いっきり動かして遊べる、大型の遊具やおもちゃがたくさんあります。
空間が広く、土足で遊べるので大きな公園がそのまま室内に入ったようなダイナミックさが特徴です。もちろん、小さい子には「乳幼児エリア」「はだしエリア」もあり、こちらも小さい子向けながら、かなり大きな遊具があります。
手先を使ったおままごとやモノづくりができるスペースや、様々なイベントもあり、一日遊べますよ。
利用時間に応じて料金がかかるシステムですが、一日フリーパスの販売もあります。
⇒ アネビートリムパーク
その3 ギャラクシティ「こども未来創造館」
ギャラクシティは、西新井文化ホールを含む複合体験型施設です。
その中の「こども未来創造館」の体験施設(アトラクション)には、日本最大級の「ネットジム」があります。直径17m、高さ10m、3階建ての大型ネットは、子どもが全身を動かして遊ぶのにぴったり。
運動が苦手な子どもでも、空中に張られたネットの上では、ただ歩くだけでも全身運動になりますし、見た目からしてワクワクしますよね。
同施設内には、大人から子どもまで楽しめるクライミングウォールなどもあります。
こちらは公共施設のため、なんと利用料金が無料なのも嬉しいところ。お隣にはプラネタリウム(有料)もあります。
⇒ ギャラクシティ こども未来創造館
【屋外編】子どもの運動神経を伸ばす、野外お出かけスポット3つ
その1 プレーパーク(冒険遊び場)
「プレーパーク(冒険遊び場)」とは「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーにして、全国各地、様々な場所に開設されている遊び場です。
「木登り」「焚き火」「泥遊び」など、普通の公園ではなかなかすることができない遊びを、常駐の「プレーリーダー」や地域のボランティアに見守られながら、思いっきり楽しめます。
また、シーソーや滑り台など既存の遊具ではなく、土地の特徴を生かした素朴な遊具で、子どもが自由な発想で遊べるのも特徴です。
NPOや市民団体が主催し、自治体などの支援を受けている場所が多くあります。常設のところもあれば、週1回など定期的に開催しているところもあります。
ぜひ一度、おうちの近くのプレーパーク(冒険遊び場)を探してみて下さい。
⇒ 全国のプレーパーク(冒険遊び場)検索(特定非営利活動法人 日本冒険遊び場づくり協会)
その2 国営昭和記念公園「こどもの森」
東京都立川市にある国営昭和記念公園は、約180ヘクタール(東京ドーム約38個分!)の広大な公園です。その中に、「こどもの森」という、巨大な遊具が集まっている場所があります。
上の写真、白い部分は全て巨大なトランポリン。大きい子用と小さい子用に分けられ、小さな子どもも安心して、大きい子どもも思いっきりジャンプできます。
他にも、日本一巨大なハンモック「虹のハンモック」や、巨大な石製ドラゴンによじ登って遊べる「ドラゴンの砂山」など、わくわくするような設備がたくさんあります。飛んだり跳ねたり、転がったりよじ登ったり、全身を自由に使って遊ぶにはぴったりのスポットです。
利用には公園の入場料が必要です。また、公園全体が広大なため、「こどもの森」に辿り着くまで遠いのが、小さい子連れにはやや難点かもしれません。自転車道も整備されているので、公園内のレンタサイクルなどを利用することがおすすめです。
⇒ 東京都立川市 国営昭和記念公園「こどもの森」
その3 森の空中あそび「パカプ」
神奈川県足利市にある、森の空中あそび「パカブ」は、2017年7月23日にオープンしたばかりの施設です。
森の中に張り巡らされた、様々な形の網の中で、飛んだり跳ねたり。木と木の間の吊り橋をユラユラ渡ったり、空中迷路に挑戦したり。空中ミニサッカーやバトミントンなどができる場所もあり、子どもも大人も楽しめる施設です。
森の緑に包まれるので、森林浴効果も期待できますね。
利用には利用料が必要です。また、高いところが苦手な子には、ちょっと怖いかもしれませんので、ご注意下さい。
⇒ 神奈川県足利市 森の空中あそび「パカブ」
おわりに
「子どもの運動神経・運動能力を伸ばす」という観点から、お出かけスポットを6つご紹介しました。もちろんこの他にも、遊びながら運動神経を伸ばせるスポットはたくさんあります。
「色々な動作が自然にできる」「全身を使って楽しく遊べる」という観点から、ぜひお近くのベストスポットを探してみて下さいね。
また、お出かけに行く前には、火の消し忘れ・鍵の掛け忘れにご注意を。安心してお出かけできるように、以下の記事も参考にしてみてください。
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