リビング? 子ども部屋? 今時の子どもはどこで勉強している?
小学生、中学生、高校生、そして受験期とそれ以外で、どこで勉強しているのでしょうか?
【東京ガス都市生活研究所】の調査結果では、普段の宿題などをやる部屋は、小学生では約8割、中学生では約5割の子どもが「リビング」という結果でした。
その一方で、受験勉強や定期試験のための、いわゆる試験勉強をする部屋は「子ども部屋」の割合が高くなります。また、年齢が上がるにつれて「子ども部屋」で勉強する割合が高くなっていきます。
調査結果について、詳しくは以下の記事をぜひ参照してください。
【リビング・ダイニング】と【子ども部屋】のメリットを比較
リビングと子ども部屋、それぞれで勉強させている親は、どんなことにメリットを感じているのでしょうか。
それぞれの部屋での勉強に「満足している」と答えた親のアンケート結果がこちらです。
【リビング・ダイニング】で勉強するメリット
「リビング・ダイニング」での勉強については、「勉強を見てあげたり、教えたりできるから」「勉強しているか、いないかがわかるから」という理由が上位でした。
また小学生では「子どもがさびしくないから」という理由も多く回答されました。
子どもにとっても、分からないところをすぐ聞けたり、周りに人がいることで逆に気が散らない、やる気が出る、といったことがありそうです。
【子ども部屋】で勉強するメリット
一方「子ども部屋」で勉強する理由については、「ひとりの方が集中できるから」「勉強道具がすぐ近くに置いてあるから」が上位でした。
実際に子ども部屋で勉強する割合が高い「受験期の中高生」については、勉強するための空間で集中して勉強して欲しい、という親の考えが表れていると言えます。
【リビング・ダイニング】と【子ども部屋】のデメリットを比較
【リビング・ダイニング】で勉強するデメリット
「リビング・ダイニング」では、「集中しにくい」「勉強道具が近くにない」ということに加え、「他の家族が気兼ねしてテレビなどを見られない」、「姿勢が悪くなりがち」ということがありそうです。実際に、「子どもがリビングで勉強しているときはテレビをつけない」という意見や、「テレビやパソコンはイヤホンやヘッドホンを使う」など音を出さないように気をつけているという調査結果も見られました。
その他にも、使用するテーブルと椅子、ローテーブルによっては、必ずしも勉強する姿勢にあっていない場合があったり、照明の位置によっては勉強する手元が暗くなってしまうことなども考えられます。
また、ダイニングテーブルで勉強している場合は、消しゴムのカスが気になる場合もありますね。
【子ども部屋】で勉強するデメリット
一方、「子ども部屋」のデメリットを考察すると、「勉強を教えられない」「勉強しているかしていないかが分からない」ことが最も大きそうです。また、小学生では「子どもがさびしがる」、高校生では「机が狭い」ことも挙げられます。
年齢別「勉強できる環境」の作り方とは
ここまで、子ども部屋とリビングで勉強する場合のメリット・デメリットについて見てきました。
それを踏まえて、年齢別の「勉強できる環境」の作り方について考察します。
小・中学生までは、やっぱり【リビング】が人気
【リビング・ダイニング】で勉強しやすくするための環境の作り方
調査の結果を見てくると、「リビング勉強」の人気にも頷けます。親が勉強を教えやすく、子どもにとっても嬉しい「リビング」が、小学生のうちは勉強しやすいと言えそうです。
【リビング・ダイニング環境づくり】家族も一緒に仕事・勉強・読書
リビング勉強のデメリットとして、「家族が気兼ねしてテレビなどを見られない」ということがあります。これについては、上記の図に挙がっている「家族も一緒に仕事・勉強・読書などをする」「他の兄弟姉妹も一緒に勉強させる」などが解決策になりそうです。
【リビング・ダイニング環境づくり】照明
リビングやダイニングでは、照明の位置によっては頭で本やノートに影ができてしまうことも。手元が明るくなるように、学習用のライトスタンドを用意してあげるのもいいでしょう。
【リビング・ダイニング環境づくり】机
ダイニングテーブルやローテーブルを利用することで「姿勢が悪くなる」「勉強道具が近くにない」というデメリットが気になる場合は、いっそのこと「リビングに勉強机を置く」という方法もあります。実際に、小学生の中学受験期では9%がリビングなどに学習机を置いており、リビングでの学習をより快適にする方法のひとつと言えそうです。
新築時に、親子で使えるような「スタディコーナー」をリビングにつくるといった設計も流行りのようです。
受験期の中学生&高校生は「自宅外の学習室」や「子ども部屋」がベター
一方で中学生の受験期になったり、高校生になると、リビングよりも「自宅外の学習室」や「子ども部屋」の方が適していると言えそうです。
その最大の理由として、リビング勉強の一番のメリットである「勉強を教えてあげられる」ことが、現実的に難しくなることがあります。
「子どもに勉強を教えたいか」という親へのアンケートでも、中学生から「教えたいが、教えられない」という回答が増えていきます。特に高校生ではそれが急増し、「教えたいと思わない」という回答も多くなります。
こうした「教えられない」デメリットについては、自宅だけでなく、塾・予備校・学校の学習室などを利用するという手があります。周りが勉強しているため集中しやすく、分からないところを聞くことができるので、自宅での学習よりもはかどるかもしれません。
「子ども部屋」で勉強しやすくするための環境の作り方
子ども部屋で快適に勉強するために親がしてあげられること
自習室などは使用時間が限られますし、やはり自室(子ども部屋)で勉強する中高生もたくさんいます。特に夜間などは、自宅で勉強する時間も増えるでしょう。これまでの調査から考察すると、子ども部屋で快適に勉強するために親がしてあげられることとして「勉強机」「空調」「照明」があります。
受験期の高校生でも、試験勉強や受験勉強をリビングで勉強する子どもが2割強いましたが、その理由として、周囲に人がいるからという以外に、「机が広い」「照明」「空調」が挙げられていました。
子ども部屋の「空調(冷暖房)」
【東京ガス都市生活研究所】の「子供に聞いた自分の部屋と家族に対する意識」調査によると、「子ども部屋への不満」として、「夏、暑い」「冷房がない」「冬、寒い」が上位に挙げられています。親へのアンケートでも、「子どもの部屋の冷暖房は勉強に適したものにしたい」との意見が多く見られました。
子ども部屋の空調については、
「冬は子供部屋が寒すぎて勉強もリビングでやる(受験期の小学生)」
「『リビングはクーラーついているから、こっちで勉強していい?』とリビングに勉強しに来る(女子中学生の母親)」といった声も出ています。
実際に子ども部屋で使用した空調は、エアコンの冷房が62.2%と最も高く、エアコンの暖房は44.1%、エアコンの除湿は23.5%と、エアコンの機能が多数上位に挙がっています。
「床暖房」で勉強に適した室内環境の実現
床暖房がついていればよかったと思う部屋として、子ども部屋を挙げる親も多く見られました。
エアコンの暖房は、足元が寒いのに頭がボーッとすると感じることはありませんか?これは、温かい空気は上に上がりやすく、足元に冷たい空気がたまりやすいから。
床暖房なら足元は暖かく頭は涼しい「頭寒足熱」を実現するので、頭がボーッとしないので勉強も集中しやすく、勉強部屋にも最適です。
上記は、エアコンの部屋と床暖房の部屋でのテスト結果を比較したものです。
すべての回で床暖房の部屋での平均得点が高い結果となっています。
床暖房は頭寒足熱で、子どもが勉強しやすい環境づくりに役立つ暖房といえます。
おわりに
今どきの「子どもの勉強場所」について、そして、年齢別の「よりよい勉強環境の作り方」について考察しました。
子どもの快適な勉強をサポートするために、親ができることのヒントにしてみて下さいね。