お米には賞味期限の代わりに精米年月日が表示されている!
お米は、野菜などと同じく農産物の扱いとなるため、明確な賞味期限はなく、賞味期限や消費期限は表示されません。代わりに表示されるのが、精米した年月日。JAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)にて表示を定められたものです。
京の米老舗「八代目儀兵衛」さんによると、お米を美味しく食べるために意識したいのが、この「精米年月日」。お米を選ぶ時、購入する時、食べる時には、必ずそのお米の「精米年月日」に注目してください。
お米を美味しく食べられる保存期間は「◯◯日以内」!?
お米を美味しく食べるには、「精米したて」が一番。お米は、精米した後から時間とともに食味が低下していきます。古くなると、ごはんとして美味しく食べることが難しくなってしまうんです。
精米後、お米には時間の経過とともに、残念な変化が起こります。一つは、お米の酸化が進むにつれ、古米臭が強くなること。二つめが、お米の水分が抜けて食感が悪くなってしまうこと。
それでは、お米を美味しく食べられる期間は、およそどのくらいなのでしょうか。
お米を本当に美味しく食べるための目安は30~45日以内!
八代目儀兵衛さんによると、精米してから30~45日までに食べ切るのが目安なのだそう。購入するときには、その期間内で食べ切れる量だけを購入しましょう。また、期間の目安は、季節によって変わり、暑い時期ほど早めに食べ切る必要があります。真夏は30日、真冬は45日が目安と覚えておきましょう。
お米を長期保存したい場合には玄米を!
精米されていない玄米は、米を覆っている糠(ぬか)が酸化を防ぐので、精米より長期保存に向いています。お米をまとめ買いして長期保存したい場合には、精米機を用意して、精米した白米ではなく玄米を購入し、食べる分を都度精米するのが良いようです。
お米の正しい保存方法とは?
お米の品質を低下させないためには、正しい方法で保存することが大切です。
【お米の正しい保存方法1】高温多湿・直射日光を避け、涼しい場所で保管
お家の中で最も涼しい場所と言えば・・・?
そう、お米を保管するのに最もおすすめな場所は、「冷蔵庫」です。冷蔵庫が難しい方は、「日光の当たらない、風通しの良い涼しい場所」で保管するようにしましょう。
よくやりがちな、キッチンの床下やシンクの下などは、風通しも悪く、湿度が高くなりやすい場所。もし、そこに置いている方がいたら、すぐにお米を避難させましょう。さらに、気温も上昇する4月以降はお米の水分が抜け始めます。せめて真夏だけでも冷蔵庫へ!!
※できれば、一年を通して冷蔵保存しましょう。より美味しさをキープできます。
【お米の正しい保存方法2】密閉性の高い容器に入れる
購入時の米袋には、通気性を良くするため小さな空気穴が開いています。その穴から害虫が侵入する恐れもあるので、密閉性が高い容器に移して、お米を保管しましょう。
米びつの他にも、密閉できる小分けの袋や密閉容器、ペットボトルなどでの保管は、冷蔵庫でも場所をとりにくいのでおすすめです。
また、防虫効果のある鷹の爪やお米用防虫剤を入れると、さらに安心ですね。
【お米の正しい保存方法3】保存容器は清潔に! 古いお米と混ぜるのはNG!
新しいお米を米びつなどの保存容器に入れる際、古いお米と混ぜることは避けましょう。
また、一度お米を保存すると、容器の四隅にお米や糠(ヌカ)がたまります。虫が発生する原因にもなるので、お米を入れ替える時は、必ず容器をきれいに洗い、清潔を保つよう心掛けましょう。
【お米の正しい保存方法4】ニオイが強いものを遠ざける
お米はニオイが移りやすい食品です。そのため、ニオイが強いものは側に置かないようにしましょう。
お米の保存方法が間違っていたり、保存期間を過ぎると・・・?
お米は高温多湿の環境に弱く、温度が高ければ酸化の進行は早まり、湿度が高いとカビも発生しやすくなります。 コクゾウムシなどの害虫が発生することも。
お米は、生鮮食品。長期間保存せず、精米後、早めに食べ切ることがオススメです。
劣化したお米の見分け方
新鮮なお米は透き通って粒がそろっています。米粒の色が白く濁っていたら、割れやすくなり、品質が低下しているサインだそう。炊いた時の食感が悪くなっているので選り分けましょう。
虫の被害が出たお米は中が空洞になっていたり、白い糸を引くことがあるようです。カビや虫害が出ていたら廃棄しましょう。
おわりに
精米したお米は長期保存に向きません。お米を美味しく食べるためには、精米したてを食べることと、お米の劣化を緩やかにできる冷蔵庫や冷暗所で保存すること。そして、やっぱり早めに食べきることが大切です。美味しいごはんを楽しむために、ご紹介した保存方法をぜひお試しくださいね。