【和牛と国産牛の違い】牛肉の種類は大きく3種類
日本で販売される牛肉は、「和牛」「国産牛」「輸入牛」の3種に分類されます。
まずは3つの違いを見ていきましょう。
1. 和牛
和牛とは、【品種】を表すもので、牛の生まれた地や肥育期間に関係なく、和牛品種のものは「和牛」と呼ばれます。
日本古来の食肉専用種、「黒毛和種」「褐毛(あかげ)和種」「無角和種」「日本短角種」の4品種とそれらの交雑種のことを指し、和牛を名乗れるのはこの4種のみ。神戸牛や松坂牛などの但馬牛はその代表格です。
2. 国産牛
「国産牛」とは、日本国内で肥育された牛のことをいいます。どこで生まれた牛でも、どんな品種の牛でも、日本で肥育された期間が一番長い牛肉は「国産牛」と表示されます。
輸入された牛でも、外国種の牛であっても、日本で肥育された期間が一番長ければ「国産牛」になるわけです。
また、上記4品種の「和牛」以外の肉は国産であっても「和牛」とは呼べず、日本で肥育されたホルスタイン種とその交雑種などは「国産牛」と呼ばれます。
ホルスタイン種は(メスは主に搾乳用ですが)オス牛を食肉用として育てたものが多いようです。
3. 輸入牛
3種類目は、「輸入牛」です。その名の通り「輸入された牛肉」を指します。最近はオーストラリア産やアメリカ産などが多いですね。
牛を生きたまま輸入した場合でも、日本での肥育期間が、生まれた国の肥育期間より短い場合は「輸入牛」になります。
「和牛」4種類の特色と主な銘柄
「和牛」に含まれる4種「黒毛和種」「褐毛和種」「無角和種」「日本短角種」について違いを見てみましょう。
1. 黒毛和種
○特色:日本の和牛の約90%を占めているそうです。肉質はキメが細かくまろやかで柔らかく、肉色は鮮やかな紅赤色。高品質の霜降り肉として知られています。
○主な銘柄:松坂牛、但馬牛、米沢牛、近江牛、飛騨牛
2. 褐毛和種
○特色:元々熊本県で飼育されていた品種の交配種。熊本県で多く飼育されている他、高知県や北海道でも飼育されているそうです。黒毛和牛に近い肉質ですが、赤身が多く脂が少ない特徴があります。
○主な銘柄:肥後牛、土佐牛
3. 無角和種
○特色:山口県阿武郡で「アバディーンアンガス種」を在来和牛と交配して生まれた品種。肉質がやわらかく、赤みの中にも適度な脂身を持ち、和牛独特の風味があります。
○主な銘柄:無角和牛
4. 日本短角種
○特色:旧南部藩(現在の東北北部)原産の「南部牛」に米産の品種を交配、改良した品種。
脂肪分が少なく、柔らかく良質な赤身が特徴。
○主な銘柄:短角牛、八甲田牛
「和牛」と「国産牛」選ぶ際の注意点
和牛のほとんどは「黒毛和種」ですが、お店では「黒毛和牛」「黒毛和種」「黒毛牛」「黒牛」といった表示のものがあります。
「黒毛和牛」「黒毛和種」と「和」が入ったものが、「和牛」となります。間違えやすいので注意してください。
また、「和牛」は品種を表すものなので、国外で肥育された国産でない場合もあります。オーストラリアで肥育された「黒毛和牛」も存在しますので、気になる場合は産地も確認しましょう。
国産牛がどこの国から輸入されたか調べられる?
国産牛には個別の番号が与えられており、牛が輸入された国名、生まれたり肥育されたりした都道府県、牧場名なども調べることができます。
確認方法は以下の通りです。
- お肉の値段や情報が記載されている表示シールをチェックし、10桁の「識別番号」を探す
- 「牛の個体識別情報検索サービス」をスマートフォンやパソコンで検索
- webページ内の「個体識別番号の検索」に10桁の識別番号を入力する
輸入先以外にも、輸入年月日や牛の種別、飼養施設の所在地(都道府県名)などの情報も確認することができます。気になる方は下記の「牛の個体識別情報検索サービス」から調べてみてくださいね。
独立行政法人 家畜改良センター「牛の個体識別情報検索サービス」
おわりに
今回は、和牛と国産牛の違いをご紹介しました。普段何気なく買っている牛肉ですが、分類方法を知ると見方が変わりますね。お肉を買いに行く際は、少し気にしてみてはいかがでしょうか。
参考:農林水産省「畜産部・肉用牛」
参考:消費者庁「生鮮食品品質表示基準改正(畜産物の原産地表示)に関するQ&A」