チーズの保存、どうしていますか?
そのまま食べても、調理してもおいしいチーズ。一度に消費し切れず、余ったチーズをどう保存すれば良いか迷ったことはありませんか?
チーズにはさまざまな製造方法があり、種類によって保存のポイントが異なります。
今回は、
1. チーズの保存の基本
2. チーズの種類別の保存方法
3. チーズの活用方法
についてご紹介します。
チーズの保存、基本のポイント
種類ごとに見ていく前に、一般的なチーズを保存する際のポイントをご紹介します。
チーズを乾燥させない
チーズの保存は冷蔵保存が基本ですが、冷蔵室は乾燥しやすいので、チーズの切り口をラップで丁寧に包みます。山羊のチーズの場合、むれると嫌な臭いを発することがあるため、緩めに包みます。
冷蔵庫の中でも、湿度が高めの野菜室などで保存するのがおすすめです(チーズの種類によっては冷蔵室も可)。念入りにするなら、ラップで包んだチーズを密閉容器に入れて保存します。
直射日光と高温に注意する
チーズの保存は、5〜10℃で湿度が80〜85%くらいの環境が適しています。直射日光が当たる場所や高温の環境で保存すると、チーズの主成分の一つである脂肪が溶け出してしまう可能性があるので注意してください。
チーズは冷凍しない
チーズは一部の商品を除き、冷凍すると風味や舌触りが変わってしまいます。一方で、加熱して使用するレッドチーズ(ピザやグラタンに使用するチーズ)は冷凍保存も可能です。
冷凍保存するときは「すぐに使える状態」で小分けに保存したり、大袋のものは平らにして保存し、使用時に使いたい分だけパキっと折って取り出すようにしましょう。
周りの匂いに気をつける
チーズは周りの匂いを吸収しやすい性質があります。にんにくや玉ねぎ、柑橘類など香りが強い食材と一緒に保存しないよう気をつけましょう。
チーズから出た水分に注意
水分によりカビが発生するため注意が必要です。チーズの切り口が結露などで汗をかいていたら、乾いた清潔な布やキッチンペーパーなどで拭いて、ラップで包みましょう。ラップでくるんで保存した場合は3〜4日ごとにラップを取り替えます。その際、チーズから出た水分は必ず拭くようにしましょう。
※ただし乾燥に弱いチーズの場合、湿ったキッチンペーパーに包んで保存することがあります。
フレッシュタイプのチーズの保存
フレッシュチーズの種類
クリームチーズ、カッテージチーズ、モッツァレラ、マスカルポーネ、リコッタ、ストロングチーズ(さけるタイプなど)フェタ、フロマージュ・ブランなどがあります。
フレッシュチーズとは、熟成させないチーズのことを指します。チーズの原料となる乳に乳酸菌や酸素を加えて固めた後に、水分をとりのぞいて作ります。クセがなく、そのまま食べるのが美味しいチーズです。
保存方法
チーズが入っていたケースやパッケージのまま、冷蔵室(適温は5℃ぐらい)で保存します。ケース入りではない柔らかいタイプのチーズは、密閉容器で保存してください。
このタイプのチーズは、開封後1週間以内で食べきった方が良いそうです。また冷凍保存には向いていないので注意しましょう。
食べる時
フレッシュな物ほどおいしいので、開封したら早めに食べきるのがおすすめです。食べる時は、冷たい状態のまま食べると美味しくいただけます。
白カビタイプのチーズの保存
白カビタイプチーズの種類・特徴
カマンベールチーズ、クロミエ、シャウルス、ヌーシャテル、バラカ、など。
表面が白いカビで覆われているのが白カビタイプ。熟成するにつれ表皮に赤茶色の斑点が出て、内側がやわらかくなります。チーズの中では、一番食べごろが大切といわれている種類です。
カマンベールチーズなどには殺菌しているタイプもあり、比較的日持ちする点が特徴です。ちょうど食べごろの時期にパッケージに入れています。
保存方法
乾燥は大敵です。チーズの切り口をしっかりラップで包み、ジッパー付きの食品保存袋に入れて密閉し、野菜室(約7〜8℃)で保存しましょう。密閉するには以下の方法もあります。
・ラップで包んだチーズを大きめの密閉容器に入れて、ぬれ布巾やレタスの葉などを入れて湿気を補う。
・湿らせて固く絞ったキッチンペーパーでチーズを包み、密閉容器に入れる。
冷蔵庫の中でも熟成は進むので、食べ頃に注意しならが食べ切りましょう。
食べる時
冷蔵庫から出して約20分〜30分後の室温に戻して食べるのがおススメです。日数が経つほどに熟成が進み、味が変わるものもあります。
青かびタイプのチーズの保存
青カビタイプチーズの種類・特徴
カンボゾラ、ゴルゴンゾーラ、スティルトン、ババリアブルー、ロックフォールなど。
白カビと同じくカビを使うタイプのチーズですが、こちらはチーズの内側から熟成していきます。ほとんどは輸入時に食べごろになっているものが多いので、購入後すぐに食べても美味しいです。
保存方法
白カビタイプと同様、乾燥を避けた方が良いチーズです。乾かないように気をつけて保存しましょう。青カビは繁殖力が強いので、他の食品に青カビが移らないよう、二重に包むなどの工夫をしましょう。
食べる時
風味、塩分が強いので、無塩バターやプレーンのクリームチーズに混ぜるとマイルドな味わいに。熟した洋なしやぶどうなどにもよく合います。
セミハードタイプ・ハードタイプのチーズの保存
セミハードタイプの種類・特徴
ゴーダ、カンタル、サムソーなど。
チーズを作る工程でプレスし、水分を38〜46%と少なくした半硬質のチーズ。ナチュラルチーズの中でも保存性が高く、日本でも馴染みのあるチーズです。
ハードタイプの種類・特徴
エダム、エメンタール、グリュイエール、パルミジャーノ・レッジャーノ、ペコリーヌ・ロマーノ、ミモレット、ラクレットなど。
セミハードタイプよりもさらに水分を少なくした(水分約38%以下)、大きく質量のあるチーズです。熟成が緩やかなタイプのチーズなので、食べごろが長めです。上手に保管すると熟成がすすんで、さらに風味がよくなります。
保存方法
カビと乾燥を防ぐため、切り口をぴったりとラップで包み、密封容器に入れ、湿度が高めの野菜室で保存するのがおすすめです。購入してから2〜3週間で食べきるようにしましょう。
食べる時
セミハードタイプ:グラタンやサンドイッチに利用したり、お酒のつまみに最適です。
ハードタイプ:そのまま食べるもよし、固くなったら削って粉にし、パスタ料理やサラダにかけたりして使えます。
裏ワザ! 余ってしまいそうなチーズをより楽しむ方法
チーズは食べきれる分だけを購入し、新鮮なうち、または食べごろを見極めて食べきりましょう。それでも余ってしまいそうな時は、こんな楽しみ方もあります。
オリーブオイルで漬ける
残ったチーズを適度な大きさに切って清潔な瓶に入れ、チーズが隠れるくらいの高さまでオリーブオイルを注ぎます。お好みでローズマリーやタイムなど、ハーブを入れると香りもよくなります。サラダに添えたりパスタソースに混ぜたりと、色々な使い方が楽しめます。
固くなってしまったチーズの活用法
おろし金ですりおろし、カレーやシチューのコク出しや、パスタや炒め物にひと振りしたりと、おいしさアップの調味料として使えます。
おわりに
チーズの保存は湿度、温度、乾燥や水分に気をつけて保存する必要があることがわかりました。早めに食べるもの、熟成を楽しむものなど種類もさまざま。奥の深いチーズですが、保存方法と食べごろを知って、美味しく食べてくださいね。
取材協力:Cheese Club (運営:雪印メグミルク株式会社)