【うすくち醤油】とはどんな醤油?
「うすくち醤油」とは通常の醤油(濃口醤油)より「色がうすい」醤油で、濃口醤油よりも塩分が高く、醤油の香りが控えめになっています。
うすくち醤油は関西生まれで、京料理など、素材の「色や持ち味、香りを活かして仕上げたいとき」に使用されることが多いようです。たけのこの煮物やお吸い物、関西風のおでんなどに使われます。
一方、全国的に使われている濃口醤油は豚の角煮やぶり大根など、青魚や肉の臭みをおさえてコクを出したいときによく使われてます。
うすくち醤油は、味がうすい、塩分がうすいという意味の「うすくち」ではないということを覚えておきたいですね。
うすくち醤油とは普通の醤油(濃口醤油)とどう違うの?
うすくち醤油と濃口醤油は原料、作り方、賞味期限が違うそうです。
【原料が違う】
うすくち醤油は濃口醤油の材料にさらに、「米」「甘酒」を加えることがあります。
【作り方が違う】
色をうすくするために、発酵・熟成中の温度を低めにし、醸造時間を短くして作られます。
【賞味期限が違う】
酸化して色が濃くなると、うすくち醤油の特徴である「色のうすさ」の価値が下がってしまいます。そのため、濃口醤油より賞味期限(開封前)が6ヶ月程短く設定されていることが多いようです。
開封後は1ヶ月を目安に使いきるのがよいそう。使用頻度が少ない場合は内容量の少ないものを購入し、早めに使い切るようにしましょう。
「うすくち醤油の方が塩分が高い! 」と言うのは本当?
うすくち醬油というと、色だけではなく味や塩分濃度もうすめだと思っている方が多いのですが、色をうすく仕上げつつも味付けはしっかりできるよう、うすくち醤油のほうが濃口醤油に比べて塩分が高めになっています。
少量でもしっかり味がつくということを念頭において、味見をしながら料理するとよいですね。
減塩意識が高まる中、塩分控えめなうすくち醤油も販売されるようになっています。醤油メーカーにより製品情報で塩分が公表されていることも。塩分が気になる方は購入前に確認しておきましょう。
うすくち醤油を使う時の注意点とは? 気をつけたいこと3つ
全国的によく使われる濃口醤油と比べると、うすくち醤油を使い慣れない人もいるでしょう。使用する際は以下のような注意が必要です。
【注意点1】色の薄さに惑わされず適切な量で味付けをする。
うすくち醤油を料理に使う時は「色=味の濃さ」ではないということを頭にいれておきましょう。濃口醤油の見た目に慣れていると足りない気になってしまいがち。しっかり味見をして、適切な塩加減にするよう心がけましょう。
【注意点2】うすくち醤油は濃口醤油を薄めても代用できない。
濃口醤油を薄めてもうすくち醤油にならず、代用できません。濃口醤油を薄めて使うと「うまみの足りない水っぽい味」になり、そこに塩分を足しても濃口醤油の強めの香りが残ります。レシピに「うすくち醤油」と指定がある場合は指示通りにしましょう。
【注意点3】レシピに濃口醤油と記載されている場合にうすくち醤油で代用しない。
濃口醤油の指定があるのに、うすくち醤油を使用すると味が変わってしまいます。レシピの調味料に「醤油」と表記がある場合、ほとんどが「濃口醤油」を指します。
その場合、うすくち醤油を使用すると塩分量の違いからしょっぱく仕上がってしまうことも。どちらを指しているのか確認しましょう。
うすくち醤油は漢字でどう書くのが正しい? 薄口? 淡口?
「うすくち醤油」は、漢字でどう書くのでしょうか?
薄口醤油という漢字が浮かんできますが、実は「淡口醤油」という漢字を使用します。
うすくちを「薄口」と表記すると、「濃口」に対して「味・塩分がうすい」と誤解を与えかねないため、醤油業界では古くから「色が淡い」という意味合いを込め「淡口」という文字を使っているのだそう。
ただ、商品には「うすくち醤油」とひらがなで記載されていることがほとんどなので、お店で探す際は「うすくち醤油」か「淡口醤油」を探してみてください。
おわりに
「うすくち醤油」とは通常の濃口醤油に比べ「色と香りはうすいけれど、塩分濃度は高い」醤油でした。
どんな醤油かを知ると、レシピの調味料欄に「うすくち醤油」の記載があっても迷わず調理できそうです。使う頻度は多くないかもしれませんが、濃口醤油と使い分けできると、料理の幅が広がりそうですね。
参考:しょうゆ情報センター