意外と知らない柔軟剤の使い方や役割とは?
洗濯の仕上げに使う柔軟剤。柔軟剤で仕上げた服は、袖を通すたび、フワッといい香りに包まれて気分も上がりますね。
とはいえ、洗濯の目的は汚れを落とすこと。「柔軟剤って必要なの?」と思う人もいるかもしれません。
そもそも柔軟剤にはどんな役割があるのでしょう。どんな素材に使うといいの? 正しい使い方は? と考え始めると、意外に知らないことだらけです。
そこで、柔軟剤の「ファーファ」で知られるNSファーファ・ジャパン株式会社、マーケティング部の和智さん、研究開発部の渡辺さんに聞いてみたところ、柔軟剤にはたくさんの役割があることがわかりました。
【柔軟剤の役割1】柔軟性をアップして肌ざわりよく仕上げる
なぜ柔軟剤を使うと衣類がやわらかく、肌ざわりよく仕上がるのでしょう?
「洗濯をしてそのまま乾かすと、繊維同士がくっつき合い、ペタンと寝てしまってなかなか開きません。これが、洗濯するたびに衣類が固く仕上がってしまう原因です。柔軟剤を使うと、繊維がなめらかになって絡み合いが少なくなります」(研究開発部・渡辺さん)
柔軟剤を使うと繊維の絡まりが抑えられてしっかりと開くので、洗濯頻度の高いタオルや下着類もふんわりとした肌ざわりになるのですね。
【柔軟剤の役割2】摩擦を抑え、静電気を防ぐ
乾燥した日に服を着ると、パチパチと起こる静電気。不快なこの静電気も、柔軟剤で防ぐことができます。
「柔軟剤を使った後は、繊維の表面を柔軟成分がコーティングしている状態です。これにより、繊維がなめらかになって、摩擦が減り静電気も起きにくくなります。また、衣類に静電気がたまりにくくなる利点もあります」(研究開発部・渡辺さん)
【柔軟剤の役割3】いやなニオイを抑えていい香りに
柔軟剤はもともと、衣類をやわらかくし、静電気を防いで着心地感をアップさせるために生まれたものでした。
ところがいまは、「柔軟剤=香り」というほど、衣類に香りをつけることを目的として柔軟剤を使う人が増えています。ドラッグストアの棚にも、さまざまな香りの柔軟剤がずらりと並んでいますね。
「近年の柔軟剤市場を見てみても、香りに対するニーズが最も高いことが分かっています。それに続くのが、抗菌・消臭へのニーズ。柔軟剤の多くは香料だけでなく抗菌剤も入っているので、汗臭や生乾き臭などの気になるニオイを抑えながら、いい香りを長持ちさせてくれます」(マーケティング部・和智さん)
【柔軟剤の役割4】衣類の絡まりを防ぎ、シワ・毛玉・毛羽立ちを抑える
柔軟剤を使うと衣類がなめらかになるため、衣類同士が絡みにくくなります。
衣類が絡んだり、こすれ合うことで起こる「シワ・毛玉・表面の毛羽立ち」などが抑えられるため、衣類本来の風合いを守りながら、干すときの手間や洗濯後のお手入れを減らすことができます。
【柔軟剤の役割5】洗濯物の乾きが速くなる
意外と知られていない柔軟剤の役割に、洗濯物が乾きやすくなることがあります。
「柔軟剤を使うと洗濯直後の水分量が減ることがわかっています。柔軟剤は水を少しはじく機能があるのです」(研究開発部・渡辺さん)
そのため、使用量を間違えて多く入れすぎてしまうと繊維の吸水性が悪くなり、水分を吸いにくくなってしまいます。
しかし技術も進歩しており、水を吸わなくなってしまうデメリットを解消した商品も発売されています。
柔軟剤は「界面活性剤」でできている。でもその働きは、洗剤と正反対!
さまざまな役割を持つ柔軟剤ですが、そもそも何でできているのでしょう?
柔軟剤の成分の多くは「界面活性剤」。
界面活性剤というと洗剤をイメージしますが、柔軟剤は「汚れをはがす洗剤」とは正反対の役割を持っていて香りや柔軟性を付けてくれます。
「界面活性剤にはさまざまな種類があります。例えるならば磁石のような感じで、水の中でプラスに帯電するもの、マイナスに帯電するものなど、同じ界面活性剤でも性質が異なるものがあるのです」(研究開発部・渡辺さん)
洗剤のように汚れを落とすものは、マイナスの働きをする界面活性剤。逆に、柔軟剤や抗菌剤は、香りや抗菌性を付けるなど、プラスの働きをする界面活性剤だそう。
「同じ界面活性剤とはいえ働きがまったく違うので、洗剤と柔軟剤を同時に使うのは避けていただく必要があります」(研究開発部・渡辺さん)
柔軟剤と洗剤を一緒に使ってしまうと、洗剤が汚れを落とす効果も柔軟剤が衣類をやわらかくする効果も弱まってしまうそうです。柔軟剤は洗剤と同じタイミングで投入はせず、洗濯工程の最後のすすぎ時に使用します。それにはこうした理由があったんですね。
【柔軟剤の正しい使い方1】最後のすすぎで投入を。洗剤と一緒のタイミングはNG!
柔軟剤の投入のタイミングは、最後のすすぎのとき。
先にふれたように、洗剤と柔軟剤は正反対の性質があるため、同時に使うとお互いの「良さ」を消し合ってしまいます。
「洗剤と柔軟剤を同時に入れると、洗剤の洗浄力も、柔軟剤の衣類をやわらかくする機能も、どちらも弱まってしまうので避けてください」(研究開発部・渡辺さん)
■柔軟剤の投入口がある全自動洗濯機の場合
洗濯をスタートするときに柔軟剤を投入口にセットしておけば、最後のすすぎで自動的に柔軟剤が投入されます。
■柔軟剤の投入口がない洗濯機、二槽式洗濯機の場合
二回目のすすぎの前に洗濯機を一度止め、たっぷりと水を注いだ状態で柔軟剤を入れます。
【柔軟剤の正しい使い方2】原液を衣類に直接かけない&適正濃度を守る
柔軟剤の効果にムラがでないよう、衣類全体が水に浸かった状態で柔軟剤を投入することも大切です。
「水をたっぷりと張った洗濯機に柔軟剤を投入すると、衣類全体に柔軟剤の効果がまんべんなくいきわたります。適正な濃度なら、スパンコールやスタッズなどの飾りがついた衣類にも、問題なくお使いいただけます」(研究開発部・渡辺さん)
柔軟剤を衣類に直接かけてしまうと、高濃度の柔軟剤が部分的に付着してしまいます。衣類の風合いを損なってしまうこともあるそうなので、ご注意を!
香りを長持ちさせるコツは「熱を加えない&脱水時間を短く」
衣類に袖を通すたび、ふんわり香る大好きな香り。柔軟剤の香りを長持ちさせるには、どうすればいいのでしょう?
「柔軟剤の香り成分は、熱や紫外線に弱いのです。外干しや乾燥機よりも、室内干しのほうが香りが長持ちします」(研究開発部・渡辺さん)
また、柔軟剤を少しだけ多めに入れ、脱水時間を短くしても、香りが残りやすいのだとか。香りは長持ちさせたいけど、乾燥機などで早く乾かしたい、という方はこちらの方法を試してみるとよいかもしれませんね。
ちなみにNSファーファ・ジャパン社の柔軟剤は、「JIS L 1902 繊維製品の抗菌性試験方法及び抗菌効果」に準拠し、18時間後も抗菌性を示しているそうです。
朝、服を着てから、夜、脱衣するまで、抗菌性が長時間続くので、いやなニオイを抑えながら好きな香りを楽しめるのですね。
柔軟剤に適した衣類は「肌にふれる」「静電気や毛玉が起きやすい」
柔軟剤は使う布地の種類を問いません。綿100%のものはもちろん、化繊に使っても同じ効果を発揮します。
「柔軟剤の効果を実感していただきやすいのは、ニット類、肌に直接ふれる下着類やタオル、お子さんの服など。繊維の種類よりも、もともとの生地がふんわりした質感かどうかが大切ですね」(マーケティング部・和智さん)
アウター類やバッグ類など、もとから固い布地のものは、柔軟剤の効果をあまり実感しにくいそう。
ただし、エコバッグなどに抗菌性を持たせたい場合は、抗菌剤が含まれている柔軟剤を使うのも良いそうですよ。
最近要望が増えてきた無香料派の柔軟剤とは?
昨今では柔軟剤=香りのイメージが強いですね。
でも、マスクなど口や鼻に直接ふれるものは、あまり香りが強いと抵抗がある・・・という人もいるかもしれません。香りをつけずにやわらかく仕上げることはできないのでしょうか?
「これまで、香りが苦手な方は“柔軟剤を使わない”という選択肢しかありませんでした。でも、香りは苦手だけど衣類はやわらかく仕上げたいというご要望も増えてきましたのでNSファーファ・ジャパン株式会社は無香料の柔軟剤を販売しています」(マーケティング部・和智さん)
※オンラインショップ:https://www.fafa-online.jp/
柔軟剤の市場全体から見ると、無香料を望む声はまだまだ少数派。ドラッグストアなどの一般店舗ではなかなか見つけられませんが、通信販売で入手する人が増えているそうですよ。
おわりに
柔軟剤の役割は、衣類本来の風合いを守ること。ふんわりとしたニットや肌あたりのやさしいタオル、肌着など、洗濯を重ねると質感がかわってしまうものは、柔軟剤を使うことで、より長く質感を楽しめることがわかりました。
大切な衣類を長持ちさせるためのひと手間が、柔軟剤。ていねいな生活の第一歩になりそうですね。
洗濯物のニオイが気になる! 乾きにくい季節に頼れる◯◯とは?
洗濯物のニオイは衣類についた雑菌が原因と言われています。乾くのに時間がかかるほど雑菌が繁殖しやすくなるため、なるべく短時間で乾かすのがポイントです。
浴室は普段から水を使う場所ですので、換気機能がついており湿気が取りやすくなっています。換気扇を回すか窓を開けて換気をしながら干しましょう。
浴室暖房乾燥機をお持ちの場合は、早く乾かすことができるので、室内干しでありがちな生乾きの臭いも避けることができます。洗濯物を乾かしながら、浴室の湿気をとってカビの発生も防ぐので一石二鳥です。
浴室暖房乾燥機がついている場合は、「換気」より「乾燥」運転がオススメ。
「換気」は空気を入れ替えるだけですが、「乾燥」運転は温風を当てながら換気をするので、洗濯物が早く乾きます。夜に洗濯をする場合でも、入浴のあと、浴室全体を乾かしながら洗濯物も乾かすことができるので、浴室のカビ対策と衣類の乾燥ができ一石二鳥ですよ。
ガス衣類乾燥機「乾太くん」でスピーディに乾燥!
衣類乾燥機にはガス式・電気式があります。ガス式は電気式より乾燥スピードが早いことが魅力です!
ガス式の「乾太くん」は、スイッチをオンにして数秒で温風が出て、そのままドラム内を約80~100℃の高温で運転し、一気に洗濯物を乾かします(一部モードで80℃以下)。 また、上の排湿筒から余分な水分を排出していきます。ガス式では短時間で、一気に湿気を排出するため、このような仕組みとなっています。
だからガス式は短時間で乾くんですね。
さらに、ガスならではの強い温風をたっぷり送り込みながら乾燥させるので、洗濯物の繊維が根元から立ち上がり、肌触りの良いふわっとした仕上がりになります。
衣類から寝具、靴まで乾燥できる乾太くんをぜひチェックしてみてください。