リンパ流しやストレッチ、なぜお風呂で行うと効果的なの?
ーーー足の疲れやむくみ、肩こりなどで悩み、「本当はマッサージサロンに行きたいけどなかなか行けない」という人は少なくないようです。自宅で手軽に試せる方法はないでしょうか?
(舘野さん)お風呂の中やお風呂上り後すぐのタイミングに、「リンパ流し」や「ストレッチ」を行うのが効果的だと思います。
湯船に浸かると体温が上がり、水圧がかかるため「血行促進効果」、筋肉や腱が温まることでの「柔軟性向上効果」、発汗作用による「代謝向上効果」が期待できます。余分な水分や老廃物が流れやすい状態になるんです。
滞るとむくみの原因に!? リンパとは何?
ーーー「リンパ流し」とはリンパの流れに沿って擦ることですよね。そもそもリンパとは何ですか? 擦ることで、どのような効果が得られるのでしょうか。
(舘野さん)私たちの体内には、リンパ管が網目のように張り巡らされています。リンパ管というのはいわば体内を流れる「下水管」のような器官です。このリンパ管内を流れるのがリンパ液。このリンパ液の流れが滞ると、余分な水分や老廃物が体内に溜まりがちになり、むくみを引き起こしたり、肩こりや腰のだるさなどの体調不良を招いたりします。
特に、リンパの流れが鈍りやすくなるのが「リンパ節」。リンパ節はいわばリンパ液の中継地点で、老廃物などを濾過する役目があります。リンパ節に向かって老廃物を流すように身体を擦っていくのがポイントです。
お風呂で行う「リンパ流し」「ストレッチ」のやり方とは?
(舘野さん)まずは、湯船の中でリンパを流したり、軽いストレッチを行いましょう。その後、入浴後の身体が冷えないタイミングで身体を大きく動かすストレッチをしていきます。
湯船の中でのリンパ流しやストレッチは効果的です。ただ環境としては狭いですし、滑るリスクもあります。そのため大きな動きを伴うものは、入浴後がいいと思います。
以下に詳しくご紹介する手順では、まず流れが滞りがちな部位に対してストレッチを行い、中心から末端へリンパを流します。そしてその後、再度ストレッチを行っていきます。
リンパは筋肉の収縮によるポンプ作用で流れていくため、リンパ流しの前後にストレッチを行うことで効果を高めることができます。後半は大きな筋肉を使ってストレッチをしていくので、運動不足解消の効果も期待できますよ。
リンパ流しの強さはどれくらい? ゴリゴリ揉みほぐして良い?
(舘野さん)リンパ構造は「層状」になっているので、"優しく擦る"と"しっかり揉みほぐす"のを2セット程度ずつ繰り返すと良いでしょう。まずは手のひらを肌に密着させて、スーッと擦ります。その後、気持ち良いと感じる程度の強さで圧力を加えながら流していきましょう。
ストレッチする際の各ポーズの長さはどれくらい?
(舘野さん)おおよそ10~15秒くらい、あるいは3呼吸分を目安としてください。
お風呂でのリンパ流し・ストレッチ【顔周り・首】
顔のリンパ流し
(1)目の下部分の輪郭に沿って、目頭から目尻へ向けて流していきます。顔周りでは手指をぴったりと密着させて優しく滑らせていきましょう。
(2)頬骨部分も同様に、鼻横から耳の手前へ向けて流していきます。
(3)アゴからこめかみへ向かって流していきます。
首のリンパ流し・ストレッチ
(1)首裏をストレッチします。
(2)首横をストレッチします。
(3)首前をストレッチします。
(4)首の裏、横、前のストレッチを再度繰り返します。
(5)顔下から胸元へ向かってリンパを流していきます。
お風呂でのリンパ流し・ストレッチ【手・腕】
腕のリンパ流し・ストレッチ
<腕>
(1)肘を前方に伸ばして、手首を上に曲げてもう一方の手で支えます。この状態でストレッチします。
(2)肘を前方に伸ばしたまま、手首を下に曲げてもう一方の手で支えます。この状態でストレッチします。
(3)上の腕のストレッチが終わったら、腕を肩より高く掲げます。この状態をキープしたままま、手首から肘の方向へ向かい、親指を使ってリンパを流します。
(4)親指側、中指あたり、小指側と3回ほどリンパを流すと良いでしょう。
(5)肘を掲げ、二の腕部分から脇をストレッチします。スペースがあれば体を少し傾けてもOKです。
(6)腕を上げたまま、二の腕から脇にかけてのリンパを手のひらで流します。
入浴後のリンパ流し・ストレッチ【ふくらはぎやお尻】
ふくらはぎのリンパ流し・ストレッチ
(1)つま先を両手で持ち、上に向けてキープ。ふくらはぎをストレッチします。
(2)かかとから膝裏に向かって、両手で下から上にリンパを流します。
(3)そのまま膝裏のリンパも両手で流します。両手でふくらはぎ側から腿に向かってのカーブを擦っていくイメージです。
入浴後のストレッチ【背中やお尻】
背中のストレッチ
(1)両手を前で組んで、なるべく遠くへ突き出しましょう。
(2)両手を前方へ突き出した状態のまま、小さく横へ引っ張りましょう。左、右を順に行います。
お尻のストレッチ
(1)足を組んで、なるべく胸を張ります。
(2)足を抱え、胸の方向へ引き寄せます。
初めて自分でリンパ流しをやる場合の注意点とは?
ーーーサロンなどでリンパ流しの施術を受けたことはあるけど、自分でやるのは初めてという方も多いかと思います。自分で行う場合に注意した方が良い点はありますか?
(舘野さん)自分でやる場合は無理をし過ぎないこと(痛みを感じない強さで行うこと)が大切です。力を入れ過ぎて筋肉を傷めないように注意しましょう。
またリンパを流す際、なるべくリラックスして、流す部位は力を抜くよう心がけると良いでしょう。
人にやってもらう場合には、完全に力を抜くことができますが、自分でやる場合には、身体のどこかに力が入ってしまいがちです。
リンパを流す部位に力が入ったまま流すと、筋肉を傷めてしまうリスクがあります。どうしても自分でやると力が入ってしまう人は、リラクゼーションスタジオでの施術をお勧めします。
お風呂でのリンパ流しやストレッチを控えた方が良いケースとは?
(舘野さん)血行が良くなり全身を流れる血液が筋肉の方へ流れ込んでいくと、脳への循環血液量が不足します。それに伴い、めまいや立ちくらみを起こすことがあります。
湯船でリンパ流しやストレッチをする際には、40℃前後のぬるめの湯温にし、長湯しすぎないことが大切です。
また入浴前の時点で体調がすぐれない、発熱がある、生理中・妊娠中などの場合はやめておいた方が無難です。
また打撲やケガ、歯痛など、炎症を起こしている部分がある時も、ストレッチなどで血行が良くなると症状が悪化することがあるので、控えてください。
ミストサウナをプラスしてリンパ流しやストレッチをするのもオススメ!
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高温で低湿度のドライサウナと異なり、ミストサウナは低温・高湿度で息苦しくなりません。細かなミストが全身を優しく包み込み心も体もリラックスできる空間へと導きます。
入浴後も体の温まりが続くので、ミストサウナをお持ちの方はぜひリンパ流しやストレッチと組み合わせてみてくださいね。
おわりに
マッサージ後は水分を十分にとり、激しい運動やアルコールの摂取を控えてゆっくり休みましょう。
○各効果は個人により異なります。○ミスティの注意事項等は取扱説明書をご参照ください。○画像はイメージです。実際の商品とは異なります。