自宅で洗濯できる浴衣の見分け方

PIXTA
浴衣には自宅で洗濯できるものとできないものがあります。ここでは、その見分け方をご紹介します。
洗濯表示を確認する

uchicoto
「浴衣が洗濯できるかどうかは、浴衣についている洗濯表示で確認できます。家庭洗濯のマークがあり、バツ印がついていなければ、家庭で洗濯することができます。バツ印がついていたり、洗濯表示がない場合は、家庭で洗濯はできないので、クリーニング店で洗濯してもらいましょう」(大貫さん)

uchicoto
色落ちしないかチェックする
色鮮やかなデザインの浴衣は、色落ちしないかどうかを確認することも大切です。色落ちしてしまうと、浴衣が色あせたり、柄がにじんでしまうだけでなく、一緒に洗ったものに色移りしてしまう場合もあります。
「色の濃い部分をぬれたコットンなどで、トントンとたたいてみます。コットンに色が移ったら、家庭での洗濯はやめてクリーニング店に出すのをおすすめします」(大貫さん)
浴衣の洗濯は前処理がポイント!

uchicoto

提供:ライオン株式会社
お祭りや花火大会など、浴衣を着て外出すると、汗だけでなくさまざまな汚れが付着することがあります。洗濯の前に、汚れの種類ごとに前処理をしておくのがキレイに洗い上げるコツです。浴衣を着るシチュエーションでありがちな汚れごとの対策について、大貫さんに伺いました。
食べこぼし、ジュース、お酒の汚れ
「飲み物や食べ物の色がついてしまった場合は、液体タイプの酸素系漂白剤を汚れに直接塗布してからおしゃれ着用洗剤で洗濯します。
酸素系漂白剤には粉タイプもありますが、液体タイプの方がマイルドなので、浴衣の洗濯には液体のものを使います。また、液体タイプは、シミに直接塗布することができるメリットがあります。塩素系漂白剤は漂白する力が強いので、柄物である浴衣には不向きです」(大貫さん)
もし、洗濯表示で三角マーク「△」にバツ印がついていたら漂白剤がNGなので、その場合はおしゃれ着用洗剤を汚れ部分に塗布します。
ファンデーションなど化粧品の汚れ、泥や土の汚れ
ファンデーションなど化粧品の油汚れや、裾についた泥や土には、汚れ部分におしゃれ着用洗剤を塗布してから洗濯します。
「油汚れや泥汚れは、洗剤で汚れを浮かせてあげるのが効果的です。汚れがひどいときは、やわらかいスポンジで軽くたたいてから洗濯します」(大貫さん)
ガムや水あめなど、生地に絡みついた汚れ
「ガムが絡みついた場合は、冷やして固めてからポロポロと取り除くと良いでしょう。保冷剤などを当てて、冷やすのがおすすめです。昔ながらのベンジンなどで取れる場合もあります。
水あめなどは、その部分をぬるま湯に浸けて、優しくなでるようにして取ってください」(大貫さん)
浴衣を自宅で洗濯する方法

PIXTA
必要な前処理を終えた浴衣を、実際にどのように洗うか、その手順を大貫さんに解説していただきました。
1. 浴衣を畳んで洗濯ネットに入れる
「浴衣は、洋服に比べて繊細であったり、シワがつきやすい場合があります。そのため、畳んで洗濯ネットに入れてから洗うようにしましょう」(大貫さん)
洗濯ネットに入れる際の浴衣の畳み方
「浴衣を畳むときは、袖畳みという方法で畳みます。生地の縫い合わせなどを見ながら、簡単に畳むことができますよ。
洗濯ネットに入れる際には、グルグル折り込んでいくのではなく、じゃばら状に畳むと奥までしっかり洗えます」(大貫さん)
2-1. 洗濯機で洗う

uchicoto
洗濯ネットに入れたら、おしゃれ着コースやおうちクリーニングコース、手洗いコース、ホームクリーニングコースなど、水流の弱いコースで洗濯します。
「使用するのはおしゃれ着用洗剤です。おしゃれ着用洗剤には、普通の洗濯用洗剤には入っていない型崩れや色あせを防いでくれる成分が入っています。
例えば、ライオン製品の『アクロン』は、シルキータッチ成分と繊維保護成分が、洗濯によるシワやヨレ、型崩れや縮み、色あせ、毛玉予防などをケアしてくれますよ。鮮やかな色や淡い色合いも守ってくれるので浴衣の洗濯にもぴったりです」(大貫さん)
2-2. 手洗いする
洗濯表示に手洗いマークがある場合は、たらいや大きめのおけを使って手洗いします。
洗濯機で洗う場合と同じように、畳んで洗濯ネットに入れ、たっぷりの水に浸けて上から優しく押すように洗います。
「手洗いで使用する水は、30℃以下にしましょう。それより高い温度の水を使うと、色あせや色落ちが起こりやすくなります」(大貫さん)
洗濯機を使用したい場合は、手洗いマークで洗える洗濯機かどうか、洗濯機の情報を確認してから行いましょう。
3. 浴衣を干す
浴衣を干すときは、手で軽くたたくなどして、シワを伸ばしながら形を整えて陰干しにします。直射日光が当たると、色あせにつながってしまうからです。

uchicoto
「袖を左右に広げてシワなく干せる着物用の衣文竿(えもんざお)のように、物干し竿を使って左右の袖をまっすぐにして干すのが理想です。ただ、横にも縦にも長いのが和服なので、環境的に難しいというご家庭もありますよね。そんなときは、ハンガーを3本使うとシワにならず、場所も取らずに干すことができます。浴衣は乾きやすい生地が多いですが、室内で干す場合は、扇風機やサーキュレーターなどを当てておくと、生乾きを予防できますよ。
陰干しが難しい場合は、浴衣の上にタオルをかけて干すというのもひとつの方法です」(大貫さん)
4. シワが気になるようならアイロンをかける
「保管する前にアイロンをかける手間をなるべく省くため、干すときにきちんと形を整え、縦・横方向に引っ張って、シワを伸ばしておきましょう。
それでも乾いたときにシワが気になるようなら、アイロンをかけましょう。襟、袖、後ろ身ごろ上部の背縫い、左前身ごろ、後身ごろ下部をていねいにアイロンがけすると見栄え良く仕上がります」(大貫さん)
5. 浴衣を畳んで保管する
浴衣は広げると大きいので、スペースに余裕がある場所で畳むようにしましょう。
基本的には、折り目や縫い目に沿って畳んでいくと整っていきます。
浴衣はほとんどが左右対称なので、端や裾の角をそろえていくのがポイントです。
【浴衣の畳み方1】浴衣を大きく広げ、左の前身ごろを縫い目に合わせて畳む
-medium.jpg)
uchicoto
【浴衣の畳み方2】襟を内側に倒すようにして畳む

uchicoto
【浴衣の畳み方3】左の前身ごろを右の前身ごろに合わせるように重ねる

uchicoto
【浴衣の畳み方4】背中の縫い目を折り目とし、半分に畳む

uchicoto
【浴衣の畳み方5】左の袖を4で畳んだ浴衣の上にのせる

uchicoto
【浴衣の畳み方6】右の袖は浴衣を持ち上げるようにして下に入れる

uchicoto
【浴衣の畳み方7】裾の方から持ち上げ、半分に折り畳んで完成

uchicoto
浴衣の洗濯に関するQ&A

PIXTA
浴衣の洗濯に関して、よくある疑問に大貫さんに答えていただきました。
襟元の型崩れを防ぐために洗濯前のしつけは必要?
「最近の洗濯機には優しく洗う機能があるので、洗濯前にしつけ糸で襟元を縫いどめなくても、型崩れはしづらくなっていますよ」(大貫さん)
帯や襦袢(じゅばん)、腰ひもはどのように洗えばいい?
「ポリエステル素材の帯など洗濯機で洗えるマークか手洗いマークがついていたら、浴衣同様に洗濯ネットに入れ、ドライコースや手洗いコースなどの弱水流コースで洗って陰干ししましょう。
手洗いも不可の品は、乾いたタオルを優しく当てながら、汗や汚れを取り陰干しします。シワが気になる場合は、素材に合わせた温度でアイロンをかけましょう。テカらないように当て布をすると良いですね。汚れがひどい場合は、クリーニング店に相談しましょう」(大貫さん)
汗だくになった浴衣、その日中に洗えないときは?
「室内で広げるように、ハンガーにかけるなどして乾かしておきます。脱いでグシャグシャにしたまま置いておくと、汗などの湿気が抜けず雑菌が増殖して嫌なニオイの発生につながりやすくなりますよ」(大貫さん)
着ようと思ったらカビ臭い。どうすれば?
「1日陰干ししてみましょう。それでもニオイが取れない場合は洗い直します」(大貫さん)
浴室乾燥機で乾かしてもOK?
「浴室乾燥機は、使用していただいて大丈夫です。また、衣類用の乾燥機による乾燥は、洗濯表示を見て、乾燥機の使用を示す、四角いマークにバツ印があればNGです」(大貫さん)
おわりに
夏の楽しみのひとつである浴衣は、着るたびに洗濯が必要になることも。シーズンが終わったら、翌年もすてきな思い出が作れるように、キレイに洗って保管しておきたいですね。洗濯ネットとおしゃれ着用洗剤を使う簡単な家庭洗濯の方法をぜひお試しください。





-medium.jpg)



-small.jpg)

