まずは洗濯可能な帽子かどうかを確認!
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帽子にはキャップやハットなど、さまざまな種類があり、素材も多岐にわたります。まずは洗濯表示を確認し、その帽子が洗濯可能かどうか、また洗濯できる場合はどのような方法が適しているかを確認しましょう。
洗濯できるかどうかの判断には、以下のチャートを参考にしてください。

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帽子の洗濯方法【手洗い】
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帽子の洗濯表示を確認し、下記のような「おけに手が入ったマーク」があれば、手洗いが可能です。

消費者庁
手洗いの方法について平島さんは、「少し驚かれるかもしれませんが、帽子を手洗いする際には『ざる』を使うのがコツです」と教えてくれました。
用意するのは、帽子の大きさに合った調理用のざるです。そのざるに帽子をかぶせて洗うのだそうです。確かに、これは驚きですね。
帽子を手洗いする手順
1. ざるに帽子をかぶせ、ぬるま湯で薄めた中性の液体洗濯洗剤を使って、やさしく押し洗いする。ボウルと帽子がつかる水量を用意し、洗剤を溶かす。洗剤の使用量は、製品により異なるので、製品パッケージの使用量を確認する
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2. ざるにかぶせたまま、水をかけて洗剤を洗い流す
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3. 乾いたタオルでやさしくポンポンとたたいたり、そっと拭いたりして水分を取り、ざるにのせたまま陰干しする
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帽子の洗濯方法【洗濯機】
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洗濯機で洗える帽子も多くあります。洗濯表示に「おけマーク」があれば、洗濯機で洗うことができます。おけの中の数字は洗濯時の上限温度を示しており、たとえば「30」とあれば30度以下で洗う必要があるという意味です。

消費者庁
「洗濯機で洗う際は、型崩れを防ぐために帽子用洗濯ネットを使うのがポイントです。長く使えるアイテムなので、一つ持っておくと便利です。通販サイトで2,000円程度で購入できますよ」(平島さん)
平島さんおすすめの帽子用洗濯ネットのひとつで、頭の形に合わせたプラスチックに帽子をかぶせて使うキャップ用洗濯ネットを、編集部で実際に試してみました。洗濯中にプラスチック部分が音を立てることもなく、脱水まで終わった帽子をそのまま干せるので、型崩れせずきれいに仕上がりました。
帽子の洗濯機洗いの手順
1. 帽子を専用の洗濯ネットに入れる
2. 中性の液体洗濯洗剤を入れて、「おしゃれ着洗い」コースで洗う
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3.洗濯ネットから帽子を取り出し、陰干しする
目立つ汚れがある場合は洗濯前に前処理を

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「帽子の一部に強い汚れがある場合は、洗濯前に部分洗いをおすすめします。汗や皮脂など体から出る汚れを落としたい場合はアルカリ性の洗剤を、ファンデーションや日焼け止め、ほこりなどの汚れには中性洗剤を使いましょう。ただし、洗濯表示に『中性洗剤使用』の記載がある場合は、弱アルカリ性・アルカリ性洗剤は使用できませんので、表示どおりの洗剤を選んでください」(平島さん)
また、汗が蓄積して帽子全体にニオイや黄ばみがついてしまった場合は、つけ置き洗いが効果的だと平島さんは話します。
「ぬるま湯にアルカリ性の粉末洗剤を溶かし、30分から1時間ほどつけてから、やさしく押し洗いするとよいでしょう。頑固な染みや黄ばみも、つけ置き洗いで落ちることがよくあります」(平島さん)
洗剤の特徴について
アルカリ性(粉末洗剤)
- 身体から出る汚れは酸性が多いため汗や皮脂などの汚れに有効
- 洗浄力が強い分、手荒れのおそれがある
中性洗剤
- ファンデーションや日焼け止め、ほこりなど身体の外側の汚れに有効
- 洗浄力は弱め
洗濯した帽子を乾かすときの注意点
帽子を干す際は、型崩れを防ぐためにも、できるだけ早く乾かすことが大切だと平島さんは話します。また、「日焼けによって色落ちする可能性があるため、陰干しすることが大切です」とのことです。
また、浴室暖房乾燥機を利用するのもおすすめです。
「帽子を外に干すと、雨風にさらされたり、ほこりや花粉が付着しやすいといったリスクがあります。また、部屋干し特有のニオイが気になることも。そのため、できれば浴室暖房乾燥機を活用して、早く乾かすのがおすすめです」

TOKYO GAS
浴室暖房乾燥機がついている場合は、「換気」より「乾燥」運転がオススメ。
「換気」は空気を入れ替えるだけですが、「乾燥」運転は温風を当てながら換気をするので、洗濯物が早く乾きます。夜に洗濯をする場合でも、入浴のあと、浴室全体を乾かしながら洗濯物も乾かすことができるので、浴室のカビ対策と衣類の乾燥ができ一石二鳥ですよ。
帽子の洗濯Q&A

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Q. 洗濯のりを使うのはあり?
「洗濯のりを使うとパリッと仕上がるので、素材によっては使ってもよいでしょう」(平島さん)
Q.アイロンを使うのはあり?
「洗濯表示にアイロンのマークがあれば、アイロンをかけても大丈夫です」(平島さん)
Q.洗うときに重曹を入れるのはあり?
「重曹には消臭効果があるので、ニオイが気になるときは加えるとよいでしょう」(平島さん)
Q.洗濯の頻度はどれくらいが目安?
「夏場に毎日使う帽子であれば、最低でも週に一度は洗濯しましょう。なお、帽子は靴と同じように、毎日同じものを使うと汚れや傷みが生じやすくなるため、連続して使わない方がよいです。また、たまにしか使わない帽子でも、汗をかいた日はすぐに洗濯してください」(平島さん)
Q.麦わら帽子は洗える?
「基本的に麦わら帽子は洗えません。ブラシをかけたり、汚れが気になる場合は、かたく絞ったふきんで拭くなどのお手入れをしてください。洗えないからこそ、使用後は通気性のよい場所で保管することが大切です。夏の終わりには、おしゃれ着用洗剤を加えた水に浸してしっかりと絞ったふきんで、帽子の表面や裏側をポンポンとたたいたりそっと拭いたりして、汚れを落とすとよいでしょう」(平島さん)
Q.帽子をクリーニングに出すときに注意することは?
「他の衣類と同じですが、汚れに気づいたら早めにクリーニング店に持っていきましょう。どのような汚れなのかを伝えることができれば、さらによいでしょう」(平島さん)
帽子専用のクリーニング店もあるので、ケアが難しい場合は相談してみるのもよいかもしれません。
帽子のお手入れで知っておきたいこと

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帽子の汚れを防いだり、洗濯せずにニオイを取る方法はあるのでしょうか。
「ライナーテープをつけて汚れを予防するのは効果的ですが、ニオイ対策として消臭スプレーを使うのはおすすめしません。スプレーの成分が汚れとして残ってしまうことがあるためです。ニオイが気になる場合は、アイロンのスチームを帽子から1~2cmほど離して当てるとよいでしょう」(平島さん)
帽子の保管にも注意が必要だと平島さんは話します。
「使ったあとの帽子は、通気性のよい場所に置くことが必須です。また、翌シーズンまでなど長期間保管する場合は、ほこりがつかないようにし、防虫剤と一緒に保管しましょう。シーズンが終わったら収納前に洗濯する『しまい洗い』も大切ですので、ぜひ今回の記事を参考に、洗濯できる帽子はご自宅で洗ってみてくださいね」(平島さん)
おわりに
ファッションアイテムとしての帽子のバリエーションが増えていることに加え、近年の厳しい夏の暑さにより、健康対策として帽子を使う機会もますます増えそうです。そんな中、化粧品や汗で汚れても自宅で洗えるとわかっていれば、安心して使えますね。自分で丁寧にケアした帽子をかぶれば、気分も上がりそうです。