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水飛沫を激しく飛び散らせて降る集中豪雨

大雨でトイレが逆流! 予防法と対策方法を専門家に聞きました

ゲリラ豪雨や台風による大雨が増加傾向にある昨今、注意が必要なのがトイレの逆流です。大雨の状況下で、トイレから汚水があふれるような「逆流」が起こると、生活に大きな影響を及ぼしてしまう可能性があります。トイレが逆流するメカニズムや、起こってしまったときの応急処置の方法など、トイレの専門家である日本トイレ研究所の加藤篤さんに伺いました。

最終更新日:2024.11.20

目 次

トイレの逆流とは?

トイレの逆流

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まず、トイレの逆流とはどのような現象なのでしょうか。

「トイレの汚水は基本的に自然流下で通常高いところから低いところへ流れていきます。しかし、排水管のどこかに詰まりや異常があると、スムーズに流れずにたまってしまいます。この状態で汚水を流すと逆流が起こります」(加藤さん)

大雨でトイレから汚水が逆流するのはなぜ?

 雨の日のマンホール

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では、なぜ大雨時にトイレから汚水が逆流するのでしょうか。

大雨で、道路にも水がたくさんたまっているような場合、トイレに通じる下水道や排水管にも多くの水が流れ込みます。下水道などの水位が上がってくると、汚水の行き場がなくなります。

「たとえば大雨で床下浸水しているときなどは、下水道や浄化槽、さらには床下の排水管の中は、満水状態になっている可能性があります。満水なのにトイレの水を流したら、汚水がどこかからあふれることになってしまいます」(加藤さん)

トイレが逆流する前兆と予防策

 トイレ

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トイレの逆流を早期に察知し、対処するためには、どのような前兆に注意すべきなのでしょうか。

具体的には次の3つの前兆に注意が必要とのことです。

  1. 便器からボコボコと空気が出てくる
  2. 封水の水位が上がってくる、もしくは洗浄後に水位が下がらない
  3. 封水から汚水が跳ね出す


封水とは、便器内に常時たまっている水のことです。
これら3つが、大雨による浸水や排水管のトラブルでの逆流が疑われる主要な前兆なので覚えておくとよいでしょう。

逆流の予防策はある?

トイレの逆流の前兆を察知した場合、どのような予防策を取るべきでしょうか。

「第一に、汚水を流さないようにすることが重要です。特に集合住宅では、排水管がはつながっているので1階のお宅に迷惑をかけないようにしなければなりません。自分が流さなくても、上から流されると逆流につながります」(加藤さん)

トイレが逆流したときの対処法

トイレが逆流したときの対処法

uchicoto

もしトイレが逆流してしまった場合にはどのように対処すればよいのでしょうか。

加藤さんによれば、基本的な対処は予防策と同じですが、最も大事なのは「周囲が浸水している場合、水洗トイレを使用しない」ことです。

次に、逆流したトイレの状態をこれ以上悪化させないための応急処置を教えていただきました。

ゴミ袋を使って逆流の応急処置をする

逆流が起こってしまったとき、どのような緊急対応ができるでしょうか。

加藤さんによれば、以下のようにポリ袋で作る「水のう」を使う方法があるそうです。

  1. 45リットル程度のポリ袋を2,3枚用意して、重ねる
  2. ポリ袋に半分程度水を入れる
  3. 空気が入らないようにして、口を縛り、便器に入れる


「注意点は袋にいれる水の量です。水を入れすぎると袋の口が縛りにくいだけでなく、便器にうまくフィットしないので、袋の容量の半分程度を目安にしてください」(加藤さん)

しかし、この方法はあくまで応急処置なので、トイレが逆流してしまったら、各自治体のホームページなどに掲載されている指定給水装置工事事業者などに修理を依頼しましょう。

集合住宅の場合の注意点

トイレが逆流したときの対応は、建物の構造や所有者によって異なります。

「正しくは建物ごとに構造が違うので、戸建てと集合住宅の違いというより建物による違いとなります。戸建てであれば、上階も下階も自分や家族なので対応しやすいですね。自主点検するまでトイレを流さないようにしようとか、少しずつ流してみようとか、家族内でそういう合意がしやすいです。

一方、集合住宅の場合は所有者が異なるので、トイレの使い方について相談して合意しなければなりません。勝手にトイレを流して、万が一何か被害を与えてしまうと、周りに迷惑をかけたり、損害賠償になったりする恐れもあります」(加藤さん)

集合住宅の場合は、日頃から近隣の居住者とコミュニケーションを取って認識合わせをしておくことが大切ですね。

災害に備えてトイレの排水構造を知っておこう!

浄化槽の設置

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「大雨など、トイレの逆流が起こるような災害に備えて、自宅のトイレが下水道・浄化槽・くみ取りのどのタイプなのか、また、排水設備がどのようになっているかを平時から確認しておくことが必要です」(加藤さん)

排水システムについて以下のことを確認しておくと、災害時に排水管トラブルがあるかどうかの自主的な点検に役立つそうです。

  • 排水管が埋設されている場所
  • 排水管を外観から観察できる場所
  • 排水管が破断しやすい建物と地面の境目


普段なかなか意識することが少ない箇所ですが、災害に備えて確認しておけると安心です。

トイレが使えなくなったときに備えて携帯トイレを!

加藤さんによると、逆流などでトイレが使えなくなった場合に備えて、日頃から携帯トイレを備えておくのがおすすめなのだそう。以下が携帯トイレを選ぶポイントです。

  • 家族が使いやすいもの(便器に容易に取り付けられるもの、子どもや高齢者でも取り扱いやすいもの、縛りやすいものなど)
  • しっかり吸収するもの
  • 防臭、消臭効果があるもの


国の資料では1週間分の携帯トイレを備蓄することを推奨しています。
内閣府のガイドラインでは、1日当たりの平均的なトイレ使用回数は5回(目安)とされていますので、4人家族であれば、
(家族の人数)4人×(排せつ回数)5回×7日間=140回分
の携帯トイレが必要になる計算になります。

大雨以外にもトイレが逆流する場合がある

トイレとスマートフォン

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大雨などの災害時以外にもトイレの逆流が起こってしまうことがあるそうです。

「例えば、トイレを少ない水量で流したり、排水管の中に何かが入って詰まるなど、流し方や詰まりが原因で逆流が起きることがあります。もし、トイレが詰まったら、まずラバーカップなど自分でできる範囲で解決を試みましょう。それでもトラブルが解消しない場合は、自治体指定の水道局指定給水装置事業者に修理を依頼しましょう」(加藤さん)

トイレの詰まりや逆流の修理は、信頼できる業者に依頼したいものです。
トイレを含めた水回りのトラブルは、東京ガスのトイレ修理サービスにお任せください。
最短当日に駆け付け、事前御見積りで安心です。厳しい社内研修の基準をクリアしたプロフェッショナルのみが駆けつけます。

おわりに

大雨でトイレが逆流することもあります。日常生活に不可欠なトイレのトラブルには慌ててしまいがちです。日頃から自宅のトイレの仕組みを知っておくことや、緊急時の対処法、安心できる修理業者の連絡先を調べておくことなどが、いざという時の安心につながるでしょう。

  • この記事取材先

    加藤 篤

    特定非営利活動法人日本トイレ研究所 代表理事

    加藤 篤

    1972年生まれ。まちづくりのシンクタンクを経て、現職。災害時のトイレ調査や防災トイレワークショップの実施、防災トイレ計画の作成、小学校のトイレ空間改善を展開。「災害時トイレ衛生管理講習会」を開催し、防災トイレアドバイザーの育成に取り組んでいる。著書『トイレからはじめる防災ハンドブック』 (学芸出版社)、『うんちはすごい!』(株式会社イーストプレス)、『もしもトイレがなかったら』(少年写真新聞社)ほか。

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公開日:2024.11.20

最終更新日:2024.11.20

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