赤ちゃんの日焼けを防ぐために
赤ちゃんの健やかな成長のために日光浴は欠かせませんが、赤ちゃんの肌は角質層が薄いため紫外線に弱く、もし日焼けしてしまうと大きなダメージを受けてしまいます。
紫外線の強い季節は短いお散歩でも日差しを浴びることになりますので、お出掛け時にはさまざまな注意が必要です。
月齢に応じたお出掛け時間を守る
「一般的な観点から、生後1カ月なら、涼しい時間帯に5分や10分位の散歩や買い物などのお出掛けが適当です。ただし紫外線が強くない場所・時間を選んでください。生後2カ月になれば、公園などに連れて行っても大丈夫ですが、外出時間は最長でも1時間が目安です。4カ月ぐらいからは2~3時間位まで大丈夫でしょう」(鈴木先生)
紫外線が強い時間帯のお出掛けは避ける
紫外線が一番強くなるのは昼12時頃。この前後は赤ちゃんが外出を避けた方がよい時間帯です。
鈴木先生によると、赤ちゃんが2カ月以上になっても、紫外線が最も強い11~13時頃はなるべく外出は避けた方がよいそうです。
熱中症リスクのある服装を避け、日焼け止めを利用する
「紫外線を防ぐことだけを考えれば、赤ちゃんの全身を覆うような長袖・長ズボンが望ましいですが、暑すぎて熱中症になる可能性もあります。お出掛け時も家で着ているのと同様の服装で構わないと思いますが、服から出ている部分には日焼け止めを塗ってあげることが必要です」(鈴木先生)
テーマパークや海にはある程度大きくなってから
夏休みなどに赤ちゃんと一緒にテーマパークや海などに行きたいと考える親御さんもいるかもしれません。いつ頃から行っても大丈夫なのでしょうか?
「テーマパークなどは、半日程度なら、4カ月位から行ってもよいと思います。より強い紫外線にさらされる海には、歩けるようになったら。1歳くらいになってからが目安と考えてください。海は親にとってはリラックスできて楽しめる場所ですが、子どもは2~3歳くらいにならないと海水浴が楽しいとは感じないと思いますので、子ども自身が楽しめるようになるまでは積極的に出掛ける必要はないかもしれません」(鈴木先生)
「うっかり日焼け」に注意する
赤ちゃんは皮膚が弱いので、気をつけていても、ついうっかり日焼けをしてしまうことがあるそうです。
「ベビーカーに乗っている時も必ず紫外線を浴びますし、チャイルドシートで車に乗せていても日焼けします。ベビーカーなら日よけカバーが大きいタイプを選び、車の場合は窓にサンシェードをつけたり紫外線防止フィルムを貼るといった対策も考えましょう。徒歩の場合は、抱っこひもを使うのも日光から守るためにはいいと思います」(鈴木先生)
【赤ちゃんのための日焼け止め】選び方・使い方
赤ちゃんにも日焼け止めを使った方がよいと鈴木先生に教えていただきましたが、赤ちゃんの肌には、どんな日焼け止めをどのように使えばよいのでしょうか。日焼け止めの選び方や使い方の注意点について伺いました。
日焼け止めは何歳から使っていい?
鈴木先生によると、日焼け止めは、赤ちゃんが外出してもよいとされる生後1カ月からであれば使用してよいとのことです。
赤ちゃんにおすすめの日焼け止めは?
赤ちゃん用に日焼け止めを選ぶなら、石油由来の紫外線吸収剤などが入っているものは避けた方がよいそうです。
「肌に優しい『オーガニック系』のもので、『ウォータープルーフ仕様なし』と書いてあるものがおすすめです。日焼け止めには、ジェルやローション、クリームなどがあります。日常生活では塗りやすいさらさらしたローションタイプを使って、何回も塗ってあげるのがいいと思います。ローションタイプは赤ちゃんも比較的嫌がらないようですが、ベトベトしたタイプは2歳位になると嫌がられることが多いようです。普段使う日焼け止めはSPF値は高くないもので大丈夫でしょう」(鈴木先生)
日焼け止め使用の注意点
「日焼け止めを使う前には、赤ちゃんの手の甲に塗ってみて、アレルギー反応や刺激性がないかどうかをチェックしてください。アレルギー用や敏感肌用と書いてあっても、使用者全員の肌に合うかどうかは分からないので、必ず赤ちゃんの肌で試してから全身に塗ってください」(鈴木先生)
日焼け止めは大体2~3時間効果が持続しますが、汗をかくとそれより短くなります。汗をかくと取れやすいので、取れたと思ったら塗り直してあげるようにしましょう。
もし海やプールに行くときは、ウォータープルーフで、かつローションよりも取れにくい日焼け止めがよいそうです。
日焼け止めの落とし方
帰宅したら、せっけんやボディーソープでしっかり落としてあげましょう。
「それでも落ちにくい場合は大人のメイク落としを使っても構いませんので、きちんと落としてあげる必要があります」(鈴木先生)
もし赤ちゃんが日焼けしてしまったらどうする?
赤ちゃんが日焼けすると、まず肌が赤くなります。鈴木先生によると、外出後などに赤ちゃんの肌が赤くなっている様子であれば、日焼けを疑ったほうがいいそうです。
「健康な肌の子なら、少しの日焼けはあまり心配することはないですが、アトピー性皮膚炎だったり、肌が弱い赤ちゃんには対応が必要です。日焼けしていると気づいたらすぐに保湿剤と処方されているステロイド薬を塗ってあげてください。手持ちの薬がない場合は、病院に行って日焼けしたと伝えていただければ、適切な薬がもらえます」(鈴木先生)
また、赤ちゃんの日焼けは、冷やすことが大切だそう。冷房や扇風機で体温を下げたり、お風呂で水遊びさせて体を冷やしてあげましょう。
「赤みが強い場合や、痛みが強い(皮膚を触ったら泣く)場合、小さなプツプツ(水ぶくれの前兆)ができてきた場合は受診することが重要です。当然、明らかな水ぶくれになってしまった後でも受診しましょう。日焼け後は、1週間程度は紫外線を避けるようにしてください」(鈴木先生)
おわりに
紫外線には悪い面だけでなく、良い面もあります。「ビタミンDの生成には日光が必要ですので、全く日光に当たらないと、くる病(ビタミンDの欠乏により骨がしっかりと育たない状態)のリスクが高まりますから、適度な外出は必要です」と鈴木先生。上手に日焼け止めを使って日焼け対策をしながら、赤ちゃんとのお出掛けを楽しみましょう。