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子供のお小遣い帳

子どもの金銭感覚を養うお小遣い帳の書き方

子どもがお小遣いをより計画的に使い、金銭感覚を養うツールの一つとしてお小遣い帳がありますが、小学校低学年などのお子さんにとっては、お小遣い帳の上手な活用が難しい場合も。小学生でも無理なく続けられるお小遣い帳の書き方を、ファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタントで「キッズ・マネー・ステーション」主宰の八木陽子さんに伺いました。

最終更新日:2024.12.10

目 次

子どもがお小遣い帳を持つことのメリット

お小遣い帳を書く子供のイメージ

PIXTA

小学校でのお金の学習も始まっているように、子どもの頃からお金についての知識を身に付けることが重要視されてきています。

その一つ「子どもが自分自身でお金を管理する」という経験を積むのに役立つのが、お小遣い帳です。しかし、お小遣い帳を習慣として活用していくにはコツが必要です。お金の教育・キャリア教育を普及する「キッズ・マネー・ステーション」を主宰されている八木陽子さんに、お小遣い帳の書き方を教えていただきました。

まずは、子どもがお小遣い帳を持つメリットについて伺いました。

メリット1. 振り返りがしやすくなる

「お小遣い帳を付けるメリットとして、“振り返りがしやすくなる” ということが挙げられます。何をどのくらいの金額で買ったのか、買い忘れがないかなど、お小遣い帳を見れば簡単に振り返れます」(八木さん)

例えば、「気に入っていた○○が壊れたのでもう一度買いたいけど、いくらで買ったのかな?」というように、自分で振り返って考える意識が芽生えます。

メリット2. 予算が立てやすくなる

「お金を計画的に使うには、予算を考えることが欠かせません。しかし、何にどれくらいのお金がいるか分析する資料がないと、予算は立てにくいでしょう。お小遣い帳があれば資料になります」(八木さん)

「塾の帰りにコンビニで使ってるお金が1カ月で○○○円くらい。これから塾の日数が増えると、もっと使ってしまうかな」というように、どれだけお金を使っているのか子ども自身が把握できるようになります。

メリット3. 家族とお金の話をするきっかけになる

子どもが親にお金の話をする機会はそれほど多くはないでしょう。しかし、お小遣い帳を付けていれば、「こんな風に毎月お金が足りなくなっているから、お小遣いがもっと欲しい!」「お小遣いで買いたいものをお小遣い帳に書いてみたよ」と、子どもからも具体的な話ができるようになります。

【専門家が教える】子どものお小遣い帳の書き方

お小遣い帳

uchicoto

子どもがお小遣い帳を書き続け、上手に利用していくのは難しいことです。そこで、子どもがお小遣い帳を書く上で意識したいポイントを八木さんに教えてもらいました。

お金を使ったら、その日のうちに記入する

「あとで書けばいい」と思っているうちに、買ったものや値段を忘れてしまうことも少なくありません。その日のうちにお小遣い帳を付けることを習慣にしましょう。

使った金額だけではなく、欲しいものとその金額も記載する

お小遣い帳

uchicoto

お小遣いをためて買いたいものを「ほしいものリスト」に金額とともに記載しておき、買えたときにはその日付を記入します。この達成感の積み重ねも、お小遣い帳を付ける大きなモチベーションになるでしょう。

上の写真は、八木さんが監修されたお小遣い帳の「ほしいものリスト」のページ。お家の人や友達のお誕生日を記入する欄もあるので、楽しみながら記入することができますね。

子どもがお小遣い帳を付けはじめたら、親が行うべきサポートは? 

お小遣いをもらう女の子と母親

PIXTA

お小遣い帳を使って子どもがお金を管理できるようにするには、親としてどのようなサポートをしていけばよいのでしょうか。

子どもの性格、成長を見て臨機応変に

「大人でも、1円単位まできっちり合わないと気持ちが悪いという人もいれば、細かい計算が苦手な人もいます。子どもも同じなので、その子に合わせて無理のないお小遣い帳の付け方を選んでください。親子でストレスにならないように続けることが大切です。ゆるくてもいいので、続けてくださいね」(八木さん)

親が一方的にお小遣い帳のルールを決めてしまうと、子どもは苦痛で続けられないことも。時には親が手伝う、書き忘れても叱ったりしない、といったことも含めて、「続けること」を優先してみましょう。

お小遣い帳を通して、子どもとコミュニケーションを取る

「お小遣い帳は子どもにとっては振り返るための資料となると同時に、親にどのようにお小遣いを使ったのか報告するためのツールとしても重要です。親もお小遣い帳を見れば、どれだけどのように使ったか分かるので具体的なアドバイスもできますね。
1カ月に1回、お小遣いを渡すタイミングでお小遣い帳を見てコメントしてあげてください。それが子どもにとって、お小遣い帳を付け続けるモチベーションにもなります」(八木さん)

買ったものが「必要なもの」か「欲しいもの」かを一緒に考える

「子どもがお小遣いで購入したものの中には、『必要だから買ったもの』と『欲しいから買ったもの』があります。例えば学校で使う文具や、スポーツの際に買った水などは必要なものですが、おもちゃやお菓子などは必ずしもそうではありません。
それを親子で考えていくことが、必要なものから買うという習慣を身に付けることにつながります」(八木さん)

同時に、年齢ごとに必要なお小遣いも増えていきますので、お小遣い帳を見ながら、適切な金額を考えていくことも大切です。

どうしてもお小遣い帳を付けるのが難しいときには・・・

お金の学習をする女の子

PIXTA

「一番もったいないことは、せっかくお小遣い帳を付け始めても計算が難しかったり、書くのが面倒くさかったりしてやめてしまうことです。お子さんの性格によって、しっかりお小遣い帳を付けたがる子も、嫌がる子もいます」と八木さん。

どうしてもお小遣い帳を付けるのが難しい場合は、以下のようなことも試してみましょう。

お小遣いを仕分けて管理する

「お小遣いを“自分のために使うお金”、“人のために使うお金”、“ためるお金” といった形で3つに分けて、それぞれ貯金箱や箱に入れて管理することで、お小遣い帳の代わりにしてもよいでしょう」(八木さん)

お財布にたくさんお金が入っていると使い過ぎてしまい、いざという時に必要なものが買えずに困ってしまうことも。あらかじめ何に使うか考えておき、仕分けしておくと見通しも立ちやすく、管理しやすくなります。

お小遣い帳をつけるのが難しい場合でも、貯金箱や箱で仕分けする方法なら簡単です。

お小遣いアプリを使ってみる

「紙に書くのは続かないけど、アプリなら大丈夫というお子さんもいるようです。その場合はアプリを使用してもよいでしょう。お子さん向けの無料のお小遣いアプリもあるので、親子で使いやすいものを探してみましょう。例えば、親御さんが銀行役になって預かったお金を貯金として管理するというアプリなどもあります」(八木さん)

八木さんが代表を務めるキッズマネーステーションが監修した子ども向けお小遣いアプリ「ハロまね」もおすすめです。

「ハロまね~親子で学ぶ、こどものお金管理~」詳細はこちら

親子で楽しく金融知識が学べるアプリを積極的に活用するのも手ですね。

おわりに

「キッズ・マネー・ステーション」主宰の八木陽子さんのお話から、小学生のお小遣い帳の書き方や続け方、活用法が分かりました。今回は『おこづかいの基本』(つちや書房)についているお小遣い帳を例にご紹介しましたが、どんなお小遣い帳が合うか、お子さんと一緒に選んでみてくださいね。

大人でも家計簿が続かないことはよくあること。子どもがお小遣い帳を使い続け、活用していくためには、親が子どもに合った方法を選び、子どもに寄り添いながらサポートしていくことが大切です。「お金の話をしてきたか、してこなかったかでお子さんの金銭感覚には差が表れます」と八木さん。お小遣い帳を使ってコミュニケーションを取りながら、家族でお金のことを考えていきましょう。

あわせて読みたい

小学生へのお小遣いの渡し方についても、八木さんに教えていただきました。こちらもあわせてご覧ください!

小学生お小遣いイメージ

【金銭感覚が身に付く】小学生へのお小遣いの渡し方

  • この記事取材先

    八木 陽子

    株式会社イー・カンパニー 代表取締役/キッズ・マネー・ステーション 代表

    八木 陽子

    ファイナンシャルプランナー、キャリアコンサルタント。2005年からお金教育・キャリア教育を普及する「キッズ・マネー・ステーション」を主宰し、所属する全国の講師たちと、小・中・高等学校にて授業や講演などの活動実績が多数。2017年度の文部科学省検定の高等学校家庭科の教科書に、日本のファイナンシャルプランナーとして掲載された。
    著書や監修本に『お金は子どもに預けなさい』(経済界)、『おさいふのかみさま』(フレーベル館)、『10歳から知っておきたいお金の心得』(えほんの杜)など。その他テレビ等のメディア出演も多数。

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公開日:2023.5.19

最終更新日:2024.12.10

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