朝の弁当作りが変わる! おいしくて片付けいらず、とっておきのグリル調理アイデアとは?
身支度や朝ごはん、お弁当作りなど、とにかく朝は時間との勝負。もしお弁当作りがもっと楽に、短時間でできたら、うれしいですよね。
今回は楽うま、しかも後片付けが最小限の、お弁当に使えるグリル調理アイデアを、ラク家事アドバイザーの島本美由紀さん(以下、島本さん)が教えてくれました。
島本さん「グリルって慣れると、とっても便利で料理がおいしく出来上がるのに、皆さん活用しきれていないイメージがあります。受け皿や焼き網の後片付けが大変だと感じている方が多いようです。そこで、ぜひ活用してほしいのが、アルミホイル。アルミホイルを駆使すればもっと身近に、むしろもっと時短でおいしく調理することができますよ。グリルは、実は揚げ物だって、同時調理だってできてしまう万能調理器具なんです。アルミホイルを上手に活用して、グリルを使いこなしちゃいましょう!」
今回、島本さんには、グリルでできる驚きの3つのアイデアを教えていただきます。揚げないミックスフライとフライドポテト、同時調理でたった7分で完成するお弁当など、グリルを汚さないだけでなく、直火の魅力を十分に生かして作る調理ポイントは必見です。
また、最新のコンロなら、グリルでも調理タイマーが使えるので、一度グリル庫内に入れてセットしてしまえば、グリルに付きっきりにならなくてもいいのが魅力です。コーヒーをもう一杯、ほっとひと息できるゆとりの朝時間が生まれそうですね。
これを読めば、きっとグリルがお弁当作り最高のパートナーになってくれるはず! それでは、今日からできる新お弁当習慣、始めましょう。
【グリルでお弁当レシピ1】マヨネーズが揚げ油の代わりに? グリルでできるミックスフライ
ボリューム満点のフライは、お弁当に入っているとうれしいおかずの一つですね。腹持ちもよく、見栄えもするので定番にしたい一品ですが、その反面、朝の限られた時間の中で下ごしらえや揚げ油の後片付けの時間をやりくりするのに、頭を悩ませてしまうことも。
そこで島本さんが提案してくれたのが、キッチンに常備しているマヨネーズとアルミホイルを使ったグリル調理です。この2つの材料で揚げ油を使わずにフライ作りが劇的に手早く、手軽にできるようになります。「フライにマヨネーズ?」と思われるかもしれません。その意外な使い方を、島本さんに伺いました。
島本さん「マヨネーズは実は、パン粉のツナギに使います。しかも、加熱することで揚げ油の代わりにもなってくれるんです。マヨネーズの主な原材料は油と卵。加熱することで油分が溶け出し、パン粉をカリッと焼き上げてくれますよ。そもそもマヨネーズは調味料なので、塩分が入っています。だから食材に、塩コショウなどの下味もいらないんです」
マヨネーズって、実はとっても優秀な食材なんですね!
フライに必要不可欠だと思っていた卵、小麦粉で作る衣が、マヨネーズに置き換わるだけで断然手軽にできそうです。しかも、卵や小麦粉の余りもできないので、食材の無駄がなくなりますね。
下ごしらえが終われば、加熱はグリルにお任せ! 洗い物を少しでも減らしたい朝時間には、アルミホイルを焼き網に敷いて焼きましょう。これなら、使い終わったらアルミホイルを捨てればよいだけなので、グリル洗いが不要になります。これはまさにグリルだからこそできる、調理アイデアですね。
3ステップで作る、グリルでできるミックスフライ!
では、材料からチェックしてみましょう。
使用する材料
フライの衣は、たった2つの材料で作るシンプルレシピです。これなら、キッチンが散らかることもなくなりそうです。
島本さん「パン粉は細目タイプを選んでください。マヨネーズに満遍なく、くっ付いてくれます。荒目タイプのものしかない場合は、ザルでふるいにかけて、下に落ちた細目のものを使うといいですよ」
ミックスフライの材料(2人分、作りやすい分量)
鮭(切り身)・・・2枚
海老・・・6尾
マヨネーズ・・・大さじ1
パン粉(細目)・・・適量
気になる作り方は?
工程はたった3ステップです。ボリューム満点なので、これならお弁当だけでなく、今晩の夕食にも使えそうですね。
【作り方1】
鮭はペーパーで水気を拭き取って、半分に切る。海老は尾を残して殻をむき、剣先と背ワタを取る。
【作り方2】
1の全体にマヨネーズを薄く塗り、パン粉をまぶす。
【作り方3】
グリルの焼き網の上にアルミホイルを敷き、2を並べてグリルで焼く。
両面焼き水なしグリル 上・下弱火 8分
※お使いのグリルによって、加熱時間や火力は異なるので調整してください。
【作り方4】
器に盛り付ける。
今回は、両面水なしグリルを使用しました。片面焼きタイプのグリルをご使用の場合は5分加熱後、ひっくり返してさらに5分加熱してください。ご自宅のグリルのタイプによって火通りが変わりますので、様子を見ながら加熱してくださいね。
次は、お弁当にも、夕飯にあと一品おかずが欲しいときにも重宝する、揚げないフライドポテトをご紹介します。
【グリルでお弁当レシピ2】くしゃくしゃアルミホイルで! 揚げない絶品フライドポテト
子どもの大好きメニューといえばこれ! フライドポテト。お子さんからリクエストの多い、サイドメニューではないでしょうか? お弁当に入れれば喜ぶこと間違いありませんが、朝の忙しい時間に少量の揚げ物は二の足を踏んでしまいがちです。
島本さんが教えてくれたのは、グリルで揚げずに作る、フライドポテト。揚げ油の準備や後片付けがいらないのなら、ぜひ作ってみたいですよね。ミックスフライ同様、グリルの汚れ対策も万全です。アルミホイルを敷けば、油が受け皿に落ちないので、調理後の掃除はアルミホイルをポイっとゴミ箱へ捨てるだけでOKです。
アルミホイルのうれしい効果はこれだけではありません。ポイントは、くしゃくしゃにしてから使うこと。大きな凹凸ができることで余分な油が凹みに落ちてくれるので、カロリーカットもできます。さらに、島本さんならではのラク家事ポイントも!
島本さん「ジャガイモは、でんぷん質の多い食材です。これを表面が平らなアルミホイルの上で焼くと、でんぷん質が溶け出して糊のようにくっ付いてしまいます。すると、せっかくパリッと焼けた表面が剥がれてしまうことも。くしゃくしゃにすれば、ジャガイモを点で支えることになるので接点が減り、くっ付き防止になりますよ」
くしゃくしゃにするのには、そんな理由もあったんですね。ほんの少しのアイデアで、調理時のイライラがなくなりそうです!
フライドポテトの仕上がりは表面はパリパリ、中はしっとりホクホク。これは、油のコーティングの効果とグリルの高火力だからなせるワザ。
では、材料からチェックしてみましょう。
使用する材料
使用する油は大さじ1杯だけです。ほんの少量の油でできてしまうのは感動的ですね。今日はフライドポテトをエスニックに味変してみましょう。クリームチーズとスイートチリソースの組み合わせは、新しい発見です。
フライドポテトの材料(2人分、作りやすい分量)
ジャガイモ(大)・・・2個
クリームチーズ・・・適量
スイートチリソース・・・適量
[A]
塩・・・小さじ1/3
オリーブ油・・・大さじ1
気になる作り方は?
工程は、ジャガイモをカットして油をまとわせるだけ。ジャガイモのでんぷん質を水で洗い流してから使えば、より上手に出来上がりますよ。
【作り方1】
ジャガイモは皮ごと水でよく洗い、くし形に切って5分程水にさらして、キッチンペーパーで水気を拭き取る。
【作り方2】
ボウルに1を入れ、塩とオリーブオイルをまぶす。
【作り方3】
一度くしゃくしゃにしてから広げたアルミホイルをグリルの上に敷き、2を並べてグリルで焼く。
両面焼き水なしグリル 上・下弱火で12~13分
※お使いのグリルによって、加熱時間や火力は異なるので調整してください。
【作り方4】
器に盛り、クリームチーズとスイートチリソースを添える。
今回は、両面水なしグリルを使用しました。片面焼きタイプのグリルをご使用の場合は7分加熱後、ひっくり返してさらに6分加熱してください。ご自宅のグリルのタイプによって火通りが変わりますので、様子を見ながら加熱してくださいね。
こんなに手軽で、しかもこんなにおいしいなら普段の食卓にも並べたくなりますね。
次はグリルでたった7分! ガパオ弁当をご紹介します。
【グリルでお弁当レシピ3】3品を同時調理! ボリューム満点ガパオ弁当
お弁当のふたを開いた瞬間に、目に飛び込んでくる目玉焼き! うれしいサプライズとカラフルなパプリカが食欲をそそる、ガパオ弁当をご紹介します。
今回はなんと、ガパオ、付け合わせの蒸しブロッコリー、目玉焼きの3品をグリルで同時調理してしまいます。加熱時間はたった7分。これだけで全てのお弁当のおかずが完成します。しかも、グリル調理タイマーを使えば、調理はグリルにお任せできてしまいます。
お弁当のメインおかず、ガパオはタイの国民食ともいわれるほどよく食べられる料理で、最近は日本でもメジャーな料理になりつつありますね。タイ料理だから難しそう、と思われるかもしれませんが、拍子抜けするほどにシンプルな工程で出来上がります。味付けはオイスターソースとしょうゆ、砂糖だけなので、エスニックな香りが苦手な方でもご飯がどんどん進みそうです。また、お肉と野菜をしっかり入れているので彩りも栄養バランスも抜群です。
同時調理の近道は、アルミホイルを使いこなすこと。アルミホイルで上手に包めば、水分の多いものや、蒸し物、即席炒め物まで何品でもグリルで同時調理ができてしまいます。受け皿も汚れないので、洗いが出ないのもポイントが高いですね。
くっ付きやすい目玉焼きは、市販のくっ付かないアルミホイルがおすすめです。焼き上がると、魔法のように目玉焼きがするりと剥がれてくれますよ。
では、材料からチェックしてみましょう。
使用する材料
冷蔵庫によくある材料で調味します。万が一、ひき肉が冷蔵庫になかったという場合も安心してください。
島本さん「7分で加熱するためには、火通りのいいひき肉がおすすめです。ひき肉がなければ豚肉の小間切れや、厚切りの豚肉などは細切りにして火が入りやすいように工夫してみましょう」
ガパオ弁当の材料(2人分)
ご飯・・・2人分
《ガパオ》
豚ひき肉・・・100g
タマネギ・・・1/4個
パプリカ(赤・黄)・・・各1/6個
[A]
オイスターソース・・・小さじ2
水・・・小さじ1
しょうゆ・・・小さじ1
砂糖・・・小さじ1/2
ニンニク(おろしチューブ)・・・1cm
《蒸しブロッコリー》
ブロッコリー・・・3房※お弁当箱のサイズに合わせて調整
水・・・小さじ1
塩・・・少々
《目玉焼き》
卵・・・2個
気になる作り方は?
今回の同時調理では、アルミホイルの中の蒸気を逃さないように、しっかりと口を閉じるのがポイントです。グリルの熱を効率よく使うことができれば時短につながりますよ。
島本さん「いろいろな包み方がありますが、グリルの天井に当たらないように高さが3cm以内になるように包みましょう。中に入れる食材も平らになるように入れてくださいね」
【作り方1】
タマネギとパプリカは1cm角に切る。
【作り方2】
ボウルに豚ひき肉とAを入れてよく混ぜ、1を加えてあえる。
【作り方3】
アルミホイルで2を包み、グリルに入れる。
※高さが3cm以内になるように包んでください。
【作り方4】
ブロッコリーは半分に切り、アルミホイルに並べて水と塩を振って包む。グリルに並べる。
※高さが3cm以内になるように包んでください。
【作り方5】
くっ付かないアルミホイルで器を作り、卵を割り入れてグリルに並べる。
【作り方6】
グリルを点火する。
両面焼き水なしグリル 上・下弱火7~8分
※お使いのグリルによって、加熱時間や火力は異なるので調整してください。
【作り方7】
出来上がったら、豚ひき肉を混ぜて均一に熱を通す。
島本さん「グリルの特性上、焼き上がったばかりのガパオは上下によく火が入っている状態です。ひき肉の外側と内側の熱を均一にするために、アルミホイルを開いたときにざっくりと混ぜ合わせてくださいね」
今回は、両面水なしグリルを使用しました。片面焼きタイプのグリルをご使用の場合は、弱火で10分加熱してください。ご自宅のグリルのタイプによって火通りが変わりますので、様子を見ながら加熱してくださいね。
【作り方8】
お弁当箱にご飯を盛り、7をのせる
島本さんからご紹介いただいたグリルで作るお弁当アイデア3選、いかがでしたか。
魅力的なお弁当の数々でしたね。島本さんのアイデアで、グリル調理がグッと身近になったのではないでしょうか。ぜひパワフルな高火力で作る、グリル料理の魅力を体験してみてくださいね。
おわりに
魚焼きだけだと思っていたグリルで、フライやお弁当の同時調理までできてしまうとは驚きの連続でした。しかも、ちょっと気が重いグリルの網や受け皿の洗い物がないとなれば、すぐにでも実践してみたくなりますね。ヘルシーな仕上がりでも食べ応えのありそうなおかずばかりなので、食べ盛りのお子さんにも喜ばれそうです。グリルでできる新お弁当習慣、ぜひ試してみてください!