腸活やダイエットに! オートミールが人気
こんにちは。管理栄養士の辻本なみです。
近年、健康や美容に良いと注目されている食材「オートミール」。オートミールはオーツ麦を使いやすいように加工したもので、外皮や胚芽が残っているため、精白された白米などに比べて栄養価が高いのが特徴です。
また、白米に比べてオートミールには約19倍もの食物繊維が含まれています。さらに食物繊維以外にもたんぱく質は約2倍、カルシウムは約9倍、鉄分は約5倍含まれている優秀な食材です。
栄養面以外にもメリットがたくさん。オートミールは食べやすいように加工されているため、白米を炊くより調理に手間や時間がかかりません。日持ちもするので、ストック食材としても重宝します。
「食物繊維が豊富な野菜をしっかり摂りたい」「食事のバランスを整えたい」と思っていても、現代人は忙しく野菜が不足しがち。オートミールをいつもの主食に置き換えたり、日々の料理に使ったりすることで手軽に食物繊維が補えますよ。
手軽に調理できる、栄養価が高いという点から、オートミールは腸活や健康的なダイエットをしたい方を中心に人気となっています。
参考:食品成分データベース
体にうれしいオートミール。子どもに食べさせると良い理由とは?
オートミールは健康志向の方やダイエット中の方が朝食に食べるイメージがあると思いますが、実はお子さんの食事にもおすすめです。海外では、赤ちゃんの離乳食にオートミールが使われることもあるのだそう。
オートミールはご飯、パン、うどんと同じく炭水化物が豊富な食材。体や脳を動かすために必要なエネルギー源となる炭水化物は成長期の子どもにも必要不可欠です。炭水化物が不足すると、疲れやすくなったり集中力が低下したりすることも。そのため、ご飯などと同じ感覚で子どもの食事に取り入れるのもおすすめです。
また、子どもの成長に欠かせない、たんぱく質やカルシウム、鉄分などのミネラルが小麦粉や白米より多く含まれている点も、オートミールの魅力です。
子どもは食物繊維の豊富な野菜が苦手なことも多いですが、オートミールを食事に取り入れることで手軽に食物繊維を補うことができる点も、おすすめする理由の一つです。ただし、食べる量や体質によっては食物繊維が原因で消化不良になる可能性がありますので、お子さんに合っているかどうか、様子を見ながら食べさせてくださいね。
市販の甘い味付けのグラノーラにもオートミール入りのものがありますが、糖分や油脂も含まれるので、食べ過ぎには注意が必要です。その点、オートミールそのものを食材として料理すれば、糖分や油脂を調整しやすいですし、味にあまりクセがないため、「ごはんの代わり」「ハンバーグなど料理にプラス」「クッキー、パンケーキなどのおやつ作り」などいろいろなアレンジが楽しめるのも魅力です。
クイックオーツとロールドオーツの違いと使い分け
オートミールにはいくつか種類があります。
スーパーでよく見かけるオートミールは「クイックオーツ」と「ロールドオーツ」の2種類です。
ロールドオーツ
ロールドオーツは麦の形が残っているので調理後も食感を残すことができます。オートミールのドロッとした食感が苦手な方は、歯ごたえのあるロールドオーツを使ったレシピがおすすめです。
ロールドオーツは食感が残る特徴を活かして、おにぎりやチャーハンなどごはんの代わり使われることが多いです。粒感があるためしっかり噛むことができ食べごたえもあるので、ダイエット中の方にも人気です。
クイックオーツ
クイックオーツは、ロールドオーツを細かく砕き使いやすくしたものです。細かくなっているので、ふやけてやわらかくなるのが早く、ロールドオーツよりも手早く手軽に料理に使えます。
おかゆや離乳食のほか、ハンバーグなどのつなぎに使ってもよく馴染んでくれます。
牛乳や豆乳に浸したオーバーナイトオーツを作る場合も、クイックオーツを使います。とろみが付いてやわらかい食感になるので、さっと済ませたい朝食にぴったり。また、水分を多く含むので満腹感を得られやすく、ダイエット食にも向いています。
オートミールの種類の選択は、美味しく食べるための大切なポイントです。レシピにオートミールの種類が記載されている時は、ぜひ同じ種類のものを使って作ってください。
オートミールを美味しく食べるコツ
健康に良いと人気のオートミールを食べてみたけど「全然美味しくない・・・」と感じた経験を持つ方もいらっしゃるかもしれません。オートミールを美味しく食べるにはちょっとしたコツが必要です。そのポイントをご紹介します。
好みに合わせた調理方法を知る
オートミールは調理方法や種類によって、「ドロドロ」「ボリボリ」「パサパサ」など違う食感になります。自分好みの種類やオートミールにあった調理方法を知ることで、オートミールが苦手だった方も食べられるようになるかもしれません。
オートミールの食べ方として、オートミールを牛乳や豆乳などに浸けて一晩置いてやわらかくする「オーバーナイトオーツ」や、コンソメスープや牛乳などで煮る「リゾット」は定番ですが、ドロッとした食感が苦手と感じる人もいます。そのような方はオートミールをハンバーグ、チキンナゲットなどのつなぎやおやきに使うと、食べやすくなりますよ。
また、オートミールを少なめの水でごはんのようにふやかして、チャーハン、おにぎりなどに調理しても美味しいです。
味付けで工夫してみる
オートミールはあまり味がしませんが、味が苦手な場合、調味料や風味の良い食材を一緒に使うのがおすすめです。
例えば、ケチャップ。この後のレシピでも紹介しますが、オートミールをお米のようにふやかした後、鶏肉や野菜と一緒にケチャップで炒めてチキンライスのようにするとオートミール感が薄れて食べやすくなります。また、醤油を塗って香ばしく仕上げたオートミール焼きおにぎり、ソースや青のりをトッピングするオートミールお好み焼きもおすすめです。
オートミールのおすすめレシピ2選
それでは、オートミールを使ったお子さんにもおすすめのレシピを紹介します。普段の食事や補食にぴったりなレシピなので、ぜひお試しください。もちろん健康のために、大人が食べてもOKですよ!
オートミールで作るチキンライス風
見た目はまさにチキンライス。でも、ご飯ではなくオートミールを使っています! ご飯の代わりにオートミールを使うことで食物繊維を多く摂れます。お米を炊くより時短なので、お腹が空いた時にもパパッと簡単に作れるのも魅力です。
材料(2人分)
オートミール(ロールドオーツ)・・・100g
水・・・160ml
鶏もも肉・・・100g
玉ねぎ・・・1/2個
にんじん・・・2cm
マッシュルーム・・・2個
植物油(米油やサラダ油など)・・・小さじ1
ケチャップ・・・大さじ3
塩・・・少々
こしょう・・・少々
グリンピース(さやから出してゆでたもの)・・・適量
作り方
【手順1】
鶏もも肉は1cm角に切る。玉ねぎ、にんじんはみじん切り、マッシュルームは縦に薄切りにする。
【手順2】
フライパンに植物油(米油・サラダ油など)をひいて中火で熱し、玉ねぎ、にんじんを入れて炒める。玉ねぎが透き通ってきたら、鶏もも肉、マッシュルームを加えて炒め、火が通ったら火を止める。
【手順3】
別のフライパンにオートミール(ロールドオーツ)と水を入れてゴムベラで軽く混ぜ、中火で加熱する。沸騰したら弱火にし、ときどきゴムベラでほぐしながら3分加熱する。
【手順4】
2に3、ケチャップを加えて中火で熱し、炒め合わせる。塩、こしょうで味を調える。
【手順5】
器に盛り、グリンピース(さやから出してゆでたもの)をのせる。
オートミールのチキンライスは、オムライスやドリアにもアレンジできます。冷凍保存もOKなので、小分けにしておけば使いたい分だけ使えて便利ですよ。(約1週間が目安)
ツナとコーンのオートミールおやき
子どもも好きなツナとコーン入りのオートミールおやきです。具材のアレンジは自在です。こちらも冷凍保存が可能。作り置きしておけば、献立にあと一品追加したい時、おやつに、お弁当に、といろんなシーンで大活躍です。(保存期間は約1週間が目安)
材料(8個分)
オートミール(クイックオーツ)・・・50g
湯・・・50ml
ツナ缶(水煮)・・・50g
コーン(ホール)・・・30g
ピザ用チーズ・・・20g
片栗粉・・・15g
塩・・・少々
植物油(米油やサラダ油など)・・・小さじ1
作り方
【手順1】
耐熱ボウルにオートミール(クイックオーツ)、湯を入れてゴムベラで混ぜる。
【手順2】
1に水気を切ったツナ缶(水煮)、コーン(ホール)、ピザ用チーズ、片栗粉、塩を加えて混ぜる。
【手順3】
2を8等分にして、平たく丸める。
【手順4】
フライパンに植物油(米油・サラダ油など)をひいて中火で熱し、3を並べて両面にこんがり焼き色がつくまで焼く。
小さなお子さんも手づかみで食べやすいおやき。コーンの代わりに枝豆を入れてみても!
お気に入りの具材を探してみてください。
おわりに
4回にわたり、お子さんにぜひ食べさせてあげてほしいやさしいご飯とおやつレシピや、食材に合わせた料理のポイント、コツをご紹介してきました。子どもの健やかな成長には「食事」の質や内容がとても大事。紹介したレシピがご参考になればうれしいです。