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化粧品には使用期限がある? 使用期限が過ぎたらどうなるの!?

季節や気分によって使い分けたい化粧品。気が付くと使用期限がギリギリになっていた・・・ということはありませんか? 使用期限を過ぎた化粧品は使えないのでしょうか。また、商品によっては使用期限の表示がないこともあります。知っているようで知らない期限表示について、化粧品メーカーの株式会社ちふれ化粧品に聞きました。

最終更新日:2023.12.28

目 次

化粧品の使用期限は「製造から3年以内」ってホント!?

化粧品に記載された使用期限

uchicoto

「化粧品はすべて3年もつ」「表示がないものは使用期限がない」などの俗説を聞いたことはありませんか? 株式会社ちふれ化粧品(以下、ちふれ)さんによると、こうした俗説は必ずしも正しいわけではないようです。

水、油、界面活性剤や色素など、それぞれに異なる性質の成分が混じり合っている化粧品。時間がたつとどうしても分離したり変色したりしてしまうため、化粧品には「安心して使うことができる期間」があり、この使用期限が定められています。

ちふれ「化粧品は、医薬品医療機器等法という法律で『適切な保管条件の下で3年以内に品質が変化するおそれのあるもの』に、使用期限を表示することが義務付けられています」

ちなみに、購入してから3年以内ではなく、製造されてから3年以内ということで、この点も、誤解されやすいポイントのようです。

ちふれ「使用期限の表示は、あくまでも《未開封》で《適切な保管》が前提となっています。一度でも開封してしまえば変質のリスクがあります。
また、化粧品によっては未開封でも使用期限が3年より短い場合もあります」

使用期限の表示がない化粧品、いつまで使える?

口紅などの化粧品

PIXTA

日ごろ使っている化粧品をよく見ると、使用期限が表示されているものと、そうでないものがありますね。

ちふれ「使用期限表示の義務があるのは、未開封で3年以内に《品質が変化するおそれのあるもの》のみです。ちふれ化粧品では十分な品質のテストを実施しており、未開封で通常の保存であれば3年以内に変質してしまうことはありませんので、使用期限は表示しておりません」

つまり化粧品の使用期限は

・使用期限が表記されているもの ⇒ 未開封・通常保管なら、表示期限内は使用OK
・使用期限の表記がないもの/製造年月が表記されているもの ⇒ 未開封・通常保管なら、製造から3年以内は使用OK

使用期限の表示がないものは、製造から3年以内なら使用可能ということになります。誤解しやすいポイントなので、気を付けましょう。

化粧品の使用期限の見方とは?

化粧品の表示を確認する様子

PIXTA

使用期限が表示されていなくても、商品一つ一つに数字が表示されているものがあります。

写真は、ちふれの化粧品。商品についている数字は、製造年月を示したものだそうです。

ちふれの化粧品に表示された製造年月

uchicoto

ちふれ「ちふれブランドの化粧品は使用期限は表示していませんが、どなたにも分かりやすくご使用いただけるよう、全ての化粧品に製造記号を製造年月で表示しています。例えば20121ですと2020年12月の1回目の製造を表します」

化粧品の使用期限は成分やアイテムによって違いがあるの?

さまざまな化粧品

PIXTA

化粧水、乳液、日焼け止め、ファンデーション・・・と、化粧品にはさまざまなアイテムがあります。一説には、水分の少ないパウダー状の製品は変質しづらく、液状のものは変質しやすいともいわれます。ただし、これらも全て、成分や製造工程、そして何より個々の保管状況によって条件が変わってくるため、一概には言えないそうです。

ちふれ「使用期限は保管状態によって変わってくるため、当社では明示することはしていないんですよ」

無添加の製品は使用期限が短いの?

無添加の製品のイメージ

PIXTA

防腐剤などが入っていない無添加化粧品の場合、使用期限はどうなるのでしょう? やはり使用期限は短くなるのでしょうか?

ちふれ「一概に、無添加だから使用期限が短いというわけでもない、といわれています。無添加といっても、何をもって無添加とするかの定義が明確でない場合もありますよね。ちふれブランドは無香料・無着色ですが、無添加ではありません。防腐剤や界面活性剤、鉱物油、タール系色素についても、化粧品の品質保持のために《必要なもの》として、安全性を確認したものだけを必要な量だけ配合しています」

ちふれ化粧品の場合、使用期限は商品の研究・開発時点で、グループ内の研究所を通じて安定性や安全性、機能性の確認を行っているそう。メーカーによって、添加物や使用期限の検証方法はさまざまだということが分かりますね。

化粧品は開封したら数カ月以内に使い切るのがルール

化粧品を使う様子

PIXTA

化粧品の開封後、使用期限はいつまでなのでしょうか?

ちふれ「一度化粧品を開封してしまうと、空気や手指に触れることで、ホコリや雑菌が混入する原因となります。ホコリや雑菌が混入してしまうと、製品を安定させる条件が変わってしまいますので、開封後はお早めに使い切ることをおすすめしています」

空気に触れると酸化したり、皮脂などが混入・付着してしまうことで雑菌が繁殖する原因にもなります。

古い化粧品は、使用期限を過ぎていたら使わない!

化粧品を捨てる様子

PIXTA

棚を整理していたら、奥から古い化粧品が出てきた・・・。そんな場合は、どうすればいいのでしょう。

ちふれ「まずは使用期限内かどうか、製造年月から3年以上たっていないかを確認しましょう。

期限内であっても、保管状態によっては変質することがあります。高温多湿の場所や直射日光のあたる場所など、化粧品の安定性を損なってしまう場所に保管されていなかったかどうかを確認しましょう。
その上で、キャップを開けてみて、変なにおいがする、中身が分離している、色が変わっているなど、どこかおかしいなと感じたときは使用を避けていただきたいですね」

使用期限を過ぎた化粧品は、変色や異臭が発生したり、肌トラブルにつながることもあるそう。注意して使いたいものです。

化粧品を長持ちさせる保管方法1【高温多湿を避ける】

化粧品

PIXTA

化粧品が苦手なものは

(1)直射日光
(2)温度変化
(3)高温多湿

たとえ開封前であっても、開封後であっても、(1)(2)(3)の条件で保管されていた化粧品は、成分が変質している可能性があります。

【保管に適さない場所】
・太陽光が降り注ぐ窓際
・夏場のプールやビーチ
・温度変化が大きい車内・浴室
・高温多湿になりやすい浴室・キッチン・衣類乾燥機の近くなど

化粧品の成分が安定した状態を保つためにも、温度変化の少ない冷暗所での保管を心掛けましょう。

化粧品を長持ちさせる保管方法2【フタをしっかりと閉める】

化粧品のフタをしっかりと閉める様子

PIXTA

開封後の化粧品は、フタをしっかり閉めるのが長持ちのコツ。

フタがしっかり閉まっていないと、化粧品が空気に触れて酸化の原因になるほか、乾燥してテクスチャーが変わってしまったり、ホコリなど異物の混入、変色の原因となってしまいます。

化粧品がこびりついてフタが閉まりにくくなっている場合は、ティッシュペーパーなどできれいに拭き取りを。密閉性が損なわれないように、こまめに容器のお手入れをすることも大切です。

本来の美容効果を最大限に引き出すためにも、使用後はフタをしっかり閉めましょう。

冷蔵庫での保管は変質のもと!?

冷蔵庫に入っている化粧品

PIXTA

化粧品を長持ちさせるため冷蔵庫に入れる方もいますが、これはNG。

ちふれ「化粧品は冷蔵庫に入れる必要はなく、常温で保管できます。むしろ、冷蔵庫からの出し入れによる温度変化が原因で品質の安定性が保たれなくなることが心配です。クリームや乳液などは分離してしまう可能性もありますのでご注意ください」

中には冷蔵庫保存にも対応した化粧品もありますが、そうした商品以外は基本的に冷蔵庫保管は避けましょう。長持ちさせるつもりが、かえって使用期限を縮めてしまうことにもなりかねません。

化粧品を上手に使い切るコツ

化粧品を肌に塗っているイメージ

PIXTA

上述した通り、開封後は数ヶ月以内に使い切る必要がある化粧品がほとんどですが、テレワークでメイクをする機会が減り、化粧品が減らずに持ち余しているという方もいるのではないでしょうか。化粧品を上手に使い切るおすすめのコツをご紹介します。

【使い切れる量を買う】
大容量ボトルではなく、使い切れる量でこまめに買うよう心掛けましょう。

【全身に使う】
顔用の化粧水やクリームなどが使い切れないときは、ボディにも使って楽しみましょう。

【首・デコルテまでメイクをする】
ファンデーションなどが使い切れなくなりそうなときは、首やデコルテにも使ってみましょう。

【色を混ぜて使う】
アイシャドウやチーク、リップなど、あまり使わない色同士を混ぜてみると、思いがけずいい色になることも。

おわりに

ポーチやメイクボックスの中身を総点検してみると、いつ買ったのかも分からないアイテムがどっさりと出てくる・・・そんなことも少なくないのでは? 分離してしまったファンデーションや、粘度の増した美容液は肌荒れの原因になりかねないので使用を控えましょう。購入したものを使わないまま捨てるといったことにならないよう、暮らしの一つ一つをきちんと見直して、化粧品にも持続可能な開発目標(SDGs)への配慮を忘れずにしたいものですね。

※SDGsは、「誰一人取り残さない」持続可能でよりよい社会の実現を目指す世界共通の目標です。目標12として「つくる責任・つかう責任」が定められています。

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公開日:2022.1.31

最終更新日:2023.12.28

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