照明でお部屋の雰囲気や過ごしやすさはガラッと変わる
「LED電球に切り替えよう!」と、家電量販店に行ったものの、種類がありすぎてどれを選べばよいか分からない・・・と困ったことはありませんか? 一言にLED電球と言っても、大きさや明るさ、照らし方などさまざまな違いがあります。
電球はただ単に「暗いところを明るく照らす」といった機能だけでなく、お部屋の雰囲気を変える効果もあります。また、在宅ワークが増えた最近では、パソコン画面上で会議をすることも増えた方が多いと思いますが、相手に与える印象を大きく変える顔映りなどにも影響します。
今回は、照明器具を幅広く取り扱う、パナソニック株式会社の池ノ本さん、池田さんに、LED電球のメリットから、選ぶときにチェックすべきポイントまで、プロならではの視点で教えていただきました。
LED電球のメリットは「寿命が長い」だけではない!
なんといっても、寿命が長いことが魅力のLED電球。
池田さん「LEDの寿命は、約10年程度。白熱電球の20~40倍、蛍光灯と比べて4倍程度です。取り替える頻度が少なくて済みます」
※1 定格寿命は設計値であり、保証値ではありません。
※2 パナソニックLED電球LDA7L-D-G/S/Z6(定格消費電力7.4W、定格寿命40000時間)とJIS規格一般照明用白熱電球60形(定格消費電力54W、定格寿命1000時間)との比較。1日5.5時間、年間2,000時間点灯、使用電力料金(目安単価)27円/kWh(税込)[2014年4月改定]で計算。パナソニック(株)調べ。使用条件により変わることがあります。
電球を取り換える作業は、意外と手間がかかるものです。
特に、天井が高い家に住んでいる方や、ご高齢の方にとっては危険が伴う作業になりかねませんので、取り換える頻度が少ない点はうれしいポイントです。
しかし、LED電球のメリットはそれだけではありません。
消費電力が低く、環境にも優しい
池ノ本さん「近年、電気代自体が値上がりしていることはご存じでしょうか。再エネ賦課金(※)などにより、1年間で1万円ほど値上がりしていると言われています」
一般家庭において、最も電気代がかかるのは通年電源を入れている冷蔵庫ですが、それに続くのが照明なのだそう。最近は、外出が減り、在宅ワークなど家で過ごす時間が増えたため、より照明代がかさむ傾向にあります。
池田さん「LED電球の消費電力は、従来品のおよそ86%程度抑えられると言われています。電気代の節約に加え、消費電力が低いので、CO2の排出も抑えられます。環境にも優しいのが特長です」
※再生可能エネルギー発電促進賦課金の略称。
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熱くなりにくく、虫がつきにくい
池ノ本さん「蛍光灯や白熱電球は、熱を発する力の副産物として発光しているため、どうしても本体が熱くなってしまいます。一方、LED電球の場合は発光の原理が異なるため、熱くなりにくいという特性があります」
光の波長も白熱電球と異なるため、LED電球の方が虫が寄り付きにくいという特徴があります。
自宅に合ったLED電球の選び方とは?
売り場にずらっと並ぶLED電球を見て、どれを買うべきか分からくなってしまった、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
電球は、サイズ・明るさ・光の広がり方・色で種類が分かれています。
そもそもサイズが合わないと取り付けられないことはもちろんですが、明るさや光の広がり方が白熱電球と異なるため、「いざ購入したものの、イメージと違った」ということにもなりかねません。
最低限押さえておきたいチェックポイントに加え、プロならではの視点から、シーン別の色の選び方をご紹介いただきました。
【LED電球を選ぶ際のポイント1】サイズ{{{/h3}}}
電球のサイズは、電球をソケットに差し込む根元の部分である「口金(くちがね)」で区別します。いくつかの種類がありますが、一般家庭では「E26」と呼ばれるサイズが主流です。インテリア照明などには、「E11」という細めのものが使われていることもあります。
池ノ本さん「口金のサイズが合っていることはもちろんですが、電球自体のサイズも一緒に確認しましょう。例えば、浴室のようにカバーのついているものだと、電球が大きくて入らない、といったことも起こります。迷った時は、もともとついていた電球を直接お店に持っていくとよいです」
【LED電球を選ぶ際のポイント2】明るさ
電球の明るさを示す単位は複数あります。例えば、
・○○W(ワット)
・○○形
・○○lm(ルーメン)
などです。
池ノ本さん「もともと、Wは電力を表す単位です。どのくらいの電力を消費するかで、明るさの目安としていました。LED電球は省電力のため、同じ単位で測ることができません。ですので、販売する時は○○W相当、○○形相当などと表しています」
買い替える時は、お手持ちの電球の明るさを確認してからお店に行きましょう。
【LED電球を選ぶ際のポイント3】光の広がり方
明るさの感じ方は、単に光の強さだけではなく、色や角度によっても大きく変化します。
一般的に、角度が広い方が全体に明るさが広がります。
LED電球の場合は、図の通り3タイプに分かれます。
・空間全体を照らすタイプ(全方向タイプ)
全体が明るくなるため、リビングやダイニングにおすすめです。
・広範囲を照らすタイプ(広配光タイプ)
下方向タイプと全方向タイプの中間の広がり方で、玄関や小さめの部屋におすすめです。
・下方向を照らすタイプ(下方向タイプ)
真下を中心に明るく照らすことができるので、廊下やトイレにおすすめです。
「光の角度を選ぶときは、照明器具も確認したいですね」と池ノ本さん。
例えば、照明器具が透明な場合は、全方向タイプを選ぶと光が透けてより明るく見える、というようなことがあるそうです。
パッケージにおすすめの使用器具が表記されているものもあるので、購入する時にチェックしてみましょう。
【LED電球を選ぶ際のポイント4】色の種類
池ノ本さん「LED電球は、従来の白熱電球よりもさまざまな色が出しやすいことが特長です」
白熱電球と同様の基本的な3色に加え、池田さん・池ノ本さんおすすめの温白色をご紹介いただきました。
・電球色
温かみのある色味で、リラックスができるので寝室におすすめです。
・昼白色
自然光に近い色で、見やすさが特徴。キッチンや化粧室におすすめです。
・昼光色
青みがかった白色で、集中力を高める効果があると言われており、書斎や子ども部屋におすすめです。
・温白色
電球色と昼白色の間のような色味で、さまざまなシーンに対応できる色味です。
最近はオンラインでの会議も増えていますが、照明の色によって、印象が大きく変わるそうです。
同じ照明でも、ここまで印象が変わるのは驚きですね。
ご自身の好みで照明の色を選んでみてはいかがでしょうか。
ここも気を付けて! 忘れがちなチェックポイント
「基本的なことですが、購入する際に器具に対応した種類や使用環境を確認するのが一番大事」と池ノ本さんは話します。
例えば、 調光という、光の強さを調整できるスイッチがついた器具を使用している場合は、その機能に対応したLED電球を使用する必要があります。
また、熱がこもってしまうような環境は火事の危険性もあり、以下のような場合は注意が必要です。
・ダウンライトなど天井に埋め込むような形の照明器具(断熱材施工器具)
天井に敷き詰められた断熱材を持ち上げるようにして取り付けられているため、
放熱が妨げられてしまうそうです。断熱材施工器具対応の商品を選ぶようにしましょう。
・浴室などのカバーで覆われた形の照明器具(密閉型器具)
こちらも熱がこもりやすいため、専用のLED電球を選びましょう。
・屋外での使用(屋外器具)
玄関先やお庭で使用する際も、屋外対応タイプを選びましょう。
事故を防ぎ、長く使うためにも、ご自宅の照明器具を確認してからLED電球を購入するようにしましょう。
電球の取り換えも! 東京ガスの住まいの小修繕・リフォームにおまかせ!
東京ガスの住まいの小修繕・リフォームなら、高所作業で手間の掛かる電球の取り換えもサポートします。
他にも、住まいのリフォームなど、お困りごとに幅広く対応。お気軽にご相談ください。
おわりに
LED電球のメリットから選ぶ際のポイントまで、パナソニック株式会社の池ノ本さん、池田さんにお話を伺いました。照明は、ただ部屋を照らすだけではなく、目的やシーン別に選ぶことで、暮らしをより豊かに引き立てることが分かりましたね。
LED電球は価格が高いというイメージもあるかもしれませんが、今回ご紹介したように様々なメリットがあり、電気代も節約ができるので、とってもお得なんです。何を買ったらいいのか分からない、という方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
参考:Panasonic「はじめてでも失敗しないLED電球の選び方」