この春、料理をはじめたい方へ
今回のコトコト小話は、新生活をきっかけに料理をこれから始める方におすすめの、最初にそろえておきたい調理グッズと調味料をご紹介します。何からそろえればいいかわからなかったり、買ったものの使わない道具や調味料がでてしまうのは困りますよね。今回ご紹介する調理グッズや調味料は、料理教室の講師の視点で厳選した、料理を始めるときに最初にそろえておきたいものです。基本の道具や調味料で簡単に作れるレシピもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
料理がもたらす効果とは?
東京ガス都市生活研究所の調査によると、食事で実感することとして、「手作りの料理を食べるとほっとする」、「美味しいものを食べると疲れがとれる」の割合が高いことがわかります。
新生活が始まる時期は、何かと気を張ることも多いと思います。必要な調理グッズや調味料をそろえて、料理をはじめてみてはいかがでしょうか。
新生活にこれだけはそろえたい! 基本の調理グッズとは?
ここからは、料理教室講師が 厳選した、料理を始めるときにそろえておきたい調理グッズをご紹介します。
【包丁】
包丁の中で一般的に使いやすいとされているのが「牛刀」と「三徳包丁」です。
牛刀は刃渡りが約20㎝とやや長いので、キャベツやブロック肉のような大きなものまで切りやすく、また切っ先も尖っているので肉の筋切りなどの作業がしやすいです。
対して三徳包丁は、牛刀に比べると刃渡りが約16~18cmとやや短く、刃先は丸みがかっていますが、切っ先は尖っているので肉・魚も切りやすく、刃先が反っているため野菜も切りやすいという特徴があります。このため、万能包丁として使い勝手がいいので、最初の1本としておすすめです。
刃の素材はステンレス、持ち手は異素材のものが比較的安価ですが、持ち手まで全てステンレス製のものはお手入れが楽です。予算やお好みに合わせてご購入下さい。
【まな板】
まな板は、あまりサイズが小さいと切りものがしにくいので、A4サイズ程度の大きさがあるものがおすすめです。また、素材は樹脂製だとお手入れが楽です。多少重さはありますが、その分まな板がズレにくいというメリットもあります。
メインに使う樹脂製のまな板に加え、プラスチック製の薄いまな板もそろえると、肉や魚を切るなどの用途による使い分けができて衛生的です。
【鍋・フライパン】
鍋は小さすぎると茹でものをする際などはやや使いにくいので、直径15~18cmサイズのものがおすすめです。
フライパンは直径約18~26cmサイズ 、深めのものがおすすめです。直径26cmほどあれば2人分程度の野菜炒めやチャーハンなども調理ができます。 さらに、深めのフライパンは炒める以外にも茹でものをすることもできます。 素材は、焦げつきにくく洗いやすいフッ素樹脂加工のものが、これから料理を始める方にはおすすめです。
鍋・フライパンともに蓋もあると便利です。蓋をすることで熱が逃げにくくなるため、省エネ・調理時間の短縮につながります。
【ザル】
おすすめは、直径約15cmサイズの脚つきのものです。2人分くらいの麺が入るのでおすすめの大きさです。また、脚がついていることで流しに直接置いても衛生的です。
【菜箸】
おすすめは、木製の滑り止めつきの菜箸です。木製のものは比較的箸先が細いものが多く使いやすいです。シリコン製の菜箸は箸先が太いものが多いので、天ぷらなどの衣がつけやすく、また鍋の表面を傷つけにくいので、用途によって使い分けてもよいでしょう。
菜箸の長さは一般的に約30cmですが、長くて使いにくい方は食事用の箸を菜箸代わりにしてもよいでしょう。
【シリコン調理スプーン】
長さ約30㎝、耐熱 のシリコン製の浅めのスプーンです。この1本でいくつもの役割を果たします。炒め用の木ベラやゴムベラの代わりになったり、大きいスプーンの形状をしているのでお玉の代わりにもなります。シリコン製なので適度にしなり、鍋やフライパンの中身をかき取ることもできます。
新生活にこれだけはそろえたい! 基本の調味料とは?
続いては調味料について。まずは基本的な調味料「さしすせそ」をそろえましょう。
”さ”は「砂糖」、”し”は「塩」、”す”は「酢」、”せ”は「醤油」、”そ”は「味噌」です。
【砂糖】
砂糖には上白糖や黒糖、きび砂糖などがあります。
おすすめは、上白糖。溶けやすく、色が白いので料理の色に影響しません。また、黒糖やきび砂糖よりも安価であることから一般的に使いやすい砂糖とされています。一方、黒糖やきび砂糖にはミネラルが豊富に含まれているので料理にコクが出ます。好みで使い分けてもよいでしょう。
【塩】
塩は粒子の粗いものから細かいものまであります。料理で使いやすいのは、計量がしやすく食材にまんべんなくふれる、粒子が細かくさらさらとした焼塩です。
【酢】
酢には、穀物酢や米酢、黒酢など様々あります。
用途によって使い分けるのが好ましいですが、一般的に使いやすいのは穀物酢や米酢です。米酢は酸味がやわらかいので、酸味が苦手な方は米酢を選ぶとよいでしょう。
【醤油】
醤油は大きく分けて、濃口醤油とうす口醤油に分かれます。
塩分濃度や色の違いがあるので使い分けが望ましいですが、濃口醤油の方が幅広く使えます。最近は減塩醤油なども手に入りやすいので、塩分が気になる方はそちらを選んでもよいでしょう。
【味噌】
味噌は地域によって、米味噌や豆味噌、麦味噌などさまざまです。
米味噌は全国的に、豆味噌は中部地方、麦味噌は九州や四国の一部地域などで生産されています。原料の違いによって風味が異なるだけでなく、赤味噌などの色の濃い味噌は、料理の仕上がりの色にも影響します。また、塩分濃度も種類によって違うので、同じ量の味噌を使っても風味や色味、味の濃さが変わります。好みにもよりますが、信州味噌のような淡色辛口味噌がひとつあると使いやすいです。自分好みの味噌を見つけるのも楽しみのひとつですね。
さらに、油とコショウもあると料理の幅が広がります。
【油】
一般的に幅広く使われるのはサラダ油ですが、洋食にはオリーブ油、中華にはゴマ油など、料理によって使い分けることもできます。また、最近ではアマニ油やエゴマ油、米油など様々な油があるので、好みで使い分けてもよいでしょう。
【コショウ】
コショウには黒コショウと白コショウがあります。肉には黒コショウ、魚には白コショウという基本的な使い分けもありますが、ピリッとしたスパイシーな香りが欲しい時は黒コショウ、素材の風味を消さずに引き立たせたい時は白コショウ、というように使い分けてもよいでしょう。
それでは、ご紹介した調理グッズと調味料を使って、料理を作りましょう。
基本の道具や調味料はすでにそろえていて、更にステップアップしたい方におすすめのプラスアルファの調味料や時間短縮方法などもあわせてご紹介します。
フライパンで作る! 「基本の親子丼」
忙しい時でもさっと作れる基本の親子丼です。
親子鍋が無くても、直径約18~20㎝のフライパンがあれば 1人分がちょうどよく作れます。
ご飯も冷凍しておくとより短時間で作れますね。
【材料】1人分
鶏モモ肉・・・80g
タマネギ・・・1/4コ
卵・・・2コ
サラダ油・・・大さじ1/2
[A]
水・・・大さじ3
醤油・・・大さじ2
砂糖・・・大さじ1と1/2
ご飯・・・200g
【作り方】
1. 鶏肉は余分な脂を取り除き、一口大(3~4㎝大)に切ります。タマネギは薄切りにします。
2. 卵は溶きほぐします。
3. フライパンにサラダ油を熱して鶏肉を入れます。菜箸で肉を返しつつ、色が変わったらタマネギとAを入れて約2分煮ます(弱火~中火)。
4. 2の半量を回しかけ、白身の色が変わり始めたら残りの2を回しかけて好みの半熟具合になるまで加熱します。
5. ご飯を器に盛り、4をのせます。
深めのフライパンを使うと、具がこぼれにくく煮やすいです。
鍋を横にスライドさせてご飯の上に具をのせるときれいに仕上がりますが、難しい方はシリコン調理スプーンなどを使って盛り付けるとよいでしょう。
ステップアップポイント!
・ 水の代わりに酒を使うとコクが出て風味良く仕上がります。
・ みりんがあれば、砂糖を小さじ2に減らし、みりんを大さじ2加えるとコクが出ます。
・ 2~3cm長さに切った三つ葉や、小口切りにした万能ネギなどを最後に散らすと色味がよいです。
・ ふたがあれば、調味液の蒸発を防ぎ、鶏肉に火が通りやすくなります。
鍋一つで簡単やわらか!「鶏手羽のさっぱり煮」
酢には疲労回復効果や肉を柔らかくする働きがあります。
煮物は冷めるとより味が染みるので、多めに作って翌日の味を楽しむのもおすすめです。
【材料】2人分
鶏手羽元・・・6本
ゆで卵・・・2コ(卵を約8分茹でたもの)
ショウガ(チューブタイプ)・・・約4~5cm
ニンニク(チューブタイプ)・・・約2~3cm
[A]
水・・・3/4カップ
酢・・・1/2カップ
醤油・・・大さじ3~
砂糖・・・大さじ3と1/2~
【作り方】
1. 鍋にショウガ、ニンニク、Aを入れて火にかけ、ひと煮立ちさせます。鶏手羽元を重ならないように入れます。
2. 落し蓋をして約10分煮ます(弱火)。
3. 鶏手羽元の上下を返し、殻をむいたゆで卵を加えて再び落し蓋をして約10分煮ます。途中で卵の上下を返すと色ムラなく仕上がります。
ステップアップポイント!
・ ショウガとニンニクは生のものをつかうと、さらに香りがよく仕上がります 。ショウガは12g、ニンニクは5gが目安です。ショウガは薄切りにして加えましょう。
・ みりんがある場合は、砂糖を大さじ3~に減らし、みりんを大さじ1~加えるとコクと照りが出ます。甘さの加減はお好みで変えてください。
・ ベビーリーフなどの葉野菜を添えると彩りがよいです。
鍋一つを使いまわして「回鍋肉(豚肉とキャベツの味噌炒め)」
基本の調味料で本格中華も! 今の季節、やわらかくて甘い春キャベツで作るのもおすすめの一品です。
鍋を洗わず使いまわすことで、時間とエネルギーの節約につながります。
【材料】2人分
豚バラ肉(薄切り)・・・100g
キャベツ・・・45g
ピーマン・・・1コ
長ネギ・・・10cm
サラダ油・・・大さじ1
[A]
味噌・・・12g
砂糖・・・小さじ2
醤油・・・小さじ2
水・・・小さじ2
ニンニク(チューブタイプ)・・・約2~3cm
コショウ・・・少々
【作り方】
1. 豚肉は5cm幅に切り、キャベツはザク切り、ピーマンは乱切り、長ネギは斜め薄切りにします。
2. フライパンにサラダ油を熱し、キャベツとピーマンを入れて全体に油が回ったら一度取り出します。
3. 同じフライパンに豚肉とニンニクを入れて炒めます。豚肉の色が変わったらAを加えてなじませます。2と長ネギを加えて混ぜ合わせます。
ステップアップポイント!
・ 生のニンニクを使う場合は、Aに合わせず、みじん切りにして豚肉と同じタイミングでフライパンに加えましょう。
・ ゴマ油を使うと香りが良くなり、より一層本格的な風味に!
・ 味噌と砂糖の代わりに、甜麺醤大さじ1/2、豆板醤小さじ1を使うとより本格的な味に仕上がります。
・ 水の代わりに酒を使うとよりコクが出ます。
おわりに
新生活を始める方向けにおすすめのそろえておくと便利な調理グッズや調味料、手軽にできるレシピをご紹介しました。
料理をするうちに、作りたいもの、作ってあげたい人が増える方もいるのではないでしょうか。そんなときは、紹介したもの以外にも、作る分量や食生活に合わせて道具や調味料を選んでみてくださいね。
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