実は簡単!? 自家製ぬか床で楽しむぬか漬け
みなさんは、ぬか床やぬか漬けと聞くとどのようなイメージを持たれますか? 毎日かき混ぜなければならずお世話が大変そう・・・など、面倒なイメージを持たれている方も多いかもしれません。でも、基本さえ押さえれば、失敗なく手軽に取り入れることができます。今回のコトコト小話は、自家製ぬか漬けを手軽においしく作る方法、ぬか床の作り方やお世話をはじめ、漬けすぎてしまったぬか漬けの食べ方など、野菜のぬか漬けに関するアレコレをご紹介します。
生で食べるよりも栄養アップ!? ぬか漬けの効果とは?
ぬか漬けは、ぬかと塩、水を混ぜて乳酸発酵させたぬか床に食材を漬けたもの。ぬか床に含まれる乳酸菌には腸内環境を改善する働きがあり、便秘解消や美肌効果、肥満や糖尿病のリスクを減らしたり、免疫力を高めて風邪の予防にも役立つなど、まだまだ寒い今の季節にうれしい効果がたくさん期待できるそうです。
また、ぬか床に漬けることでぬかの栄養分が野菜にうつり、野菜を生で食べるよりも栄養がアップするのだそう。さらに、ぬか床の乳酸菌や酵素の働きでアミノ酸やペプチドが生まれることで、野菜のうまみも増します。
おいしくって、なおかつ栄養豊富なぬか漬け。おうちでも楽しめるよう、まずは「ぬか床」の作り方からご紹介いたします。
基本の「ぬか床」の作り方
ぬか床は、昔は春や秋など、過ごしやすい季節に仕込み始めることが多かったようですが、現代では冷蔵庫で保存することで四季を通して楽しめるようになりました。基本さえ押さえれば簡単に作ることができます。お好みに合わせて乾物・スパイスを加え、自分だけのぬか床を作りましょう。
【材料】作りやすい分量
炒りぬかまたは生ぬか・・・300g
塩・・・45g
赤唐辛子・・・1本
昆布・・・約3g
お好みで 煮干し、干しシイタケ、山椒(乾燥)、ミカンの皮(乾燥)等・・・適宜
沸騰させた後に冷ました水・・・300ml~
清潔な保存容器・・・冷蔵庫に入る大きさのもの
【作り方】
1. 炒りぬかの場合は炒らずにそのまま使います。生ぬかの場合は、汚れや水気のないきれいな鍋に生ぬかを入れ、絶えず混ぜながら炒ります(中火)。香ばしい香りがし、色付いてきたらボウルに空けて冷まします。
2. 塩、赤唐辛子、昆布と、お好みで煮干し、干しシイタケ、山椒(乾燥)、ミカンの皮(乾燥)等を加えます。一度沸騰させて冷ました水を、軽く握って指の間からじんわりと染み出す程度まで加えます。
3. 保存容器に移し、表面を平らにします。涼しく温度変化の少ない場所(冷蔵庫の野菜室等)で保管します。
4. ぬか床は2~3日に1回、上下を返すように大きく混ぜます。作りたてのぬか床に漬けることを「捨て漬け」と呼びますが、風味が軽く、さっぱりとした味わいで食べられます。2~3日はこの捨て漬けを行いましょう。
できた「ぬか床」に野菜を漬けてみよう!
続いて野菜を漬けてみましょう。定番の野菜だけでなく、季節やお好みに合わせて、いろいろな野菜で試してみてくださいね。
【材料】
大根、人参、ショウガ、キャベツ等、季節に応じた野菜・・・適量
塩・・・適量
【作り方】
1. 野菜は洗って水気をふき、漬けやすい大きさに切ります。全体に薄く塩をすりこみます。押し込むようにしてぬか床に入れ、ぬか床の表面を平らにします。小さいものや薄いものは一晩、大きいもの、厚いものは数日で食べ頃になります。
2. 4~6週間の間、数種の野菜を入れ替えながら漬け続けることで、日ごとに熟成しておいしくなります。まさにぬか床が「育ってきた」と、変化を感じる楽しい期間です。また、この間にぬか床の水分量が変化するので、様子を見てお世話をします(お世話をする方法は後ほどご紹介します)。
こんな野菜もおすすめ!?
ぬか漬けというと、大根や人参などを思い浮かべるかもしれませんが、実はそれ以外にも、いろんな野菜でぬか漬けを楽しむことができます。例えば、ブロッコリーの芯やミョウガ、ゴボウなど、ぬか漬けのイメージがない野菜でも、実はおいしいぬか漬けになるのです。漬ける時にちょっとしたひと手間を加えることで、よりおいしく漬けることができますので、ポイントをご紹介しておきます。
ブロッコリーの芯・・・固い周りの部分は取って漬ける
ミョウガ・・・根元に切り込みを入れて漬ける
ゴボウ・・・固めに茹でてから漬ける
いろんな野菜で試してみて、ぬか漬けと相性のよい野菜を探してみるのも楽しいですね。ぜひ、ぬか漬けを生活に取り入れて、自分好みのぬか漬けを見つけましょう!
意外と簡単!? ぬか床の世話の方法
ぬか床は、清潔な手で扱うのが基本です。毎日混ぜなければいけないイメージのあるぬか床ですが、冷蔵庫の野菜室に保管していれば2~3日ごとに混ぜれば大丈夫です。混ぜた後は、空気を抜くように表面を平らにしておきましょう。
せっかく育てたぬか床、お世話して長持ちさせていきたいですね。ここからは、ぬか床によく起こりがちなトラブルと、その対処法をご紹介します。
こんな時どうするの?【水分が多い場合】
上の画像のように、表面に水が溜まったり、ぬか床が緩くなっていると、水分が多い状態だといえます。そんな時には以下のような方法を試してみましょう。
・ 昆布を足す
・ キッチンぺーパー等で吸い取る
・ 足しぬか(ぬかに約15%の塩を混ぜたもの)を加える
こんな時どうするの?【水分が少ない場合】
上の画像のように、表面が乾いていたり、ぬか床が乾燥している場合は、水分が少ない状態だといえます。そんな時には以下のような方法を試してみましょう。
・ 葉野菜など、水分の多い野菜を漬ける
・ 昆布だしを加える
・ 塩水(沸騰させた後に冷ました水に約15%の塩を混ぜたもの)を加える
ぬか床の状態を見て、水分を適宜調節していきましょう。
漬けるのをしばらく休む場合
長く家を空けるときなど、ぬか漬けを漬けない期間が続く場合は、一度ぬか床を休ませることができます。
野菜などの固形物を全て取り出し、できるだけ水分と空気を抜きます。表面に白く残るくらい塩をふり、重石とふたをして涼しいところで保管します。
再び漬ける場合は、表面の塩とともに一層を除き、昆布、赤唐辛子等を加えます。数回捨て漬けをした後、これまで通り使用することができます。
一度始めると毎日漬け続けなければいけないわけではなく、このように途中で休ませることもできます。これさえ知っていれば、気軽にぬか漬け作りを始めることができますね。
ぬか漬けの食べ方
食べ頃は野菜の大きさや種類にもよるので、まずは一晩漬けたものを食べてみて、漬かり具合の様子を見ましょう。
ぬか床から取り出した野菜は、食べる直前にぬかを洗い流します。水気をふいて食べやすい大きさに切っていただきます。
取り出した後のぬか床は表面を平らに整えておきましょう。
漬かりすぎて、しょっぱくなってしまったら・・・
ぬか漬けは漬かりすぎてしまうとしょっぱくなってしまい、塩分が足りなかったり、ぬか床が水っぽくなってしまうと、酸っぱくなったりします。けれど捨てるのはもったいないですね。そんな時、薄く切って流水で揉んだり、暫く水に浸けておくと塩味や酸味が緩和されますが、そのままでもおいしく食べられる方法をご紹介します。漬かり具合にかかわらず、趣向を変えて食べたい場合にもおすすめです。日々の食事に取り入れやすいので、ぜひ作ってみてくださいね。
食べ方その1 納豆に入れる!
細かく刻んで納豆に入れます。ぬか漬けの塩気が醤油の代わりになり、食感も楽しめます。さらにかつお節や、海苔と混ぜてもよいでしょう。
食べ方その2 豆腐にトッピングする!
ぬか漬けを薄切りにしてゴマ油を絡め、冷奴のトッピングにしましょう。これも、ぬか漬けの塩気が醤油の代わりになりますよ。
食べ方その3 おにぎりの具にする!
薄切りまたはみじん切りにしてすりゴマを混ぜ、おにぎりの具にします。おにぎりの中心に入れても、ご飯全体に混ぜてもよいですよ。
おわりに
自家製のぬか床で漬けたぬか漬けは、格別です。四季の食材を使った「ぬか漬け」、ぜひ気軽に挑戦してみてはいかがでしょうか。
東京ガスや私たち料理教室スタッフは、どんな時でも「食を通じて皆さまの幸せな生活」を応援します。次回もお楽しみに。
参考:農林水産省Webサイト
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