留守番をさせる前に、まずは準備が大切
子どもが大きくなってくると、子どもだけで留守番をする機会も増えてきますね。
しっかりしてきたと思っても、正しく判断したりとっさの時に慌てず行動するというのは難しいもの。
留守番を考え始めたら、しっかりルールを確認する、改めて防犯対策を見直すなどが必要です。注意すべきは防犯対策だけではありません。子どもだけで留守番をさせる際の注意すべき8つのポイントをご紹介します。
子どもだけの留守番、注意すべきポイントとは?
【注意すべきポイント 1】外出前に家中の窓や玄関の施錠確認をする
上のグラフの通り、空き巣の侵入手段として1番多いのはガラスを破っての侵入です。そして2番目に多いのが無施錠の窓や玄関からの侵入となっています。
普段から窓や玄関の施錠をしっかりとしておくことが大切ですが、特に子どもだけで留守番をさせる際には、外出前に家の中のすべての窓や玄関の施錠を確認するなどの徹底が重要です。
また窓の鍵が簡単に開かないようにする二重ロック構造のものや、後付け可能な補助鍵なども市販されています。これらを導入しておくと、侵入に手間がかかるため防犯性が上がり、より安心です。
上のグラフからは、侵入窃盗の犯罪が一戸建住宅も集合住宅(共同住宅)も同程度に発生していることがわかります。1階だけではなく、2階以上の階も窓や玄関の閉め忘れがないように注意してください。換気のための小窓などでも、腕が入る大きさがあればそこから開錠されてしまうことがあるため、子どもだけで留守番をする場合には閉めておいたほうが安心です。
また、普段から、親がいない時には窓を開けないように、お子さまに伝えておくことも重要です。夏場などは窓を開けずに、エアコンや扇風機などを使うようにルールを決めておくと良いですね。事前にエアコンや扇風機の温度・風量の設定やタイマー設定などの使い方を一緒に確認しておきましょう。
お子さまが少し大きくなると、お手伝いになると思い、洗濯物を取り込もうとベランダや庭に出る、ということもあるかもしれません。ベランダや庭から洗濯物を取り込み、居室に戻った際に施錠を忘れてしまう可能性もあります。念のため、ベランダや庭への出入りについてもルールを決めておくと良いでしょう。
上のグラフからわかるように、住宅への侵入は不在時(空き巣)に限りません。在宅時の侵入被害も侵入窃盗被害の中で全体の約25%あることがわかっています。
在宅時にガラスが割れるような物音がした場合には、その場所に駆け付けるのではなく、まずは音から遠いほうに離れて様子をみるように決めておくのが良いでしょう。
万が一、侵入犯と家の中で鉢合わせしてしまうとお子さまが危険な目にあうかもしれません。相手を刺激しない、気づかれていない場合は隠れる・逃げるなど、事前に万が一のときの対応を親子で話し合っておきましょう。命を守ることを最優先に行動することが大切です。
【注意すべきポイント 2】インターホンには応答しない
親の知人や配送業者などを装って、自宅のインターホンで呼び出して玄関を開けさせようとするケースがあります。お子さまでは、それが本当に知人や配送業者であるのかを判断するのが難しいこともあるかもしれません。そのため、子どもだけでの留守番の際には、インターホンに出ずに居留守を使うことがおすすめです。
最近では誰が訪ねてきたのか、応答しなくても確認できるモニター付きのインターホンを設置されているご家庭もあると思います。その際は、必ずモニターで人の顔や制服などを確認してから、確実に知人や配送業者である場合のみ玄関を開けるように決めておくのが良いでしょう。
事前にお子さまと「おじいちゃんやおばあちゃんが訪問してきた場合のみ玄関を開ける」「インターホンが鳴っても一切対応しない」などルールを決めておくことが重要です。
【注意すべきポイント 3】自宅の固定電話に応答しない
子どもだけで留守番をしているときに、自宅の固定電話に電話がかかってくることもあるかもしれません。その際に、「お母さん(お父さん)はいません」と電話口で答えてしまうと、子どもだけの留守番であることが通話の相手にわかってしまい、侵入窃盗しやすい家と考えられて、狙われてしまうことがあるかもしれません。
そういったことを防ぐためには、お子さまが自宅の固定電話に出ないルールにしておくことも大切です。固定電話を留守番電話の設定にしておけば、用件のある人であればメッセージを残すのでかけなおすことで対応ができます。また、登録している番号であれば名前が表示されるような機種もあるので、名前が表示されている電話のみ対応する、としておくのもいいかもしれません。
うっかり電話に出てしまった場合のために、「お母さん(お父さん)は出かけていて今は家にいません」ではなく「お母さん(お父さん)は今忙しくて電話に出ることができません。こちらからかけなおします。」などと答えるように練習しておくのもいいかもしれませんね。
固定電話の機種によっては、携帯電話等へ転送できる機能付きのものがあるので、そういった機能を活用するのもおすすめです。
また、固定電話の前に親子で決めた電話の対応のルールを紙に書いて貼っておくのも、お子さまが電話に出てしまった場合に役立つかもしれません。事前の準備が大切ですね!
【注意すべきポイント 4】子どもから親に連絡がとれるようにしておく
少し早いと感じるかもしれませんが、いざという時のために子ども用の携帯電話を用意しておくのもおすすめです。子どもでも専用の携帯電話であれば、電話をかける相手を限定することもできますし、親からも直接お子さまに連絡が取れるので安心です。また防犯ベルを兼ねているものもあるので、外出の際の防犯にも役立ちますね。
また、室内の様子が見えるようにネットワークカメラのようなシステムを導入すれば、室内で過ごすお子さまの様子を必要な時に親が確認できるので安心です。機種によってはお互いに話しかけることで通話をすることができるものもあり、とても便利です。
【注意すべきポイント 5】帰宅の際は周囲を確認してから家に入る
朝からずっと自宅で子どもが留守番をするケース以外にも、学校や習い事から帰ってきてから子どもだけで留守番をすることも考えられます。
その際には、自宅に誰もいないことを周囲に知られないことが重要です。お子さまが鍵を開けて自宅に入る場合には、玄関前で手早く鍵を出し、鍵を開ける前に後ろを振り返るなどして、周りに人がいないかを確認してから家に入るようお子さまと確認しておくといいでしょう。
また、家に誰もいなくても玄関先で「ただいま」と声を出すことも、家の中に誰かいると思わせることができるため有効な方法です。
【注意すべきポイント 6】チャイルドロックなどを活用する
防犯対策ももちろんですが、子どもだけでの留守番の際には火の元についても注意が必要になります。留守番をしている間に火事などが発生することがないよう事前に準備しておきたいですね。
まず、ライターやマッチなど、火がでるものをお子さまの手の届かない場所や分かりにくい場所にしまいましょう。普段意識せずに置いてしまうことがあるので、改めて注意が必要です。
また、ガスコンロやIHコンロなどの調理器具については、お子さまがスイッチを入れて加熱できないようにするためのチャイルドロックがついている機種もあるので、是非、外出前にチャイルドロックの確認をしましょう。
【注意すべきポイント 7】万が一に備えたグッズをわかりやすい場所に置く
子どもだけで留守番しているときに災害が起こる可能性もあります。万が一に備えて、その場合の準備もしておくと安心です。防災グッズの入った防災袋や停電になった際に役立つ懐中電灯など、日中お子さまが過ごすエリアに置いておきましょう。
その際には電池切れがないか、非常食の期限が切れていないかなどをあわせてチェックしておきましょう。また災害が起こってしまった場合を想定し、事前に災害が発生すると起こりうることや、避難場所などを親子で話し合っておくと良いですね。
【注意すべきポイント 8】自宅の防犯対策を見直す
子どもだけで留守番する場合に備えて、事前に自宅の防犯対策を強化したり見直したりしておくと安心です。例えば、防犯カメラや非常ベルを数か所に設置しておいたり、庭や裏口などに人を感知すると光るセンサーライトを取り付けたり、歩くと大きな音がする防犯砂利を通常人が歩かないような場所に敷くなどがあります。
また、玄関や窓の開閉などを、外出先にいてもスマホに知らせてくれるようなセキュリティサービスに加入するのもおすすめです。
子どもの年齢により不安要素は変わる!?
東京ガス都市生活研究所の調査では、子どもの年齢により親が抱く不安要素は異なることが分かりました。小学生をもつ親は子どもだけで在宅している時の家の状況が心配と答える人が未就学児や中学生を持つ親よりも高く出ており、安心して留守番ができる環境が求められていることがうかがえます。
小学生ともなると通学も1人でするようになったり、自分でできることも多くなってくるので、防犯対策の見直しは、お子さまが小学校に入学する前後で行うのがいいかもしれませんね。
おわりに
日常的に窓や玄関の施錠や、自宅の防犯対策をしておくことはとても重要です。お子さまが1人で留守番をするようになると、さらにその必要性は高まってきます。自宅周りの防犯対策を見直して、子どもだけでの留守番の時間をより安心できるものにしたいですね。
出典:警察庁「平成30年の刑法犯に関する統計資料」
出典:警察庁「住まいる防犯110番」