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ガラスと鉄のいいトコどり! 琺瑯(ほうろう)のメリットと使い方

独特の風合いがおしゃれな琺瑯(ほうろう)。ケトルや鍋、食器や保存容器などキッチンでよく見かける身近な素材ですが、琺瑯には一体どんな特徴があるのでしょう? ガラス容器やプラスチック容器と比べて何がどう違うのか、琺瑯のメリットや扱い方、琺瑯の活用法などをご紹介します!

最終更新日:2024.10.1

目 次

おしゃれで機能的! 琺瑯(ほうろう)とは? メリットは?

琺瑯のカップ

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琺瑯(ほうろう)は、金属(鉄、アルミなど)の表面にガラス質の釉薬(ゆうやく)を焼き付けたもの。金属のようでもあり、磁器のようでもある独特の質感は、この構造によって生み出されています。

その歴史は古く、紀元前1300年頃につくられた古代エジプト・ツタンカーメン王の黄金マスクが最初期のものといわれています。

日本に伝わったのは飛鳥時代。江戸時代には装飾品としてふすまの引手や刀のツバ、印籠などに使われていましたが、近代になってから鉄のサビ止めとして応用されるようになり、身近な生活素材になりました。

【琺瑯のメリット1 耐腐食性】酸や塩に強い

琺瑯の中で漬物

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琺瑯は、酸や塩分に対して、強い耐久性を持っています。

そのため、貯蔵や醸造などの容器としてよく使われます。金属の器では錆びたり腐食してしまう味噌、梅干の保存のほか、塩分のあるぬか床を長期保存しておく容器としても適しています。

耐薬品性にもすぐれているので、理化学用品としてもよく使われています。

【琺瑯のメリット2 耐熱性】熱に強い

琺瑯の鍋

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琺瑯は金属の素地をガラス質でおおったもの。直火にかけられ、オーブンにも直接入れられます。

ちなみに琺瑯には、鋳物をガラスでおおった「鋳物琺瑯(いものほうろう)」と、鋼板にガラス質を吹き付けた「鋼板琺瑯(こうばんほうろう)」があります。

「鋳物琺瑯」はどっしりとした鍋などでよく見かけます。こちらは熱の伝わり方がゆっくりな分、保温性にすぐれます。

「鋼板琺瑯」は軽く、食器や調理器具などによく使われます。こちらは熱伝導率がよく冷却性もいいので、食品の粗熱を取るバットや、作り置き食材の保存容器などに適しています。

【琺瑯のメリット3 非吸着性】においがつきにくい

塩きのこ

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琺瑯の表面は、ガラス。ガラス質は中性かつ不活化性のため、内容物と化学反応を起こすことがありません。

表面がつるんとなめらかで吸着しにくい性質(非吸着性)を持っているため、マリネなどを漬け込んでおいてもニオイがつきにくいのです。

硬度もあるため傷がつきにくく、汚れやにおいがつきにくい、雑菌が繁殖しにくい、汚れ落ちがいいなどのメリットも。プラスチック容器に入れるとにおいや油のヌルつきが残る食材も、琺瑯ならスッキリです。

強いニオイがある「ぬか床」の保存容器としてよく使われるのも納得ですね。

【琺瑯のメリット4 安全性】有害な物質を使っていない

琺瑯のやかん

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琺瑯が欠けたり、剥がれたりしてしまうと、体に有害なものが出てしまうのでしょうか?

答えはNO!

琺瑯の表面が剥がれても、出てくるのは鉄。有害物質が発生することはないそうです。

【琺瑯のメリット5 装飾性】発色がきれい

琺瑯の器

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ガラス質に着色ができるため、美しい色あいが楽しめる琺瑯。食器や調理器具のほか、システムキッチンや建物の外壁、看板にも多く使用されています。

琺瑯のお手入れ方法とNGな使い方

琺瑯の鍋と食器洗い

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琺瑯のお手入れは簡単。中性洗剤と傷のつかないスポンジで洗い、水気をよく拭き取り乾燥させるだけです。乾燥させることがサビの防止につながります。

アルカリ性洗剤(食器洗浄機専用洗剤など)や塩素系漂白剤は、琺瑯の表面のツヤを損ない劣化を早めることもありるため、使用する際はご注意を!

金属の調理器具はNG!

琺瑯の鍋

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アルミ製、ステンレス製の調理器具(お玉、ヘラ等)を使うと、黒っぽい跡が琺瑯に付くことがあります。

これは金属の硬度が琺瑯より低いため、金属が削れて琺瑯に付着してしまうから。

お玉、ヘラなどの調理器具は木製やシリコン製がおすすめです。

焦げをこするのはNG!

汚れのついた琺瑯の食器

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琺瑯の皿や鍋などについた焦げつきは、こすらずに浮かせて取ります。

1.焦がした鍋にぬるま湯を入れる。
2.大さじ1の重曹を入れ、かき混ぜる。
3.食用油を少量(2~3滴)加える。
4.鍋を火にかけ、沸騰したら火をとめる。
5.そのまま数時間置き、冷めたら流してスポンジで洗う。

焦げがひどい時には、1~5を何度か繰り返します。ただし、琺瑯のツヤが損なわれる場合もあるので、まずは焦がさないようにすることが大事ですね。

落下や強い衝撃はNG!

落ちている琺瑯のやかん

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琺瑯は表面がガラス質なので、衝撃や落下があると欠けたり割れたりすることがあります。

欠けた箇所は鉄地(にぶい銀色)が露出することも。このような箇所は水分や酸、塩分がついたままの状態になるとサビが出やすくなります。

鉄サビなので有害ではありませんが、使用後は水分を切ってしっかり乾燥させて使いましょう。

電子レンジはNG! IHクッキングヒーターも使えない可能性が!

電子レンジで加熱する

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琺瑯は金属で成型されています。オーブンの使用はOKですが、電子レンジでは使えません。IHクッキングヒーターも使えないケースがあります。琺瑯容器の取扱説明書にIHクッキングヒーター対応と記載があるかどうか確認しましょう。

急冷はNG!

コンロ

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熱に強い琺瑯ですが、アツアツに熱した琺瑯を冷水に浸けると、急激な温度差でガラス質をいためてしまうことがあります。

食器から看板まで、琺瑯の使いみちはさまざま

琺瑯製の看板

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琺瑯は鉄とガラスがしっかりと結合し、密着しています。

そこから生み出される耐久性、耐摩耗性、非吸着性、硬度は、琺瑯の使いみちを多彩に広げています。

【琺瑯の用途1】冷蔵・冷凍保存容器、貯蔵容器に

作りおきの料理

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酸や塩分に強く、冷却性がよくて、油分やにおいを吸着しにくい琺瑯。

食材や料理を選ばないため、保存容器として最適です。冷蔵はもちろん冷凍まで対応できるのもうれしい点! 重ね収納ができるものを選ぶと、冷蔵庫もすっきり整理できます。

表面が硬く雑菌が繁殖しにくいため、ぬか床の容器として琺瑯をご指名買いする人も多数!

【琺瑯の用途2】鍋、オーブン皿に

キッシュ

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熱に強い琺瑯は、鍋ややかんなどの日常使いのほかに、オーブン調理も得意。

琺瑯のグラタン皿やキッシュ皿は、下準備をしてオーブンに入れ、そのまま食卓へ直行できるのがうれしいポイントです。

【琺瑯の用途3】ガーデニング用品、建材・看板に

ガーデニング

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発色が美しく、ほっこりとしたやさしい風合いがある琺瑯は、花器やガーデニング用品としても人気です。

琺瑯のマグカップに切り花を入れておくだけでも、絵になるのがうれしいですね。

おわりに

そこに置いてあるだけで、独特の存在感がある琺瑯。ステキな見た目もさることながら、すぐれた機能性に惚れ直してしまいますね。強くて、やさしくて、美しい、普段づかいにもおもてなしにも重宝する琺瑯。暮らしをきちんと楽しみたい人にこそ、おすすめのアイテムです。

参考:野田琺瑯株式会社「ほうろう(琺瑯)について」

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公開日:2020.4.22

最終更新日:2024.10.1

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