冬になると空気が乾燥するのはなぜ?
冬になると空気がカラカラに乾燥します。これは、空気中の水分量(湿度)が温度の影響を受けるからなんです。
空気中の水分は、温度が低いと気体のままではいられず、液体化しやすい性質があります。寒い冬に窓が結露するのは外の温度が低いため。冷やされた水分が液体化し、結露として窓ガラスに残るんです。
逆に温度が上がると気体になりやすくなります。例えば、水の温度を上げていくとどんどん気化していき、100度になるとすべて気化します。
このように、温度が高いと空気は水分を多く含むことができますが、温度が低いと空気中に含む水分が減ります。余った水分は気体の状態でいられず、液体化して「結露」などの状態で出てきてしまうのです。
同じ湿度50%でも、夏の30℃・50%と冬の5℃・50%では、空気中に含まれる水分量はまったく違うのですね。
乾いた空気をエアコン暖房で暖めるとさらに乾燥してしまう!
こちらは東京ガス都市生活研究所の調査で「冬のある日のエアコンで暖房している部屋の温度湿度」を調査したもの。
水分が少ない冬の空気をエアコンの暖房で温めると、湿度が一気に下がって乾燥することがわかりますね。
最近の住宅は高気密といわれますが、24時間換気システムを通して、冬は外から水分が少ない空気が家の中に入ってきます。またエアコンは、外気を取り入れて暖め、室内に温風を吹き出します。この調査からも、冬の室内では意識して加湿する必要があることがわかりますね。
乾燥していると体感温度が下がってしまう!?
春と秋で体感温度を比べてみると、同じ温度でも春のほうが暖かく感じませんか?
日本は季節風の影響で、春から夏にかけては湿った風が吹き、秋から冬にかけては乾いた風が吹きます。そのため、たとえ同じ気温であっても秋~冬は暖かさを感じにくくなる傾向にあるのです。
同じ室温であれば、湿度が低い方が寒く感じます。理由は湿度が低いと空気が乾燥し、身体の表面の水分を奪うためです。その際、気化熱で身体の表面の温度が下がり、寒いと感じるんですよ。
空気が乾燥しない暖房といえば「ガスファンヒーター」
石油ストーブやガスファンヒーターなど、炎を熱源とする暖房器具は、燃焼するときに水蒸気が発生するため、室内が乾燥しにくいという特長があります。
ガスファンヒーターは、ガス栓にガスコードをつなぐだけで手軽に設置ができます。都市ガスはコードから常時供給されるため、燃料を補充する手間がいらず、燃料タンクもないので軽量でコンパクトです。
スイッチオンから約5秒で温風が出て、すぐにお部屋が暖まることも魅力ですね。
風を起こさない暖房といえば「床暖房」
床暖房は風を起こさないので、ホコリや花粉、ペットの毛、ハウスダストを舞い上げにくく、小さいお子さんのいるご家庭にもおススメです。
気になる床暖房。ガス温水式と電気ヒーター式との違いは?
床暖房にはガス温水式と電気ヒーター式があります。
ガス温水式(循環式)は、ガスで温水を作り、それを床仕上げ材の下に敷設した温水マットなどに循環させて暖めます。電気ヒーター式は、床仕上げ材の下に電気ヒーターを敷設し電気を通して発熱させて暖めます。
初期導入費は温水式よりヒーター式の方が安くなる傾向にありますが、ガス温水式はスイッチを押してから暖まるまでがスピーディーで、低温やけどのリスクが低いというメリットがあります。
上の図は立ち上がりまでの時間を比較したもの。ガス温水床暖房は、スイッチを押してから約30分であたたかくなります。一方、電気式ヒーターは、床温度がガス温水床暖房と同じ温度になるのに約100分かかります。
加えて、ガス温水式の場合、1台の熱源機で複数部屋に設置も可能です。
電気式の床暖房は立ち上がり時に大きな電流量が必要になり、契約電力を大きくする必要があることも多く電気代(基本料金)が高くなることも。
また、ガス温水床暖房は、室温と床温の温度差によって放熱するため、閉塞箇所の温度があまり高くならず、快適で低温やけどの心配が少ないのもメリットです。
床暖房は家族団らんにも一役買ってくれます
快適な床暖房のある部屋には、家族が自然に集まってきます。一緒に本を読んだり、リラックスするパパの隣で子どもたちがおもちゃで遊んだり、家族そろってごろりと横たわったり・・・。団らんの時間が増えますね。
部屋全体が暖まるため、毎日の生活が活動的に。コタツに入りっぱなしになったり、小さなホットカーペットの上でじっとしている必要もありません。
おわりに
肌の老化やかゆみ、感染症のリスクなど、「乾燥」がもたらす弊害が年々クローズアップされるようになってきました。暖房は冬の間ずっと使うもの。できるだけ家族の体にやさしいものを選びたいですね。乾燥しづらいガスファンヒーター、風を起こさずにお部屋全体をぽかぽかにしてくれる床暖房。どちらも寒い冬を快適に過ごすための強い味方ですね。