太陽光発電の2019年問題、「卒FIT」とは?
住宅用太陽光発電の国内における普及率は、2018年度で6.0%(※)程度だそう。屋根の上にソーラーパネルを設置しているご家庭が身近にもあるのではないでしょうか。
そんなご家庭の間でいま最も話題となっているのが「卒FIT後をどうするか」。太陽光発電の「2019年問題」ともいわれているほど、注目を集めています。
もともと太陽光発電で発電した電気は、自家消費をしたあとの残りの電力(余剰電力)を電力会社が買い取っていました。
さらに2009年、太陽光発電をより早く普及させるために、余った電力を高値の固定価格で売電できる「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」(FIT制度)が開始。これによって、ソーラーパネルなどを設置する費用を、より早く回収できる仕組みになりました。
ただし、FIT制度の固定価格買取期間は10年間。2009年11月からFIT制度の適用を受けている方は、10年後の2019年11月以降に、買取期間を順次満了(卒FIT)していくことになります。このため「卒FIT」後に「余った電力をどうするか」が、話題となったのです。
※出典:富士経済「2018年版住宅エネルギー・サービス・関連機器エリア別普及予測調査」
FIT開始当時は48円。年々下がってきた買取価格。
高額な買取価格が注目されたFIT制度。制度開始直後の2009年に導入した人は48円もの高値がついていましたが、その後は新たにFIT制度の適用を受けた際の電気の買取価格は、年々下がり続けてきました。
その背景には、FIT制度が太陽光発電を普及させるための「ブースター」としての意味合いが強かったことがあります。
FIT制度の目的は、あくまで太陽光発電の普及。普及に伴い太陽光発電の初期投資額が下がると見込まれたことから、制度開始当初からFIT制度の買取価格も年々引き下げられることは予定されていました。そして、予定通り価格は引き下げられ、10年後の2019年度には当初の半額の24円となっています。
FIT終了後、余剰電力はタダになってしまう…!?
FIT制度終了後も、電力の買い取り自体は、なくなるわけではありません。
FIT制度が開始された2009年以前も、ソーラーパネルを設置したご家庭は、余剰電力を電力会社に買電単価と同程度の価格(24円程度)で売電をしていました。FIT制度終了後も、余剰電力を電力会社に買い取ってもらえる仕組みそのものは続きます。
「それなら、FIT制度が終ってもそのままにしておけばいいのでは?」と思うのは早計です。
買取期間の満了後も契約が自動継続となっている場合は、新しい単価で継続して買い取りが行われます。ところが、契約が自動継続となっていない場合は、いずれかの小売電気事業者と買取契約を結ばない限り、買取者が不在となってしまうため、余剰電力は一般送配電事業者が無償で引き受けることになってしまうのです。
しかも、新たに小売電気事業者と契約を結ぶには一定の期間が必要。だからこそ、卒FITの時期がわかったら、なるべく早めに何らかの手立てを打たないと、せっかくの余剰電気が思った以上に安い価格や、タダ同然で引き取られてしまうことになり兼ねないんです。
卒FIT後の選択肢(1) 蓄電池に切り替えて自家消費する
自家消費とは、これまで電力会社に売っていた電気を、自宅での消費にあてること。
太陽光発電の場合、昼間に発電した電気を蓄電池や電気自動車などに貯めておけば、夜間や災害などの停電時に蓄えておいた電気を使うことができます。
また、電気自動車は充電することで、自動車の動力として使えるだけではなく、家庭の電気製品などの電力としても使用することができるタイプもあるため、電気を無駄なく使える手段としても注目されています。
卒FIT後の選択肢(2) 買取電力会社を見直す
東京電力は2019年6月、FIT制度満了後の買取価格を1kWhあたり8.5円と発表。大手電力各社も続々と買取価格を発表しました。
FIT制度満了後は、基本的にさまざまな電力会社に買い取りを依頼することができます。さまざまな電力会社の買取メニューを比較して、ご家庭に合ったプランを選びましょう。
東京ガスは、太陽光発電した電力の買取価格が業界トップクラス!
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※買取単価には非化石価値および消費税等相当額を含みます。なお消費税率は10%で計算しています。
※買取単価は今後見直しとなることがあります。
おわりに
FIT制度を利用している人には、いずれ必ずやってくる「卒FIT」。卒FIT後はさまざまな選択肢がありますが、とにかく一番もったいないのは、そのままにしておくこと! せっかくの余剰電力が安値や「タダ」になってしまうことのないように、早め早めにリサーチ&手続きをはじめましょう。