ここから本文です。

「お出かけ前にシュッ」はNG!? 「大切なモノの寿命を延ばす防水スプレーの使い方」

大切な靴、鞄、小物などを雨だけではなく、汚れから守ってくれる防水スプレー。とても便利なアイテムですが、様々な成分の商品があるため、初心者はどれを選び、使用すればいいのかわかりづらいもの。そこで、防水スプレーの選び方やより効果的な使い方を家事アドバイザーの毎田祥子さんに聞きました。

最終更新日:2023.5.18

目 次

防水スプレーは「フッ素系」と「シリコン系」の2種類

ーーひとくちに防水スプレーといっても、いくつか種類があります。家庭で使う場合、どのタイプのものを選べばいいのでしょうか

毎田 祥子さん

uchicoto

毎田:シューズショップやドラッグストアに行くと、数種類並んでいますよね。防水スプレーは大きく分けると「フッ素系」と「シリコン系」があり、パッケージにはそれぞれ「皮革用」「衣類・布用」「金属用」など用途が記載されています。

防水スプレー

uchicoto

ーー意外と種類があるんですね。初心者はどれを選べばいいのか迷ってしまいます。

毎田:確かに、国産・外国産とかなりの種類がありますから、迷ってしまうかもしれません。私がオススメしているのは、ある程度オールマイティーに使えるフッ素系の防水スプレー。多くのシューズショップで販売されていますし、値段も千円前後とお手頃です。

「フッ素系」と「シリコン系」の特徴ですが、フッ素系は繊維をコーティングすることで撥水します。フッ素樹脂加工のフライパンをイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。

一般的な防水スプレーの多くはフッ素系。適度に通湿性がありますから、皮革製品にも使用できます。ただし、距離を空けて使用しないとシミになることがあるため、注意が必要です。油をはじく効果もあるので、防汚効果も期待できます。

水滴の画像

PIXTA

シリコン系は、対象物を包んでバリアを作るイメージです。撥水効果が強い代わりに透湿性を損ない蒸れやすくなるので、衣類には適していません。用途は傘やレインコートなどでしょうか。

ーースニーカーや衣類であればフッ素系ということですね。革靴やスウェードに使っても問題ないのでしょうか?

毎田:パッケージに革製品や布地にも使えると記載されていれば、革靴にも使えます。

ただし、先ほども説明したように皮革製品はシミになる可能性がありますから、十分気をつけてください。高価なものや大切なものは購入したお店で相談してみましょう。スウェードも専用の防水スプレーをオススメします。

【使い方のコツ】パッケージに記載の「注意事項」は必ず確認

ーー防水スプレーを使用するときの注意点を教えてください。

毎田:防水スプレーには撥水効果だけではなく、防汚効果もあります。対象物が新品なら問題ないのですが、すでに使用しているものであれば、必ず汚れを落としてから吹きかけましょう。汚れの上からコーティングをすることになってしまいますからね。

ーー防水スプレーを吹きかける対象物の距離は?

毎田:防水スプレーのパッケージに記載されている距離を守ってください。皮革製品は距離が近すぎるとシミになりやすいですし、スニーカーや衣類も距離が遠すぎると本来期待できる防水スプレーの効果が薄くなってしまいます。ポイントは、適切な距離を保ちつつ、全体に満遍なく吹きかけること。あとは、しっかり乾燥させることですね。

スニーカーに防水スプレーを吹きかける

uchicoto

ーー雨の日の朝、シュッと吹きかけてからすぐに出かけるような使い方ではダメなのですか!?

そうです。防水スプレーは、吹きかけてからしっかり乾燥させることで効果を発揮します。雨の日の朝、シュッと吹きかけてからすぐ出かけると、コーティングされる前に雨水が染み込んでしまいます。

商品や対象物によって異なりますが、早いもので15分、8時間の乾燥が必要なものもあります。ですから、前もって防水スプレーを吹きかけ、乾かしておきましょう。

室内で使用するのもNG。“スプレー噴霧粒子を吸い込むと有害””必ず屋外で使用””必ずマスク着用”などといった記載もよく読んでから使いましょう。

スプレー缶の注意書き

uchicoto

ーー防水スプレーを使用する頻度の目安は、どのくらいでしょうか?

毎田:靴の場合、その靴を履く頻度によります。週に1回履くような靴であれば、月に1回防水スプレーを吹きかければいいでしょう。重ねて吹きかけたほうが効果的と思っている方もいますが、基本は1回で構いません。

毎日履くような靴は月に数回防水スプレーを拭きかけたほうがいいかもしれませんが、そもそも靴を長持ちさせたいのであれば、毎日履かないほうがいいんですよね(笑)。

一度履いたら、2〜3日は空ける。お仕事で毎日革靴を履くような営業の方は、2〜3足でローテーションするといいですね。シューキーパーを使用することで、型崩れも防げますよ。靴を買ったら、まず防水スプレーを拭きかけてしっかり乾燥させる。汚れてきたら、きれいにしてまた防水スプレー。そうすれば汚れにくく、もし汚れても落としやすい靴になります。

革靴に防水スプレーを吹きかける

uchicoto

最も大切なのは、雨の後のケア。柔らかい布を水で濡らして固くしぼり、水分と泥汚れを拭き取ってください。それでも汚れが落ちない場合は、皮革製品は皮革用のクリーナー、布や合成繊維なら中性洗剤などを使用して汚れを落としてから乾燥させ、防水スプレーを拭きかけましょう。

【使い方のコツ】防水スプレーは傘や鞄にも使える

傘に防水スプレーを吹きかける

uchicoto

ーー靴以外に防水スプレーを拭きかけたほうがいいものはありますか?

毎田:防水スプレーは傘や鞄などの小物もオススメです。傘自体に撥水加工がしてあるため、靴のように必ずしも新品の状態で拭きかける必要はありませんが、長く使いたい方は防水スプレーを拭きかけ、しっかり乾燥させることでより長持ちします。

長く使っている傘は撥水加工が落ちてきますし、キズや汚れがつきやすくなります。防水スプレーを使用することでまた新品同様になるんですよ。

ーー確かに、傘は長く使っていると雨水を弾かなくなりますよね。靴と同じように、適切な距離で防水スプレーを拭きかければいいのでしょうか?

毎田:はい。傘を開いた状態で防水スプレーを吹きかけ、しっかり乾燥させてください。鞄も同様に防水スプレーを吹きかけ、しっかり乾燥させればいいのですが、皮革製品やブランドもののバッグは要注意。繰り返しになってしまいますが、シミになりやすいですし、変色することもあります。

雨の日のリュックは傘をさしても濡れやすいので、ナイロンやコットン素材のものは防水スプレーを吹きかけましょう。

おわりに

毎田さんによると、小さいお子さんがいる家庭は汚れを落としやすくする目的で靴や鞄に防水スプレーを吹きかけるといいそうです。子供の靴や鞄は汚れやすいため、防水スプレーでコーティングしておくことで汚れが落としやすくなるのだとか。

また、Tシャツに防水スプレーを使用する方がいるそうですが、これはNG。防水スプレーでコーティングすると蒸れやすくなるだけではなく、皮膚が弱い方は肌荒れを起こしてしまうことも。

・防水スプレーはオールマイティーに使えるフッ素系のスプレーがオススメ
・対象物に適切な距離で吹きかけ、しっかり乾燥させる。室内では使用せず、吸い込まないように注意
・シミになりやすい皮革製品には注意が必要

以上、3つのポイントを押さえて防水スプレーを使用することで、靴や傘、鞄などをより長持ちさせることができます。すでに使用している方も、今まで使用したことがなかった方も、防水スプレーのより効果的な使い方をお試しください。

  • この記事取材先プロフィール

    毎田祥子

    家事アドバイザー

    毎田祥子

    著書「正しい目玉焼きの作り方:きちんとした大人になるための家庭科の教科書(14歳の世渡り術)」、「『忙しいのにきちんとしてる』と言われる人の31のルール」等。メディア出演多数。

    もっと見る
SNSでこの記事をシェア
FacebookX(旧Twitter)LinenotePinterest

コピーされました

公開日:2019.9.5

最終更新日:2023.5.18

※この記事に含まれる情報の利用は、お客様の責任において行ってください。
本記事の情報は記事公開時のものであり、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご注意ください。
詳しくは、「サイトのご利用について」をご覧下さい。

同じカテゴリの記事

広告)東京ガスのガス機器スペシャルサポートキャンペーン
広告)おうちの機器なら東京ガスの機器交換におまかせ!

お気に入り追加

追加した記事は、お気に入り一覧でご確認いただけます。