【食育が必要な理由とは】子どもたちを取り巻く食文化の乱れ
この十数年、社会の変化に伴い食の簡便化が進み、家庭の食生活や食習慣が激変しました。それらは子どもを取り巻く食環境にも大きく影響を及ぼしています。
インスタント食品やコンビニ弁当が一般的になる中、生活力の不足も懸念されています。
「味覚の一週間」は、フランス生まれの味覚教育(食育)
1990年当時フランスでも、子どもたちを取り巻く食文化の乱れが深刻な問題となっていました。
次世代を担う子どもたちに、「フランスの食文化をきちんと伝えよう」という料理評論家でジャーナリストのジャン=リュック・プティルノー氏の思いを原動力とし、パリのシェフたちが一緒になり、「味覚の一日」を1990年に開催。子どもたちが五感を使って味わうことの大切さや楽しさを体験できる様々な食育活動を開始しました。
その2年後には10月第3週が「味覚の一週間」に制定され、年々その活動をフランス全土へと広げていき25年以上。毎年16万人以上の子どもが参加しています。
日本でも2011年より日本版「味覚の一週間」スタート
日本では2011年より日本版「味覚の一週間」®が本格的にスタートしました。
フランス、日本の両国で、「味覚の授業」®・「味覚の食卓」・「味覚のアトリエ」の3つの中心的活動により、子どもたちが五感を使って味わうことの大切さや楽しさを体験できる様々な食育活動を行っています。
味覚レッスンと調理実習「味覚のアトリエ」
1992年から子どもたちの「五感の育成」と「環境に配慮した食の自立」を目標として食育活動を開始し、今年で25周年を迎えた東京ガスも、「味覚の一週間」®に協賛しています。
期間中、東京ガス主催で「味覚のアトリエ」と題し、著名なシェフによる特別料理教室などを開催しています。
子どもの感覚を目覚めさせる「味覚のレッスン」
五感について確認しながら、味覚については4つの基本味(「塩味」、「酸味」、「苦味」、「甘味」)に、日本に根付き、第5の味と言われる「うまみ」を加えた5味についての知識や味わうことの楽しみに触れる体験型学習です。
五感を研ぎ澄ませて味わい、おいしさの多様性を知ります。
五感で感じ取りながらの「調理実習」
調理実習では、加熱中の食材の色や香り、かたさの変化などを、五感で感じ取りながら作ります。
講師サイン入りのディプロム(終了証)ももらえます。
「味覚のアトリエ」に参加した子どもの変化
「味覚の一週間」の「味覚のアトリエ」に参加した子どもと保護者にアンケートを実施した結果、子どもは「味覚のアトリエ」に参加したことで、参加前よりも調理に興味をもつようになることがわかっています。
おわりに
五感を使って味わうことの大切やさ食の楽しみを体験できる様々な取り組みが実施されていますので、ぜひ注目してみてください。
*「味覚の一週間」、「味覚の授業」およびそのロゴは「味覚の一週間」®実行委員会の登録商標です。
*出典記載のない画像に関しては、東京ガス「味覚のアトリエ」パンフレットより