ガスコンロの火が赤い! すぐ確認すべきことは?
料理をしている途中にガスコンロの炎が赤いことに気付いたら、まず何をすればよいのでしょうか。
鍋底に「黒いスス」が付いていると不完全燃焼の危険性が!
リンナイ株式会社 開発担当の稲山さんによると、ガスコンロの炎が赤い色になっていたら、まずはガスコンロの火を消して、鍋の底に黒いススが付いているかいないかをチェックするといいのだそう。それが異常な状態かどうかを見分けるポイントになるそうです。
「鍋の底にススが付いている場合は、ガスコンロのバーナーキャップが目詰まりを起こしている可能性があります。バーナーキャップが汚れていると、ガスを燃焼させるために必要な酸素をうまく供給できなくなり、酸素不足によって不完全燃焼になるので大変危険です。
そのため、炎が赤色やオレンジ色で鍋の底にススが付いていたら、不完全燃焼が起きている可能性もあるので、まずは火を止めて換気をし、機器が冷めていることを確認しバーナーキャップの目詰まりを取り除く必要があります」(稲山さん)
バーナーキャップの状態を確認!
火を消して空気の入れ替えをしたら、時間をおいてバーナーキャップが目詰まりを起こしていないかチェックしましょう。
「バーナーキャップには細かい凹凸の部分があり、それを炎口(えんこう)と呼びますが、正常な炎口からは放射線上にきれいな炎が出てくる仕様になっています。でもそこが一部でもふさがってしまうと、他の部分の火が大きくなります。その結果、空気が不足して火が赤くなったりするのです」(稲山さん)
また、バーナーキャップの汚れや目詰まり以外にも、バーナーキャップがきちんとはめ込まれておらずズレが生じている場合や、経年劣化による変形なども、ガスの炎が赤やオレンジ色になる原因になるそうです。
バーナーキャップの掃除方法
- バーナーキャップを外して、ガス機器掃除用に使い古しの歯ブラシや柔らかいブラシなどを使って汚れを取り、水洗いをする
- 洗い終わったら完全に乾かす。水分が残っていると点火不良や不完全燃焼を起こす原因にもなるので注意
- 完全に乾いてから正しく設置する
水分が残っていると点火不良や不完全燃焼を起こす原因にもなるので、しっかりと乾かしましょう。
自力での対処が不安な場合は、修理のプロに依頼するのがおすすめです。
ガスコンロの火が赤くなる原因は他にもある!
先ほどご紹介した通り、ガスコンロの炎がいつもと違って赤い色をしている場合、まずは「鍋の底に黒いススが付いているかどうか」を確認しましょう。
ススが付いている場合、酸素不足により不完全燃焼を起こしている可能性があるので、すぐに火を止めて換気する必要があります
しかし、ガスコンロの炎の色が変わる原因は他にもあると稲山さんは言います。ここからは、ガスコンロの炎が赤くなる原因について詳しく解説していきます。
原因1 加湿器を使用している
加湿器を使っているときにもガスコンロの炎が赤くなることがあります。
「加湿器を使っている状態でガスコンロの炎が赤くなるのは『炎色反応』によるものです。加湿器から出る霧の中に含まれている微量のカルシウムなどと炎が反応し、赤い色になることがあります」(稲山さん)
対処法
炎色反応では、炎全体が赤く見えるほか、オレンジなど数種類の色に見えることもあるそうです。
加湿器が原因で炎色反応が起こっている場合は、ガスコンロをそのまま使用しても問題ないそうですが、気になる場合は加湿器をガスコンロから遠ざけて使いましょう。
原因2 グリルを使用している
グリルを使用しているときに、ガスコンロの炎が赤くなることがあります。これは、加湿器の場合と同じ炎色反応によるものです。
「グリルを使用しているときにガスコンロの炎が赤くなるのは、グリルで調理に使われた食塩の成分が煙の中に混じっているからです。食塩の成分であるナトリウムが燃えることで炎が赤くなります」 (稲山さん)
対処法
稲山さんによると、安全性に問題はないとのことなのでそのまま使ってよいそうですが、気になる場合はガスコンロとグリルは同時に使わないようにしましょう。
原因3 空気中のほこりなどの影響
空気中のちりやほこりが扇風機などの風で舞って炎色反応が起こるケースもあります。空気中のほこりが燃えて炎の色が変わってしまう場合もあるということです。
対処法
ほこりが燃える原因を取り除くために、ガスコンロ周りを定期的に掃除し、ちりやほこりを減らすようにしましょう。扇風機の風向きなどにも注意して、できるだけちりやほこりが風で舞わないようにすることも大切です。
火の色が変わっていても危険ではない場合も
実は、ガスの炎が赤やオレンジ、黄色になっていても、危険ではないケースもあるといいます。
「鍋の底にススがついていないのに、ガスコンロの炎の先端が黄色に見える場合、炎に風が当たって揺らぐことで一時的に黄色くなっていることが考えられます。
また、コンロの種類によっては、火加減を急速に変えたときに一時的に炎の先端が黄色になることがあります。具体的にいうと、火力を一番小さい弱火からいきなり最大にしたときです。これらは異常ではなく、一時的な現象なので、安全性に問題はありません」(稲山さん)
解決しない場合はプロに点検や修理を依頼する
ガスコンロの炎の色がいつもと違っていて、原因が分からないときや対処法を試しても解決しない場合はどうすればよいのでしょうか。
「ガスコンロの炎が赤く見えたり、炎の先端が黄色くなっていて鍋の底にススがついていたら、その時点でプロを呼んで点検してもらうと安心でしょう。
自分でバーナーキャップを掃除できると費用は節約できますが、プロが点検するとご自身では取り切れなかった目詰まりを見つけることもあります。以前、煮こぼれがバーナーの中まで入って、空気を吸うところまでふさいでいた事例がありましたが、ここまでくるとプロが点検しないと見つけられません」(稲山さん)
バーナーキャップを自分でお手入れすることは可能ではありますが、普段あまり触ったり取り外したことのない部分だからこそ、自分での対応には不安がある方も多いはず。
また、対処法を試しても炎の色が赤やオレンジのまま変わらない場合は修理が必要です。少しでも不安を感じるならプロに相談することをおすすめします。
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おわりに
ガスコンロの炎が赤いときの考えられる原因と対処法について、リンナイ株式会社の稲山さんに教えていただきました。ガスコンロの炎が赤や黄色などの普段と違う色をしていたら、まずは鍋の底にススがついているかいないかをチェックし、心配ならプロに点検を依頼することをおすすめします。日頃からお手入れや換気をし、不安なことがあればプロに点検を依頼するといいでしょう。
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