ソースの種類とその違い
ソースは「ウスターソース類」と呼ばれ、JAS規格で以下のように定められています。
・「野菜若しくは果実の搾汁、煮出汁、ピューレー又はこれらを濃縮したものに砂糖類、食酢、食塩及び香辛料を加えて調製したもの」
・「これにでん粉、調味料等を加えて調製したもの」
とろみや味の違いによって3種類に分けられ、以下の代表的な3つがあります。
● ウスターソース
● 中濃ソース
● 濃厚ソース
この3つ、味やとろみに違いがありますが、原材料や製造工程になどには大きく違いがないそう。それぞれの特徴を詳しくみていきましょう。
【ソースの種類】ウスターソース
「ウスターソース」はイギリスのウスターシャー地方が発祥です。発祥の地イギリスでは「Worcestershire sauce(ウスターシャーソース)」と呼ばれ、名前はその地名からきているそうです。
ウスターソースの誕生は、イギリスのウスター市の主婦が、余った野菜や果物を有効活用しようと香辛料とともに保存したところ、時間をかけて熟成されソースになっていたのが始まりと言われています。
ウスターソースは「ウスターソース類のうち、粘度が0.2Pa・s未満のもの」とJAS規格で定義されています。
味は辛口なものが多く、メーカーによってはスパイシーな仕上がりのものもあります。とろみが低くさらさらしているのは、野菜や果実の繊維質が少ないから。
さらさらとしているため、一気にかけすぎてしまうことがあります。器にあけてスプーンですくってかけるなど、かけ過ぎないよう気をつけてくださいね。
ウスターソースの豆知識
ウスターソースは、東日本よりも主に関西、九州など西日本で愛用されているようです。フライや串かつを始め、天ぷらにあわせて愛用する方も多いとか。料理の隠し味に使用することもあります。
発祥の地イギリスでは、トマトジュースに隠し味として数滴入れて飲むこともあるそうですよ。
【ソースの種類】中濃ソース
「中濃ソース」は、JAS規格で「ウスターソース類のうち、粘度が0.2Pa・s以上2.0Pa・s未満のもの」と定義されています。原料の野菜や果実の繊維質が含まれ、ウスターソースと濃厚ソースの中間程度のとろみがあることから「中濃ソース」と呼ばれています。
ウスターソースのスパイシーさと、濃厚ソースの甘みが混ざり合ったような味わいが特徴です。
中濃ソースの豆知識
中濃ソースは、関東より北の地域で使用される傾向にあるそうです。
ウスターソースと同じく、揚げ物にかけたり料理の隠し味にも使用できます。千切りキャベツにもよく合いますね。
【ソースの種類】濃厚ソース
濃厚ソースは、JAS規格で「ウスターソース類のうち、粘度が2.0Pa・s以上のもの」と定義されています。いわゆる「とんかつソース」は、濃厚ソースの一種です。
濃厚な味わいで果実をふんだんに使った甘みと、繊維質が多くしっかりしたとろみ、スパイシーさを抑えたソフトな味わいが特徴です。
ソースの保存で気をつけるべきことは?
普段、ソースをどこで保存していますか?
ソースは開封前は常温保存が可能ですが、開封後は時間の経過とともに劣化し、風味や味が落ちていくため、冷蔵庫で保存するのがおススメです。開封後は賞味期限に関わらず、早めに使い切ってくださいね。
目安として、保存期間はウスターソースで約60日、中濃・濃厚ソースで約30日と言われています。ご家庭の使用状況を考えて、使い切れる量を小まめに購入するのが良いかもしれませんね。
おわりに
いかがでしたか? ソースの種類による違いは、食感や味に違いがありました。違いを知って、今まで使ったことのない種類のソースも試してみるのも良いですね。ソースの種類が変わると、お料理の味の変化や、新たな発見があるかもしれません。
参考:農林水産省「ウスターソース類の日本農林規格」