雑巾がけのメリットとは?
最近は高機能で軽い掃除機が増えていますね。「雑巾がけをせず、掃除機だけ」という方も多いのではないでしょうか。
でも、掃除機だけでは、カビや花粉、ダニは取りきれません。定期的に水拭きすることで、汚れのこびりつきを防ぐことができますよ。
また雑巾がけは、やり方を間違えると、かえって雑菌を広げてしまうことも。和文化研究家の三浦康子さんに正しい雑巾がけの基本について伺いました。
【雑巾がけの準備】床材をチェック! 水拭きができない床材も!
雑巾がけには、乾いたまま拭く「乾拭き」と濡らしてから拭く「水拭き」があります。乾いたホコリを取るには乾拭きでも効果がありますが、こびり付いた汚れには水拭きが効果的です。
ただし、水拭きができない床材もあります。材質に適した掃除方法を確認してくださいね。
乾拭きのみがオススメの床
畳の縁・敷居・一部の木材(※)など
※白木や無垢材、無塗装などの木材で水拭きができないものもあります。メーカーにご確認ください。
水拭き+乾拭きがオススメの床
フローリング・畳など
乾拭きには乾いたホコリを取ったり、ツヤを出す効果があります。水拭きの後に乾拭きを行うのが良いでしょう。フローリングの掃除方法に関しては以下の記事も合わせてご覧ください。
フローリングの掃除って掃除用ワイパーと掃除機だけでOK? 水拭きはNG!?
【雑巾がけの準備】雑巾の正しい絞り方とは?
雑巾は水で濡らした後に絞って水気を切ります。固く絞った雑巾なら汚れがよく取れますが、実は約6割の人は正しい絞り方を知らないと言われています。ここでは正しい雑巾の絞り方をご紹介しましょう。
正しい雑巾の絞り方
雑巾は「縦絞り」で絞ります。両手で雑巾を縦に持ち、ねじりながら絞る方法です。
片方の手は手の甲を上に向け、上から握る「順手」、もう1方の手は手の平を上に向け、下から握る「逆手」で握ります。
順手と逆手で握ることで、子どもでも力が入れやすく、固く絞ることができるんです。ぜひ教えてあげたいですね。
- 雑巾を縦にして、右手は上に「逆手」、左手は下に「順手」で持ちます。
- 脇をしめて手首を内側に絞り込みます。
実はNG! 子どもがやりがちな雑巾の絞り方とは?
横絞り
横絞りでは両手とも順手になってしまうため、十分に水分を絞ることができません。
握り絞り
お握りのようにギュッと握る絞り方です。押し付けているだけなので、水分が残りがちです。
床の雑巾がけの手順とは?
雑巾がけにも手順とコツがあります。
床の雑巾がけの前に、まずは壁や机、棚の上などのホコリを落としておきましょう。ホコリは上から下へと落ちてきます。先にホコリを落とし、床に落ちたホコリも含めて、雑巾で拭き取っていくのが効率的です。
【床の雑巾がけ 1】雑巾をたたむ
雑巾は水で濡らして絞り、手の平と同じぐらいの大きさにたたんで使いましょう。手の圧がかからない部分ではしっかり汚れが取れません。また、大きめの雑巾なら、汚れたらたたみ直して別の清潔な面を使って掃除します。
【床の雑巾がけ 2】後ろに下がりながら拭き進める
奥から手前へ掃除することで、拭いたばかりの床を踏み汚さずに済みますよ。
【床の雑巾がけ 3】乾拭きをする
水拭きのあとは乾拭きを行います。水拭きの余計な水分を拭き取りツヤが出ます。
子どもが楽しめる! 雑巾がけの工夫とは?
子どもが雑巾がけを積極的にやりたがらない場合もありますよね。そういう時は、ゲームにして遊び感覚で雑巾がけをしてみるのはいかがですか?
掃除だけじゃない?! 雑巾がけを子どもがするメリットとは?
床の雑巾がけは、掃除効果だけではありません。特に子どもにとって、さまざまなメリットがあると指摘する専門家もいます。
雑巾がけを通じて、絞る・拭くなど、生活する上で欠かせない基本動作をきちんと身に着けることができます。
また、雑巾がけでは、雑巾がうまく床の上を滑らず体のバランスを崩して「つんのめる」事があります。つんのめらない方法を考えたり、上手に雑巾がけをする人を真似することは、子どもたちの集中力や学習能力の発達にも役立つそうです。
出典:認知科学第27巻2号(2020)150-162「幼稚園における幼児の雑巾がけへの 初めての参加の諸相」
掃除が終わったら! 雑巾の洗濯方法とは?
雑巾がけが終わったら、すぐに洗いましょう。掃除を終えてすぐ洗えば、雑菌の繁殖を防げます。水ですすぐだけでは、汚れは落ちません。固形石鹸と洗濯板を使って手洗いするのがオススメです。
雑巾の洗濯方法
- 洗濯板をバケツに入れ、雑巾を広げて固形石鹸を擦り付ける。
- 洗濯板に雑巾を擦り合わせるようにしながら洗う。
- 水を変えながら雑巾をすすぐ。1回目は洗濯板を使ってすすぎます。2回目以降は洗濯板を取り出し、2~3回水を変えてよくすすぎましょう。
- 雑巾を固く絞る。
- しっかり乾かす。
【雑巾がけの注意点】水拭きで雑菌を広げてしまうことがある!?
繰り返し洗って使っている雑巾から、イヤなニオイがした経験はありませんか? その正体は繊維に棲み着いた雑菌かもしれません。
そのまま濡らして床を水拭きすると雑菌を広げてしまうことに。対処法については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
何度洗濯してもタオルがなぜか臭う・・・。雑巾のような嫌なニオイは菌の仕業かも?
雑巾がけをラクにするアイテムはある?
水拭きと乾拭きの両方を行うのは大変ですよね。便利な掃除グッズを併用するのもオススメです。
【雑巾がけをラクにする掃除用品 1】使い捨ての古布
古布などを取っておいて雑巾にすれば、掃除後に捨てることができます。雑巾を洗う手間がなくなりますし、古布を下ろす度に清潔さをキープできますね。
【雑巾がけをラクにする掃除用品 2】マイクロファイバー雑巾
洗って繰り返し使うなら、マイクロファイバー素材の雑巾がオススメ。マイクロファイバー素材は、細かな汚れを絡め取るのが得意なだけではなく、乾きが早いのもポイントです。
【雑巾がけをラクにする掃除用品 3】伸縮モップ棒
モップ用の棒を使えば、立ったまま雑巾がけできます。また、手が届きにくいベッドの下やソファーの下の掃除も簡単にできますよ。
【雑巾がけをラクにする掃除用品 3】伸縮モップ棒
水拭きや乾拭きを自動でやってくれる掃除ロボットも便利です。忙しい方の頼もしい味方ですね。
おわりに
雑巾は掃除の基本道具。子どもにも正しい使い方を伝えていきたいですね。