お皿と鍋の一人二役! チャビィの土鍋プレートとは?
外側から見ると、砂色の素朴な器である。フタをあけると内側は、砂漠の赤い大地を思わせるようなレッド、スモーキーなブルーと温かな色。
今回、ご紹介するのは「チャビィ」という陶製のお鍋。お鍋というべきか、食器というべきか、両方を兼ねる不思議な感じです。
始まりはエスニック料理店などで業務用の食器として使われていた耐熱食器。ガスコンロからおろして食卓へ。そのまま食器として使えるのが特長です。
だからお鍋につきものの「取っ手」がない。柔らかみのある、丸いふちがぐるりと本体を取り囲んでいます。
中火でも温まり、保温力抜群! チャビィの鍋の特徴とは?
このお鍋、何より熱の伝わりがよく、ガスの中火以下の炎で十分に器があたたまります。つまりガスの無駄がない。さらに高い温度で焼成しているため、温度差に強いのも特徴。
製造元のデイリーライフ信楽によると、「500度くらいまで耐えます。家庭のガスコンロでは500度まで熱されるということはあまりないでしょうから、安心して使ってください。空焼きしても大丈夫」。冷凍庫から出して、いきなり火にかける。そんなシチュエーションも大丈夫だそうです。
そして使ってみて驚いたのは保温力。一度しっかり熱したら少なくとも30分はホカホカのまま。深いボウル型のタイプなら、熱いスープをつくってそのまま食卓へ。スープが温かいままお代わりができる。卵とじなら浅型タイプに具と汁を入れて熱し、卵を回しかけてフタをして、火を止める。数分後にはつややかな卵とじのできあがりです。
遠赤外線効果でエネルギーも無駄にしない! 庶民派の土鍋!
遠赤外線効果もあり、エネルギーを無駄にすることがなく、しかも食べ物のおいしさを引き出してくれるこの鍋。なにより手のひらで包むと、じんわりと温かみが残る。心がほっとする。炎の力と土の命が、一つになって、私たちの暮らしにやすらぎを与えてくれる感じがします。
空焚きOK!? チャビィの鍋でインド料理のナンを作ってみた
さて、実は気になったのは「空焼きしても大丈夫」という言葉。もしかして家庭で使えるタンドールみたいに使えないかな? とひらめきました。さっそくナンの生地をこねて、ボウル型のチャビィをカンカンに熱し、その内側に(インド料理店で見るように)ぺたっと貼り付けてフタをしめてみました。
プウッとふくらみ香ばしい焦げ目ができました。これはやはり炎の力でないと、お鍋の中の熱の対流や香ばしさが出ないと思います。
正直ナンの出来映えの方は、まだまだ修業が必要。だけど、製造元さんにこのトライアルを伝えたところ、「タンドール風に使うのは面白いアイディアかも知れません。どんどん実験してみてください」とのお返事。もう少しチャビィとガスコンロに、おいしい実験におつきあいいただこうと思うのでした。
おわりに
このチャビィ、有名なブランド鍋だとか、お高いプレミア品だとか、まったくそんな
ものではない。値段も求めやすいし、普段使いできる肩のこらない素顔な感じもいいと思う。日本の6大窯の一つの地・信楽で、小さなメーカーがコツコツつくり続けている。そんな作り手も、いまの日本で大事にしていきたいものの一つだ。