近代化キッチンの先駆け! ドイツの1920年代のインテリアキッチン
上の写真は1920~1930年代につくられたキッチンで、ドイツの近代化キッチンの先駆けと言われるモデルの一つです。このコンロは、中に焼いた薪を入れ、トップの鉄プレートを直火で熱するタイプです。
さて、そんな国のキッチンはいま、どんな風に進化しているのでしょう。
今回は、ドイツに行った際に見つけた、ちょっと変わったキッチンをお目にかけましょう。
ダイニングテーブルを省略!? オープンキッチンにテーブル配置
キッチンをオープン化して料理の場所とテーブルが一体化しているキッチン空間が、主流になりつつあります。
このモデルは、アイランドキッチンが左右に分かれてしまったような、変わったレイアウトですね。左では火を使う料理、右では水を使う作業をするようです。
ダイニングテーブルは省略され、キッチンに椅子が置かれています。キッチンのすぐ前はリビング的な空間になっています。
温かみあるデザインのオーストリア製キッチン
こちらはドイツのお隣、オーストリアのキッチンです。このメーカーは無垢の木や石を使った温かみあるデザインが特長です。
木目の入った木や石目調の壁はカントリー風にも見えますが、全体のデザインが直線的で、モダンでバランスがとれています。
温かみのあるデザインにはガスの炎がよく似合いそうです。
お肉をたたき切るようなブッチャーズブロックは、ヨーロッパのキッチンではよく見かけます。日本のまな板とはちょっと違った感覚ですね。
棚の一部がオープンになっているので、オイルや調味料をさっと手に取れます。
モノトーンのおしゃれデザイン! 東洋風のシンプルキッチン
「ゼン」という名前のキッチンも見つけました。
だいたいこういう名前がついている時は、東洋風のミニマル(最小限に抑えた表現法)なものであることが大半です。ということで、直線的で色も抑えたシンプルキッチン!
開けてみるとこうなります。取っ手がなくてもすーっと開く引き戸のような扉は、全体を見渡すことができて便利です。資料によると、これは日本庭園をイメージしてデザインされたとか。
徹底的に無駄を排除! ドイツのワゴン風キッチン
ドイツと言えば無駄も徹底して省く国。
こちらは必要最小限の要素でつくった自由なキッチンです。
こちらのキッチン、日本人は好きなのではないでしょうか? シンプルなワゴンやシェルフのようなユニットをベースに、シンクや加熱部を組み合わせていきます。
収納は全部隠さないとイヤ、という人もいるかもしれませんが、私は自分の持っている道具が全部見えていた方が使いやすいなあ、と思うタイプ。つい、こういうキッチンに惹かれてしまいます。
さて同じユニットをガーデン家具やオフィス家具として使うこともできるそうです。そもそもキッチン用として重い鍋や食器、水や熱を使っても頑丈につくられているので、他の用途でも十分に対応できるのです。
高齢者にも! 車椅子に乗って片手でも作業できるキッチン
同じようにシンプルに見えて、実は奥が深かったのがこちらのキッチン。
実はこれ、体の不自由な方や高齢の方をサポートしてくれるキッチンです。
ベルリンの若手デザイナーがデザインした試作モデルで、彼の90歳のおばあさまとの暮らしから着想を得たそうです。握力が弱い、手が伸ばせないなど、健常者には当たり前のことが大変だったりします。その解決になるのがこのキッチンです。
デザイナーが実際に体に重りを付けたり、片腕だけで食事をしたり、車いすにのって作業をしてみて、その体験から機能を開発したそうです。
調理台はそのままカッティングボードになり、パンをくぼみにおさめれば、パンを切ったり片手でバターが塗れる・・・と説明がありました。
はめ込まれたグレイターなら、抑える力は確かに要りませんね。
引き出しになった野菜受けがユーモラス。
洗いものも手元に引き寄せたホースで・・・。お皿を持ち上げなくても、水流を当てればいいのです。
シビアな目で見れば、本当に使えるの? と思うところはありますが、このキッチンはあくまでもトライアル。キッチンそのものが道具化することで、料理をあきらめていた人にもその楽しさを広げることができる。そんな気持ちに心を動かされました。
いずれのキッチンも、機能を重視しながらもデザインは美しい。そんなキッチンの数々には本当にいつも感心してしまいますね。
キッチンはリフォームでも素敵に
おしゃれで使いやすいキッチン、憧れてしまいますね。
新築でなくても、リフォームで素敵なキッチンを取り入れることもできます。
キッチンリフォームについて気になる方は、リフォーム・リノベーション専門会社にぜひご相談ください!