そもそも家電って「寿命」はあるの?
最近よく止まる洗濯機。暑いのになかなか部屋を冷やしてくれないエアコン。「そろそろ寿命かなあ。買い替えなくちゃいけないなあ…」。そんな経験、ありませんか? 洗濯機、エアコンなどの「家電」。調子が悪くなると「寿命」だと考えて新しいものに買い替える方も多いかと思いますが、そもそも家電には「寿命」があるのでしょうか。
内閣府の消費動向調査を見ると、家電製品の「買い替え理由」として「故障のため買い替え」が目立ちます。確かに、家電は毎日使うものなので、ある一定の時期を迎えると故障するリスクが高くなるといえるでしょう。「寿命」とはいわないまでも、家電を問題なく使用できる一定の期間がある、というのは事実のようです。
では家電の故障するリスクは、いつから高くなるのでしょうか? その目安となるものの1つに、家電製品に表示されている「設計上の標準使用期間」というものがあります。
「設計上の標準使用期間」とは?
「設計上の標準使用期間」は、「長期使用製品安全表示制度」という制度に基づき家電製品に表示されています。この制度は、長期にわたり使用され経年劣化による事故の多い家電製品を使用する消費者等に対し、注意喚起を促すための制度です。「設計上の標準使用期間」は、耐久テストの結果などにより異なります。
表示制度の対象家電製品は以下の5品目です。
【長期使用製品安全表示制度対象の5品目】
・ 扇風機
・ 換気扇
・ エアコン
・ ブラウン管テレビ
・ 洗濯乾燥機を除く洗濯機
上記の対象製品について、「製造年」「設計上の標準使用期間」「長期間の使用に伴う経年劣化によるリスクについて注意喚起」等の「長期使用製品安全表示」を義務付けています。
この制度により記載されている家電製品の「設計上の標準使用期間」は、電気用品安全法に基づき、「標準的な条件」で使用を続けた場合に安全上特に問題なく使用することができる期間を示しています。ひとつの家電の『寿命』の目安とも考えられます。これらの期間を過ぎたものは、発火・けがの恐れそして異音や音・振動に特に注意する必要があります。
家電の寿命の前に買い替えを検討しておこう!
家電が急に壊れてしまった場合、特に毎日必ず使う家電については、緊急で購入しなくてはならないこともあるでしょう。すぐに必要なのに、家電が安くない時期に購入をしなくてはならない・・・。こうなるとお財布にも痛手ですよね。
そう考えると「壊れる前=家電の寿命の前」、つまり「設計上の標準使用期間」を過ぎたら、家電が安い時期を狙って買い替えたほうがお得なケースもあるのです。
では、一体「いつ」「どんな観点で」買い替え時期を考えればいいのでしょうか。
減価償却の考え方からコストと家電の寿命を考えてみる
家電の買い替え時期の「いつ」「どんな観点で」を考えるヒントとして、「減価償却」の考え方があげられます。企業の会計で使われる減価償却の考え方、みなさんはご存じでしょうか?
減価償却の考え方では、購入費用を定められた耐用年数で割って考えます。耐用年数は、国税庁の「主な減価償却資産の耐用年数」を参考にすると良いでしょう(※耐用年数は経験則から平均的に使用される期間であり、前述の「設計上の標準使用期間」とは異なります)。
・ ラジオ、テレビジョン、テープレコーダーその他の音響機器 5年
・ 冷房用・暖房用機器 6年
・ 電気冷蔵庫、電気洗濯機その他これらに類する電気・ガス機器 6年
国税庁「主な減価償却資産の耐用年数(器具・備品)」より抜粋
例えば、冷蔵庫の耐用年数は6年と定められているため、20万円の冷蔵庫を購入した場合の1年間の費用は約3.3万円です。つまり「1年間に約3.3万円を払って冷蔵庫を使用している」ということ。そして使用開始から6年経過後は、1年間0円で冷蔵庫を使用している、とも考えられます。
家電の買い替え時にも、減価償却の考え方を応用してみよう!
内閣府の消費動向調査を見ると、主な家電の使用年数は原価償却の耐用年数よりも長いことがわかります。多くのご家庭では耐用年数よりも長く家電を利用するため、家電購入時の価格を現在までの使用年数で割り、おおむね年間いくらで利用してきたかを知ることで買い替えの目安を考えてもよいでしょう。20万円の家電を10年間利用した場合、年間かかる費用は約2万円、月にすると約1,066円となります。
さらに、購入を検討する際に注意いただきたいのは、その家電の電気代・消耗品のことも考えなければならないことです。年間消費電力量は、旧モデルに比べて新モデルのほうが改善しているケースが多くあります。年間にかかる費用だけで考えた場合、消耗品費・電気代の改善により買い換えたほうが良い、という判断ができるケースもあるでしょう。
家電が安くなるお得な買い替え時期を狙いつつ、減価償却の考え方を基に、家電の寿命の前に買い替えることが、賢い選択といえるかもしれませんね。ぜひ参考にしてみてください。
長く家電を使い続けるなら・・・
計画的に購入をしようと思っても、思いがけず故障してしまうケースもあるかもしれません。そんな時、新しく購入するか、今の家電を修理して使い続けるかは悩みどころです。ちょっとした故障であれば、家電の値段変動が高い時期に新しく購入するよりも、修理をして使い続ける方が安く済むこともあるでしょう。
しかし、修理の内容によっては高額な費用がかかることもあり、家電の価格が高い時期でも買い替えたほうが結果的に安かった・・・という場合もあり、結局どちらが良いの? と選択に困ってしまいますよね。そんな場合に備えて、家電の保証に入っておけば、とても安心です。
でも、今ある家電、すでに保証がきれていませんか? メーカー保証で保証されている期間は1年。さらに家電量販店などの延長保証は、通常の場合購入時しか入ることができません。ところが、後からでも入れる保証があることをご存じでしょうか?
電気エアコンの保証も! 東京ガスのガス機器スペシャルサポートとは?
東京ガスの「ガス機器スペシャルサポート」なら、東京ガスのガスをご利用のお客さまであれば、いつでも加入することができ、ご家庭のガス機器の故障はもちろん、「電気エアコンオプション」のご契約で東京ガス指定メーカー製造の電気エアコン(コロナ、ダイキン工業、東芝ライフスタイル、パナソニック、日立、富士通ゼネラル、三菱重工、三菱電機。2022年8月時点)の故障の際にも修理保証が適用されます。
指定のメーカー製造であれば、何台でも、何度でも、長年ご使用されているものでも修理保証対象になります。さらに、1年以上の契約で、修理時修理保証が使用出来ない場合、買い替えのサポートを受けられる特典もありますよ。
※東京ガスのガス供給エリア(東彩ガス地区、東日本ガス地区、日本瓦斯(ニチガス)、真岡地区は除く)にお住まいで、東京ガスがガス小売事業者となる家庭用のガス小売契約を締結し、かつ当該契約に基づくガスの供給を受けているお客さまが対象となります。
※ガス機器スペシャルサポートのサービス提供開始後1年間は解約できません。また、電気エアコンオプションのサービス提供開始後1年間は、電気エアコンオプション及びガス機器スペシャルサポートを解約できません。
※一部対象外機器があります。
※修理保証、買い替え特典には条件があります。
おわりに
家電の寿命になり壊れてしまってから慌てて購入したり、下調べをしないで購入するのは失敗のもとです。しっかりメンテナンスをしながら使用し、きちんとマネープランを立てながら、お得な時期を狙って家電を買い替えましょう。
参考:経済産業省「電気用品安全法」
参考:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数 」
参考:内閣府「消費動向調査 令和2年 3月調査」