【保育園見学のポイントの前に】見学の目的とは
保育園見学の具体的なポイントの前に、保育園を見学する目的を確認しておきましょう。
大きく分けて、保育園見学の目的は、以下の5つです。
1. 申し込みのため
2. 子どもにふさわしい環境か確かめる
3. 家庭の事情に合った条件で預かってくれるか確認する
4. 家庭の教育方針に合った保育をしてくれるか確認する
5. 保護者が負担する内容を確認する
「認可保育園」の場合、施設ではなく自治体に申し込みをするため、保育園の見学は必須というわけではありません。設備や人的環境等の基準は厳格で、預かり時間や料金もほぼ同じです。
ただし、保育方針や内容、おもちゃや人の雰囲気などは、園によってかなり違います。
割り振りは自分で申告した希望順位順にされるので、見学して希望順位を決めておくことが大切です。
「認証・認可外の保育園」の場合は、施設に直接申し込みすることもあり、見学して説明を受ける必要のあるところがほとんどです。
また、認可に比べると基準が緩やかで、預かり時間や料金も施設によって違います。もちろん、保育方針や内容も全く違います。
実際に自分の目で見て、不明な点があれば質問して確かめることがとても重要です。
なお、見学の前には、まず、
□ 空き枠・入園基準・優先順位はどうなっているか
を問い合わせておきましょう。
認可保育園は自治体が空き枠を管理し、入園基準を設けていますが、それ以外の園では、園自体で入園基準(優先基準)や審査を設けていることもあります。
また認証・認可外であれば、空きがあればすぐ入れるという場合もあります。
まずは空き状況や待機状況を確認してから、見学をお願いしましょう。
それでは、各目的にそって、見学のときの8つのポイントと、具体的なチェック項目をご紹介します。
【保育園の見学】子どもにふさわしい環境か確かめるためのポイント
ポイント1.立地・施設・設備
前述の通り、認可保育園には施設や設備に厳しい基準があります。
でも、細かい部分には園によって違いがありますので、実際に見学に行って見てみましょう。
また認可外の保育園は、特に保護者の目でしっかりチェックをすることが必要です。
□ セキュリティや不審者対策はしっかりしているか
□ 災害が起こった際の避難路は確保されているか
□ 周辺環境や治安
□ それぞれの年齢ごとに十分なスペースが用意されているか
□ 子どもの安全に配慮された作りになっているか
ポイント2.保育環境
保育に直接関係する部屋や設備は、実際に子どもが一日を過ごすイメージをしながら見てみましょう。
□ 子どもたちが過ごす部屋や調理室の清潔感
・・・古い設備でも、きちんと掃除されているかが大切です。
□ おもちゃや絵本などが十分に揃っているか
□ 外遊びや水遊びの場所はあるか
・・・認可は園庭必須ですが、認証・認可外にはない場合もあり、公園等を代替にしていることもあります。
□ 雨の日も十分に身体を動かせる環境があるか
ポイント3. 保育士・スタッフの様子
子ども達と接する、保育士さんやスタッフさんの様子は、設備以上に重要です。
実際にお話ししてみるのはもちろん、保育中の見学が可能であれば、子ども達への接し方も見てみましょう。
□ 保育士・スタッフの人柄はどうか
・・・保育士さんやスタッフさんは、親としても何かと子どものことを相談する機会も多くなる相手です。親自身が信頼できるかは、とても大切です。
□ 人手は足りているか
・・・子どもの人数に対する保育士・スタッフ人数にはある程度基準がありますが、より手厚い体制にしていたり、逆に十分な対応ができていないケースもあります。
□ 子ども達への接し方はどうか
・・・保育中の見学ができたら、子ども達への声かけや表情なども気にかけてみるとよいでしょう。疑問に思ったことは、何か理由があるかもしれないので、できるだけ聞いてみましょう。
□ 保育士・スタッフ同士の関係性はどうか
・・・保育士・スタッフ同士が連携が取れているか、すれ違った人が挨拶してくれるかなど、全体の雰囲気も気にかけてみましょう。
ポイント4. 給食・おやつ・ミルク
子どもが毎日口にする食べ物や飲み物も、大切な要素です。
認可保育園だと、園内に調理室があって給食を提供してくれる園が多いですが、それ以外の場合、保護者がお弁当を用意する園、園からお弁当を外注している園などさまざまなスタイルがあります。
可能であれば、調理場所や調理方法も確認してみましょう。
□ 給食やおやつはあるか、どのような提供方式か
□ 給食の献立やおやつの内容は、栄養バランスの取れたものになっているか
□ アレルギー対応をしてくれるか、どんな対応か
・・・調理方法も含めて確認してみましょう。
□(乳児の場合)母乳の持参の可否
・・・母乳の持参を希望する場合は、可否を確認しましょう。
【保育園の見学】家庭の事情に合った条件で預かってくれるか確認するためのポイント
ポイント5. 交通アクセス・送迎方法・所要時間
職場や家との移動手段や時間を確認することは、預けられる時間や料金にも繋がってきます。
普段の送迎だけでなく、雨天の場合や緊急の場合の送迎方法についてもイメージしておきましょう。
また、二人目を妊娠・出産したらどうなるか・・・など、長い目で考えることも必要です。
□ 家庭や職場からのアクセス方法や所要時間
□ 送迎時に自転車やベビーカーを止めておけるスペースはあるか
□ 車での送迎は可能か
□(ベビーシッターや祖父母など)親以外の送迎が可能か
ポイント6. 預かり時間・料金
認可保育園では預かり時間や料金が決まっていますが、認証・認可外は料金体系が園によって異なるので、自分の使い方を考えながらの確認が必要です。
□ 預かり時間はどうなっているか
・・・急な残業などの場合に延長保育を受け付けてくれるかどうか、補食はあるか、土日勤務時の預かりがあるかも、必要に応じて確認しましょう。
□ 料金はどうなっているか
・・・保育料だけでなく、入園料や諸経費、課外活動費などが別途かかるお金も確認しましょう。なお認証保育園の場合は、行政から補助金がキャッシュバックされる場合もあるので、調べておきましょう。
□ 呼び出しや休みの基準はどうなっているか
・・・子どもが園で体調を崩した場合などに、保護者に呼び出しがかかる基準や、病気やその翌日など、休まないといけないルールが園ごとに違います。
【保育園の見学】家庭の教育方針に合っているか確かめるためのポイント
ポイント7. 保育の方針・プログラム
子どもが一日の長い時間を、何年間も過ごす保育園。
園や保育士さんの保育方針や内容が、親として納得できるものであるかは、とても大切です。
□ 保育の方針はどのようになっているか
・・・基本的な保育方針や、園としての考え方は、必ず確認しましょう。
□ 一日、あるいは一週間のプログラム
・・・特に外遊びやお散歩などは、園の設備によっても違うので、確認してみましょう。リトミックや英語や体育など、曜日によって特別なプログラムがある場合もあります。
□ 季節のプログラムや行事
・・・可能であれば年間スケジュールもチェックすると、一年の過ごし方のイメージや、親の参加や準備が必要な行事がどれくらいあるか分かるでしょう。
【保育園の見学】保護者が負担する内容を確認するためのポイント
ポイント8. 保護者の役割
保護者が担う役割はできるだけ少ないよう配慮されている場合が多いですが、園によって色々なやり方や考え方があります。
□ 保護者参加の行事がどれくらいあるか
・・・遠足や発表会など保護者が参加する行事がどれくらいあるか、平日に休みを取って参加する必要があるかも確認しておきましょう。
□ 日々の持ち物はどんな内容か
・・・園によって、園で用意してくれるもの、家庭で用意して持ってこないといけないものが異なります。
□ 紙おむつか布おむつか
・・・園によっては布おむつのこともあります。トイレトレーニング等にメリットがある一方で、親の準備や手間がかかる場合もあるので、確認しておきましょう。
□ 保育中の様子を知る方法
・・・入園前の見学だけでなく、保育参観や写真の共有・販売などがある場合もあります。
□ 入園する場合のスケジュール
・・・もし空きがある場合、入園スケジュールを聞いておきましょう。入園後しばらくは、短時間の「慣らし保育」がある場合もあります。復職等の計画の参考にしましょう。
□ その他、配慮して欲しいことの確認
・・・子どもの持病や体質等に心配なことがあれば、どのような配慮が可能かを聞いておきましょう。
保育園見学のとき、気をつけたいポイント
色々とチェック項目を挙げてきましたが、実際に見学のときに気をつけたいのは、園側にも配慮をすることです。
保護者が園を見ているのと同じように、園側の人達も保護者を見ています。
これから長い間通うことになるかもしれない保育園ですから、こちらも丁寧な言動を心がけ、お互いに気持ちのいい見学にしましょう。
●質問事項やチェック項目は、事前にまとめておきましょう。
●ホームページ等で情報を掲載している保育園の場合は、事前に目を通しておき、書いてあることはなるべく聞かないようにしましょう。
●他の保育園と比較したり、値踏みするような言い方は避けましょう。
●見学を予約する際、忙しい時間帯の電話は避けましょう(ホームページに受付時間の記載があれば、それに従いましょう)。見学の際も、必要以上の時間を取らないようにしましょう。
●入園申込み直前は見学が混み合うため、可能な限り早めの見学を心がけましょう。
おわりに
保育園選びで後悔しないために、見学のときの8つのポイントと注意点をご紹介しました。
実際は、待機児童が多かったり、全ての項目をチェックして選ぶわけにはいかない場合もあると思います。
そういう場合でも、自分の中でのチェック項目の優先順位を決めておくことが大切です。
毎日笑顔で通える、自分達にぴったりの保育園に出会えるといいですね。