梅雨時期や秋などのシーズン前、エアコン掃除は必須だった!
夏や冬に大活躍のエアコンですが、それ以外のシーズンは放ったらかしにしていませんか。「使用頻度が少なければ汚れないはず・・・」という思い込みをしている人も少なくないようです。
でもエアコンのフィルターには普段からホコリなどの汚れが蓄積しています。特に梅雨時や秋の長雨などで湿度が高い時期には、溜まった汚れを養分にカビが繁殖しやすくなります。なぜこの時期、エアコンはカビが繁殖しやすいのか詳しくご紹介します。
カビの繁殖条件1「湿度」
カビは湿度60%以上で発生し、80%を超えると急激に繁殖し始めます。エアコンの内部がカビやすいのは冷房や除湿運転を使う時期。これはエアコンが部屋を冷やす過程で湿度が上がりやすいためです。
エアコンの内部には、空気の温度を調節する熱交換器があります。エアコンの冷房や除湿運転は、室内の高温で湿った空気を吸い込み、エアコン内部の熱交換器で熱を奪い、冷えた空気を室内に送り出す仕組みです。温かい空気を熱交換器で急激に冷やす際、その温度差で「結露」が生じます。
エアコン内部は密閉空間で結露が蒸発しにくいです。そのため、エアコン内は運転後に高い湿度が保たれてしまうのです。さらに湿度が高い時期には、稼働していなくても、空気中に含まれている水分でエアコン内部の湿度を上げてしまう原因になります。
カビの繁殖条件2「温度」
カビが最も繁殖しやすい温度は約25~28℃です。これは、人間が快適だと感じる温度とほぼ同じです。エアコンの設定温度はカビにとって繁殖しやすい温度環境なのです。
カビの繁殖条件3「養分」
3つ目のカビの繁殖にとって必要な条件は養分です。エアコンに溜まったホコリや汚れはカビにとっての養分になります。
エアコン内部にはホコリを取り除くフィルターがありますが、細かいホコリやチリはフィルターの網目を通過して、内部に入り込みます。エアコンの構造は複雑で、フィンやファン、ルーバーなどは素人にはお手入れがしにくいもの。
どうしてもエアコンの内部にはホコリや汚れが溜まってしまい、カビにとっては繁殖しやすい環境になってしまうんです。
エアコンを掃除しないと、どうなる・・・?
エアコンを掃除しないと以下のようなデメリットが生じます。室内にホコリやカビの胞子が撒き散らされると異臭の原因になるだけでなく、健康被害に繋がる可能性もあります。またフィルターに汚れが溜まっていると、空気がスムーズに循環できません。エアコンの運転効率が下がり、普段より電気代がかかる結果になることも。
エアコンを稼働した時にフィルターに溜まったホコリが室内に舞ってしまう
エアコンは上のイラストのように、室内の空気を取り込み、エアコン内の熱交換器で温度調節した空気をファンが風で室内に送り出します。フィルターや内部の機器にホコリが溜まっていると、どうしても風で室内に拡散されてしまいます。
内部にカビが発生してエアコンを稼働した時に異臭の原因となる
カビはエアコンのニオイの主な原因です。繁殖したカビの胞子が送風口から吹き出されると、カビ特有のニオイが部屋に広がってしまうのです。
風が出てくる吹き出し口を覗いた時、風向きを変える羽(ルーバー)やその周辺に黒いポツポツがあれば要注意。奥には多くのカビが発生している可能性があります。
冷暖房機能が低下して、電気代が高くなる
エアコンのフィルターや内部の機器が汚れていたりカビが繁殖していると、うまく空気を室内に排出することができません。冷暖房の効果が減る分、さらに稼働しようとするため、エネルギーをどんどん無駄遣いしてしまいます。
掃除をして内部のカビをリセットしておくことで、健康リスクを減らすだけではなく節約にも効果的なのです。
梅雨時期や秋にやっておきたい! エアコン掃除の方法とは?
本格的に使い始める夏に向けてしっかりとエアコン内部のカビ対策を行うために、ここからは、自分でできるエアコンのカビ防止のための掃除方法をご紹介します。
【エアコンの掃除方法 その1】掃除前の前準備
まずは、掃除中にエアコンが稼働してしまうと、感電や怪我をするリスクがあるので電源をオフにしてコンセントを抜きます。
また、ホコリが落ちやすくなるので、エアコンの下にビニールシートを敷くなどして部屋が汚れないようにしましょう。マスクや花粉症メガネの着用でホコリを防ぐこともお忘れなく。
【エアコンの掃除方法 その2】 フィルターを洗う
エアコンに設置されているフィルターは、内部にホコリが入るのを防止する役割があります。つまり、フィルターは1番ホコリが溜まりやすい場所なのです。2週間に1回を目安に掃除しましょう。
パネルを開けてフィルターをはずします。この時、エアコンから取り外す前に掃除機でホコリを吸い取ってしまうと、ホコリが飛び散らなくなるので作業が楽です。
「ハンディタイプの掃除機」や、コンセントへの接続が不要な「コードレス掃除機」があると便利です。ホコリを吸い取ったらフィルターを取り外します。
その次は、水洗いをしましょう。シャワーの水圧を使うと汚れが落としやすくなります。掃除機でホコリを吸い取るのとは逆に、裏側からシャワーをかけてください。※水洗いできないフィルターもあります。取扱説明書にてご確認ください。
水だけで汚れが落ちないときは、中性洗剤を薄めたぬるま湯にフィルターをつけて、古い歯ブラシを使って優しく洗います。フィルターの細かい目には意外とホコリが詰まっているので、きちんと洗いましょう。洗ったあとは、乾いたタオル2枚でフィルターをはさむように拭いて水気を取り、その後はしっかり陰干しをして乾かします。
この時、半乾きのままエアコンに設置してしまうと、カビの原因になるので、しっかりと乾かしてからエアコンに取り付けてください。
【エアコンの掃除方法 その3】 フィンの汚れを落とす
次にフィルターを外すと見える、薄い金属の板が並んでいる部分「フィン」の汚れを落とします。ここは、空気の温度を変える役割があり、結露によってカビが発生しやすい部品です。
まずは、掃除機でフィンのホコリを取り除き、細かい汚れは歯ブラシや綿棒を使って落としましょう。その後、水で薄めた中性洗剤にひたしてから固く絞った雑巾で念入りに汚れを落とします。頑固な油汚れなどは、強いアルカリ性を持つセスキ炭酸ソーダ水を活用しましょう。割りばしに薄い雑巾を巻き付けて拭くと、奥の汚れまで拭き取れますよ。
エアコン用の洗浄スプレーを利用するのも良いでしょう。スプレーをした後にしばらく放置しておくと、カビや汚れがスルスルと落ちます。汚れが残っている部分は、軽くこするだけでお手入れ完了です。
ある程度カビが落ちたら、最後に水拭きをして洗剤を拭き取ります。
【エアコンの掃除方法 その4】 ファンの汚れを落とす
エアコンのファンは室内の空気を吸い込んだ後に温度調節した空気を部屋に送り出すといった、空気を循環させる役割を持った部品です。ここもホコリやカビが溜まりやすいので、掃除が必要です。
エアコンのファンは、自分で掃除することもできます。ただし何かの拍子に触ってはいけない部分を触ったり、濡らしたりしてしまうと故障に繋がります。難しいと感じたら、無理せずプロの業者に頼むのが良いでしょう。
まず目視できるホコリは、掃除機などで取り除きます。コードレスでハンディタイプの掃除機が便利ですが、無ければハンディモップや、割りばしの先端に薄い雑巾を巻きつけてモップ代わりに活用するのも一つの方法です。
ホコリを取り除いたら、風の向きを調節する役割のルーバーを取り外します。そうするとファンが現れるので、ファン専用の掃除スプレーを吹きかけましょう。この時、スプレーが電子部品にかからないように細心の注意を払います。予めビニールシートなどで養生しておくと安心ですよ。
ファン全体にスプレーがかかるように、手動でファンを回転させながらスプレーを吹きかけてください。全体にスプレーがかかったら20分ほど放置して、その後、古い歯ブラシなどを使って浮いた汚れを優しくこすり落とします。
最後に市販の洗剤を流す専用のリンスか、それがない場合は霧吹きスプレーで水を吹きかけます。洗剤が落ちたらタオルで軽く水気を拭き取ります。
【エアコンの掃除方法 その5】送風運転で内部を乾かす
フィルターが完全に乾いたのを確認して、エアコンにセットします。カバーなどを元に戻したら、3時間ほど送風運転を行いながら内部を乾かしましょう。
エアコンの掃除には、専用クリーナーがオススメ?
エアコン掃除を自分で行うときに便利なのが、各部品専用のクリーナーです。スーパーやドラッグストアなどで購入できるので、ぜひチェックしてみてください。専用クリーナーには、以下の種類があります。
フィルタークリーナー
空気中のホコリやゴミが溜まりやすいフィルター専用のクリーナーは、フィルターにこびりついたカビやゴミを浮かせて落とすタイプが多いです。
フィンクリーナー
フィルターを通り越した細かい汚れや結露が生じやすいフィン用のクリーナーは、泡の力で汚れを洗浄し、除菌することでカビを防止する効果が期待できます。
ファンクリーナー
温度調整された空気を送り出すファン専用のクリーナーは、商品ラインナップは少ないですが、ホームセンターやドラックストアなどで購入することができます。奥まで洗浄液が届くよう、ノズル付きタイプが便利です。
エアコンを自分で掃除する時の注意点
エアコンは構造が複雑な電化製品なので、掃除する時は以下の2点に気をつけましょう。
電子部品に水や洗剤をかけない
作業をするときは、電子部品に水や洗剤がかからないようにしましょう。奥まで掃除しようとして誤って電子部品に水がかかってしまうと、故障の原因になってしまうことも。ポリ袋や養生テープなどで機械部分は覆っておきます。清掃用のスプレーを使うときも同様です。
ドレンホースを事前にチェックする
エアコン内で発生した水を排出する管をドレンホースといいます。掃除中に出た水も、ドレンホースを通って外に排出されます。ドレンホースが詰まっていると、汚れた水がエアコンの中に溜まり、水漏れに繋がる可能性もあります。
掃除をする前にはドレンホースを確認し、ゴミや葉っぱが詰まっていないかチェックしましょう。また、ドレンホース専用のクリーナーも市販されているので、活用するのも良いでしょう。
なお本格的に使い始めるシーズン前には、掃除のほかにもこんなことをチェックしておきましょう。事前にチェックしておくことで、早めに故障をみつけられたり節電にもつながることもありますよ。
シーズン中に慌てないために! エアコンを使い始める前にやるべきこと
梅雨時期でも安心! エアコンのカビ予防のためにできる習慣とは?
エアコンは使った後のひと手間で、カビの繁殖を予防することができます。
冷房もしくは除湿モードで運転した後は、30分以上「送風運転」モードで稼働させましょう。この方法でエアコン内の湿度を下げることができます。湿度が下がるとカビが繁殖しにくい環境にすることができます。
内部クリーン機能があるエアコンなら、設定しておけば、冷房や除湿使用後に自動的にエアコン内の湿度を下げておいてくれますよ。
また、エアコンは室内の空気を吸い込み、温度調節して室内に戻す仕組みのため、部屋の換気を定期的に行い、空気中のカビを減らすことも有効です。空気の入れ替えは気分のリフレッシュにも繋がりますね。
エアコンを掃除する適切な頻度は?
エアコン内部の掃除は、1~2年に1度くらいの頻度が適切です。中には「自動お掃除機能」付きのエアコンもありますが、この機能でお手入れできるのは、前面の「フィルター」と呼ばれる部分のみ。内部までキレイにしてくれるわけではないので、内部は人の手で掃除をするしかないのです。
毎年、梅雨入り前にはエアコン内部の掃除をするというサイクルを作れると良いかもしれませんね。
おわりに
生活に欠かせないエアコンですが、掃除をしないと生活に支障が出てくるかもしれません。これから毎日のように使うエアコン、シーズン前に一度掃除をしてみてはいかがでしょうか。
エアコン内部の掃除は、プロによる【エアコンクリーニング】がオススメ
梅雨から夏、冬と使用頻度の高いエアコン。いざ使おうとしたらなんだかカビ臭い・・・という経験はありませんか?
カビの繁殖や汚れの蓄積を防ぐには、定期的に専門業者にクリーニングをお願いするのがオススメです。
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