銅鍋の使い始めの手入れ方法とは?
銅鍋は手入れが比較的難しい鍋です。
売り場に陳列されている銅製品には、空気にふれて酸化するのを防ぐためにラッカーが塗ってあります。この皮膜を取り除かないで火にかけると黒く焦げついてしまい、削り落としても表面に傷を残してしまうことも。
最近では、糸を引くと皮膜全体が取れるような仕組みのものもあります。
【銅鍋の使い始め】皮膜のはがし方とは?
ずん胴鍋に水をはって鍋を入れ、沸騰させ約15分煮沸します。(重層を入れるとより効果的です。)
はがれにくい部分は除光液、シンナーなどで拭き取ります。
(内側)
鍋、やかん…中に水を入れて煮沸します。
卵焼き器…内側に油をなじませてから使用します。
調理後はすぐに別容器に! 銅鍋の使用後の手入れとは?
銅は酸や塩素に弱いため、長時間料理を入れておくと味や色が変化することがあります。調理後は早めに別容器に移しましょう。
台所用中性洗剤とスポンジで汚れを落とし、湯で仕上げ洗いをし水気を拭き取ります。金属タワシや粒子の粗いクレンザーは、鍋を傷つけ緑青の原因になるので使いません。
【銅鍋の手入れ】定期的に磨くのが長く使うコツ
時々、専用クリームか粒子の細かいクリームクレンザーで一定方向に磨きます。
専用クリーナーの代わりとして塩と酢、もしくはレモン汁を練り合わせて磨く場合もあります。頻繁に使用する場合はこの方法が手軽です。塩の粒子が大きいため、表面に傷が残ることがあります。また、塩分が残っていると斑点が出てしまうので、塩分をきれいに落とし、空拭きは念入りに行います。
【銅鍋の手入れ】緑青が出てしまったら・・・
緑青の出てしまった鍋は、やわらかいスポンジにクリームクレンザーをつけて強めにこすれば落とせます。
※火にかけると外側がくすんだように変色します。これは、酸化皮膜で、緑青が出にくくなる働きがあります。
緑青とは銅にできるサビの一種で、酸や塩素、水分(湿気)があると発生しやすくなります。鍋の内面はスズなどでメッキしてあるとはいえ、目に見えない微細な穴(ピンホール)があり、ここから緑青がでたりメッキのはがれる原因になります。緑青自体に毒性はありませんが、調理したあとすぐ取りだし念入りに手入れをするのはこのためです。
湿気に注意! 銅鍋の保管方法とは?
湿気の少ないところに保管します。長時間使用しない場合は、新聞紙にくるみ、ビニール袋に入れて保管します。
【知っておきたい! 】銅鍋で調理する際の注意点とは?
酸には弱いので「トマトソース」や「甘露煮」はとくに、長時間入れておくのは避けましょう。
長時間の空焼きにより、内側のメッキがはがれることがあります。また、使用しているうちにメッキは薄くなってきて、緑青(ろくしょう)や焼きムラ、焦げ付きの原因になるのでその場合は再生処理をお勧めします(再生処理は購入した百貨店や日本銅センターに相談してください)。
また銅は柔らかい素材なので、料理をかき混ぜるときに金属製のものを使うと傷がつきますので木製のものを使いましょう。
ボウル状の銅鍋!? さわりとは?
餡や飴を作るときに用いるスズメッキされていない鍋です。熱伝導性がよいので、炎から受ける熱が鍋全体に行き渡ります。このため、やわらかい加熱ができ、作業がしやすくなります。
おわりに
熱伝導率が高く、火の当たりが柔らかなのであらゆる料理に向きます。少し手入れは大変ですが、使い込むとますます愛着がわきますね。
選び方ですが、板厚は最低でも0.8~1cmぐらいの厚めのもので、メッキにムラのないものを選びましょう。
出典 : 東京ガス 食情報センター企画「料理道具100%活用百科」