お風呂のドアのパッキンの黒ずみは「カビ」が原因
アクリル板とドア枠の間のパッキンに付きやすい黒ずみは、黒カビです。黒カビは温度が20〜30℃、湿度70%以上の環境を好み、カビの養分となる汚れがあると繁殖します。
お風呂のドアは黒カビが繁殖しやすい場所です。湿っている時間が長く、換気も悪く、皮脂を含んだお湯が全体に飛び散る・・・。こまめに掃除や換気をすれば、カビの予防になりますが、一旦生えてしまったカビは洗剤を付けてこすってもなかなか落ちません。
こうした黒カビに対して効果が高いのは、カビ取り専用洗剤(塩素系漂白剤)です。カビ取り専用洗剤を使うと、塩素系の薬剤(次亜塩素酸塩など)が、カビの細胞と色素を分解してくれます。カビの色素を漂白するだけでなく、カビ自体を除去することができるのです。
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【お風呂のドアの掃除法1】黒カビはカビ取り専用洗剤で落とす
準備ができたら、以下の要領で黒カビを落としていきましょう。
1. お風呂のドア全体の水気を取り除く
まず、雑巾を使って水気をしっかり拭き取ります。
2. カビ取り専用洗剤を黒カビに吹きかける
黒カビが繁殖している部分にカビ取り専用洗剤を吹きかけます。洗剤は泡状になった方がカビに密着しやすいので、洗剤のレバーは最後までしっかり引きましょう。
3. しばらく放置する
カビ取り専用洗剤をかけたところにラップをしてしばらく放置し、洗剤をしっかりと浸透させます。ラップを上から押さえて壁や床との間に隙間ができないようにしてください。密着させると効果が高まります。カビが少しついているくらいであれば15〜30分で効果が出ますが、頑固なカビの場合は1時間ほど放置してください。
ラップではなくキッチンペーパーでパックする方法も
ラップの代わりにキッチンペーパーを使うこともできます。キッチンペーパーを使う場合も、洗剤を吹きかけた場所の上から押さえて、壁や床との間に隙間ができないように密着させましょう。
4. お風呂のドア全体を洗い流す
一定の時間を置いたらシャワーを使って洗い流しましょう。この時、洗剤をかけたところだけ流すと浴室内に洗剤が残って有毒ガスを発生させたり、肌に洗剤がついてかぶれてしまう恐れがあるので、まんべんなく流すようにしてください。
より頑固な黒カビの落とし方
表面に付着したカビであれば、カビ取り専用洗剤だけでも落とすことができますが、こびりついた頑固な黒カビは洗剤だけでは落としにくいことも。そんな時は、以下の方法を試してみてください。
漂白剤ペーストでパックする
ゴムパッキンなどカビ取り専用洗剤が密着しにくい場所は、洗剤がしっかり密着するように漂白剤ペーストを作るのもおすすめです。
ボウルなどにカビ取り専用洗剤と片栗粉を同じ量入れて、ペースト状になるまでしっかりかき混ぜましょう。あとは作った漂白剤ペーストを気になるところに塗りつけて放置し、しっかり流すだけです。
この時、他の洗剤と混ぜないように注意しましょう。カビ取り専用洗剤と他の洗剤を混ぜてしまうと有害な塩素ガスが発生する危険があります。
カビ取り専用洗剤を使う際の注意点
カビ取り専用洗剤は作用が強い分、取り扱いにも注意が必要です。以下の2点を守ってください。
1.安全に掃除できる格好に着替える
動きやすい服装に着替えましょう。カビ取り専用洗剤には漂白剤が含まれているため、飛び散ると服の色が落ちてしまうことも。色落ちしても大丈夫な服、もしくはエプロンを着用しましょう。着替えたら必ずマスクを着用し、手袋をつけましょう。
2.換気をする
カビ取り専用洗剤には塩素が含まれているため、空気中の炭酸ガスと反応して有毒ガスが出ます。マスクを着用した上で、必ず換気してください。
また、有毒ガスは低い場所にたまるので、低姿勢で掃除を続けないように気をつけましょう。換気が良くない浴室の場合は、こまめに浴室から出て、新鮮な空気を吸うようにしてください。
【お風呂のドアの掃除法2】ドア表面に付いた水垢は酸性の成分で落とす
お風呂のドアはシャワーなどの水分が付きやすい場所です。お風呂のドアが白く曇ったり、斑点が見えるのは水垢。シャワーなどの水滴が蒸発した時に残ったミネラル分が固まってできたアルカリ性の汚れです。そのため、酸性の成分で中和させればスルッと落ちますよ。
掃除法1:浴室用の酸性洗剤で落とす
まずは、浴室用の酸性洗剤を使ってみましょう。こうした洗剤の多くは、薬剤成分が汚れに密着するように泡状に出てきます。スプレーしたら、しばらく放置してからスポンジでこすり落としましょう。
掃除法2:クエン酸スプレーで落とす
クエン酸はお酢や柑橘類に多く含まれている酸性の成分で、アルカリ性の水垢を落とすのに効果が高いです。自然素材なので体にも環境にも優しく、安心して使用できます。
1.水100mlに対し小さじ1/2の割合でクエン酸水をつくり、ドアにまんべんなくスプレーする
2.数分してからスポンジで軽くこすって汚れを落とす
3.クエン酸の成分が残らないように、よく水で洗い流す
頑固な汚れの場合、汚れの部分にキッチンペーパーをあててクエン酸をスプレーし、ラップで覆って2時間ほど放置してからスポンジでこすりましょう。
掃除法3:研磨剤入りの洗剤で水垢を落とす
浴室用のクリームクレンザーをスポンジに取って磨くと、研磨剤成分が水垢を削り落としてくれます。ただし、汚れと同時に表面を傷つけてしまうこともあるので、クレンザーを使ってもよいかまずは取扱説明書で確認しましょう。また使う場合も強くこすりすぎないように心がけます。
最後に水シャワーで流す
最後にドア全体を水で流します。お風呂側だけでなく、脱衣室側も忘れずに。扉が浴室側に開くタイプの場合は、扉を開けた状態で、シャワーで流すことなどができます。シャワーが届かない場合は、洗面器などに水をためて少しずつ水をかけて流します。最後はタオルなどで水気を拭いておきましょう。
お風呂のドア掃除をする際の注意点
塩素系漂白剤と酸性の洗剤やクエン酸など酸性の成分が混ざると有毒なガスが発生します。カビ取り専用洗剤には塩素系漂白剤が含まれているため、決して一緒には使用しないようにしましょう。黒カビ掃除と水垢掃除は別のタイミングで掃除するのが理想ですが、同じ日に掃除したい場合には、一方の洗剤を使った後に換気をして時間を十分に置いた上で、もう一方を使用するようにします。
【お風呂のドアの掃除法3】ドア枠・レールのホコリ・黒ずみには歯ブラシや綿棒が便利
ドア枠やレールは汚れやすいところです。ホコリも溜まりますし、黒カビで黒ずむことも。汚れに気づいたら浴室用の中性洗剤をスポンジにつけ、汚れをふき取りましょう。
レールや下枠は、歯ブラシや綿棒を使うのも便利です。ドアのタイプによっては、レール部が取り外せて掃除ができるものもあるので取扱説明書を確認してみてください。
【お風呂のドアの掃除法4】ガラリ(通気口)のホコリを取り除く
浴室のドアの上部や下部には通気口がついていることが多いです。この場所にホコリが溜まると、換気扇の効果が激減します。ホコリなどがたまりやすくなっていますので、掃除機でホコリを吸い取るか、長い毛先のブラシ、または、割りばしに布を巻きつけたものなどでホコリを取り除きましょう。
最後は浴室をしっかり乾燥!
掃除後や入浴後は浴室の換気をし、湿気が残らないようにするのも重要です。
浴室暖房乾燥機が付いているお宅は、「換気」より「乾燥」運転をおススメします。
「換気」は空気を入れ替えるだけですが、「乾燥」運転は換気をしつつ温風によって水分を払うので、浴室全体をより確実に、より早く乾燥させることができるのでオススメです。カビやぬめりの発生を抑えることができるので、お風呂掃除の手間をグーンと軽減します。
上の図は浴室のカビの生え方を比較実験したものです。
「何もしない」浴室にカビが生えるのは当然の事ですが、「換気だけ」していてもカビは生えてきます。それに比べて「浴室乾燥」をすると、すばやく湿気が取り除かれ、カビが生えにくくなることが分かります。
「浴室乾燥」は浴室をカラッと乾いた状態をキープできるので、カビの発生も抑えて浴室のお掃除の手間をグンと減らし、浴室や浴室まわりの湿気による腐食も防げるので、家を長持ちさせるのにも役立ちます。
夜、洗濯と入浴をした場合、就寝中に洗濯物と浴室を一緒に乾燥するのも経済的でおすすめです。
1年中「家事楽」に活躍する「浴室暖房乾燥機」については下記リンクをぜひご覧ください。
汚れを溜めないための、毎日の使い方は?
一度、カビや水垢など湯垢がこびりついてしまうと掃除は大変です。日頃のちょっとしたひと手間で予防することができるので、ぜひ試してみてください。
しっかり洗い流し、最後は冷水をかける
使用後は石けんカスや皮脂汚れなどを残さないように、全体に温水のシャワーをかけてしっかりと洗い流しましょう。最後は冷水のシャワーをかけることで、浴室の温度を下げてカビの発生を予防します。
可能な限り水気を切り、しっかり乾燥させる
浴室内に飛び散った水滴を、水きりワイパーやタオルでふき取りましょう。体を拭いた後のバスタオルで拭くなど、入浴後の行動を習慣づけて無理なく行えると良いですね。
最後は、浴室暖房乾燥機の乾燥機能や、換気扇を回したり浴室のドアを開けたりしてしっかり換気することで乾燥させます。
防カビ剤を使う
浴室はカビの繁殖に最適な条件がそろっている場所。そこでおすすめなのが、防カビ剤です。浴室で防カビ剤を使うだけで、カビが繁殖しづらくなります。くん煙剤や天井に設置するタイプ、置き型タイプなどがあるので、ご自宅の浴室に応じて使ってみてください。
おわりに
あまり掃除をしないでおくと、汚れが硬質化してしまったり、後の掃除が大変です。マメに掃除をするよう心がけてみましょう。また、日々の掃除の手間を軽減させるためには、浴室をしっかり乾燥させることも忘れずに!
参考:TOTO株式会社「浴室のまるごとお掃除:ドア」