冷凍ご飯の賞味期限は1カ月! でも2週間以内の消費がおすすめ

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ご飯を冷凍してストックしておくと、小腹を満たしたい時やお米を炊く時間がない時に便利ですね。さて、ストックした冷凍ご飯はどれくらいの期間、保存できるのでしょうか。管理栄養士の中村りえさんに、お話を伺いました。
中村さん「冷凍したご飯は1カ月以内、できれば2週間以内に消費していただきたいです」
ご飯を冷凍したまま長期間保存すると、冷凍やけして嫌なニオイが付いたり、水分が飛んでパサパサになります。冷凍後は、なるべく早めに消費した方が、おいしく食べられるそうです。
冷凍やけを防いで、おいしくご飯を保存する方法

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冷凍やけの原因は、食材の中の水分が失われること。水分には食品を保護する働きがあります。水分が失われた箇所から酸化が進み、変色したりニオイが付いてしまいます。
中村さん「水分が蒸発するのを防ぐには、温かいうちにラップで包んだり、密閉容器に移します。粗熱が取れたら、すぐ冷凍庫に入れましょう」
冷凍庫では開け閉めの度に温度変化が起き、食品の水分が失われていきます。ラップで包んでから密閉袋に入れて、水分蒸発を防いだり、冷凍庫内で隙間なく食品を詰めることで、冷凍庫内の温度変化の影響から食品を守ることができます。

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中村さん「ご飯を冷凍する時は、大きな塊のままにせず、1食分ずつ分けて保存するのが大切です」
大きな塊で冷凍すると、温め直す時に加熱ムラが生じやすくなります。加熱ムラを防ぐには、1食分ずつ薄く平らにして、冷凍すると良いそうです。均一に熱が伝わり、炊きたてに近いふっくらとしたご飯を再現しやすくなります。
中村さん「1食分は大人の方で150〜200gになります。その人の食べる量に合わせて、分けてください」
冷凍ご飯の温め直しには「せいろ」がおすすめ!

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中村さんが冷凍ご飯の温め直しにおすすめするのが、「せいろ」です。せいろとは、木や竹でできた重ね式の蒸し器で、湯を沸かした鍋と組み合わせて使用します。食材を載せる部分は、底がすのこ状になっていて、下からの蒸気が通過する構造。蒸気の熱で食材が内部からやさしく加熱されるのが特徴です。
中村さん「せいろで蒸すと、水蒸気でふっくらと蒸せます。ぱさつきやすい冷凍ご飯もおいしくなります」
冷凍ご飯の温め直しといえば電子レンジが一般的ですが、せいろなら、よりおいしく解凍することができるそう。他の食材も一緒に加熱できるのもメリットですね。
せいろで解凍する場合、せいろの上に濡らしたさらしか、オーブンシートを敷いて、その上に冷凍ご飯のかたまりを載せます。せいろ鍋を火にかけ沸騰したら、ご飯を入れたせいろを載せます。木製のふたならそのまま載せてOK。金属製の蒸し器の場合、水滴が落ちてくるのでふたの下に濡らしたさらしを挟みます。
量にもよりますが、1〜2人分なら10~15分、そのまま蒸して様子をみます。ご飯がふっくらした頃合いを見計らって火から下ろしましょう。
残りご飯を密閉容器に保存して冷凍した場合、密閉容器のまま蒸すと、ご飯が密閉容器に付着しやすいので、一度、取り出してから濡れふきんやお皿に移し変えるのがおすすめです。
せいろの基本は「火の通りにくいものを下段に、火の通りやすいものを上段に」です。野菜や肉を一緒に蒸したい場合にはご飯の段の上に重ねると良いでしょう。
ご飯の保存に冷蔵より冷凍が適している理由

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お米に含まれるデンプンは、水と熱が加わることで、水分を抱え込んでやわらかく粘りのある状態になります。これが糊化(こか)と称される、ふっくらしたご飯の状態です。このデンプンは、0〜4℃程度の温度帯(※)で急速に劣化し、硬くパサついた状態になってしまいます。
冷蔵の目標温度は 、4℃、冷凍は -18℃とJIS規格で決められていますが、冷蔵庫の温度はちょうどご飯が劣化しやすい温度帯に該当します。それよりずっと低い温度の冷凍庫であれば、おいしさがそのままキープできるのです。また再加熱すれば、再糊化が起こり、ふっくらとした食感が戻ります。
※出典:檜作 進(1970). 炊飯とでんぷんの老化, 調理科学/3 巻 (1970) 4 号/書誌, p. 225-229
ガスで炊いたご飯は、冷めてもおいしい

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ガスで炊いたご飯は、冷めてもおいしいので、お弁当にもピッタリです。
強火ですばやく炊くので、高温の水分をお米の芯まで行き渡らせ、デンプンを十分に糊化させることができます。十分に糊化が行われたご飯は、冷めてもおいしさが損なわれにくいのが特長です。
炊きたてはもちろん、冷めた状態でも水分を多く含み、やわらかさを保ちます。冷凍したご飯を温め直しても、ツヤがあり、お米がつぶれずしっかりしています。鍋でご飯を炊くというと、土鍋が定番ですが、ふた付きのお鍋であれば、ステンレス製でもアルミ製でも大丈夫です。意外と簡単に炊けますよ。
最新のガスコンロなら、ボタン一つで「自動炊飯」

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土鍋など一部「自動炊飯」機能に対応していない鍋があります。詳しくはコンロの取扱説明書をご確認ください。
目盛りがついていない鍋の場合は、お米の容積の1.2倍の水で炊いてください。水分を多く含んだ新米の場合は1~1.1倍で炊いてくださいね。

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(※各機能は搭載されていない機種もあります。各画像はイメージです。専用容器は別売の場合もございます。)
おわりに
冷凍ご飯を1食分ずつ、冷凍庫にストックしておけば、小腹がすいた時にすぐに食事ができますね。おいしく食べられる期間は2週間ほどですので、できるだけ早めにお召し上がりください。