布団は洗濯したほうがよい? 洗濯の頻度はどのくらいが適切?

提供:平島利恵さん
「布団の洗濯は必要です。布団を洗濯しないと、ダニや雑菌が繁殖してしまうことがあります。わが家の息子も、合宿で長期間洗濯されていないと思われる布団を使ったため、ダニに刺されて通院が必要になったことがありました。実際、長く洗っていない布団を洗うと、水が驚くほど汚れるので、それを見るだけでも、かなり不衛生な状態だとわかるでしょう」(平島さん)
洗濯の頻度は、季節によって異なるそうです。
「汗をかきやすい夏は、1カ月に1回、少なくとも2カ月に1回は洗濯するようにしましょう」(平島さん)
夏用の布団は薄手のものが多く、家庭でも洗濯しやすいため、梅雨に入る頃から1カ月に1回を目安に洗濯するのがおすすめだそうです。
一方、冬用の布団は分厚いものが多く、羽毛や羊毛などの素材が使われているため、家庭で洗濯するのが難しい場合も多いそうです。
「冬に使っている布団は、季節の変わり目まで洗濯しないのが一般的ですが、できれば布団乾燥機を使って、布団の湿気を取り除きましょう」(平島さん)
布団は自宅で洗えるものが意外と多い!

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「ほとんどの素材の布団は洗濯できると考えてよいでしょう。特に、夏用の布団は、頻繁に洗える素材のものが多いです」(平島さん)
たとえば、洗濯が難しいと思われがちな羽毛布団も、平島さんによれば「羽毛布団はクリーニング店に任せたほうがよいですが、基本的には水洗いできます」とのこと。
羽毛は水をはじく性質があるため、しっかり乾燥させることができるなら、問題なく洗濯できるそうです。
「先ほど申し上げたように、布団は洗濯が必要なので、購入する際はご自宅で洗えるものを選ぶことをおすすめします。羽毛布団も洗えるものが多いですが、水洗いできない製品もあるため、購入前に確認しましょう」(平島さん)
布団を選ぶ際には、「洗濯できるかどうか」を考慮するのがよさそうです。
洗濯機で布団を洗う方法と注意点

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平島さんによれば、布団は家庭用の洗濯機でも洗えるそうです。具体的な洗濯方法や注意点について伺いました。
ポイント1:洗濯機で一度に洗える枚数を確認する
布団が洗濯できるかどうかは、洗濯機のタイプや容量によって変わります。
まずは洗濯機の取扱説明書を確認してください。機種によって、サイズ・厚みなど洗える布団の種類と、洗濯キャップ・洗濯ネットが必要かどうかも異なります。
洗濯機の容量と洗える布団(大きさ、枚数など)の関係は、以下の表を目安にしてください。

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「ダブルサイズの羽毛布団などは、家庭用洗濯機に入らない場合もあるため、布団の大きさや重さによっては、無理をせずコインランドリーを利用するほうがよいでしょう。シングルサイズであれば、家庭用洗濯機でも問題なく洗えることが多いでしょう」(平島さん)
ポイント2:中綿や羽毛が偏ってしまわないよう麻ひもで巻いておく

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平島さんによると、一般的に布団の表生地は丈夫なので、洗濯機で洗える布団であれば、洗濯ネットに入れる必要はないそうです。
「ただし、中綿や羽毛が動かないように全体にステッチが入っている布団はそのまま洗ってもよいのですが、ステッチが入っていないタイプの場合、そのまま洗濯機で洗うと中身が偏ってしまうことがあります。そのため、布団を麻ひも(濡れても強度が落ちにくく、ほどけにくい)で縛ってから洗うとよいでしょう」(平島さん)
布団を縛る際は、麻ひも以外でも、幅が広くて布団の生地を傷つけにくいものや、水ぬれや温度変化で強度が落ちにくく、洗濯中にほどけにくい摩擦感のある素材の紐であれば問題ありません。具体的には、ポリエステル、太めの綿ひもなどが適しています。
逆に、ビニール紐や細いナイロン紐のように、滑りやすく、解けやすく、切れやすい素材は適していません。
ポイント3:汚れが気になる場合は、洗濯槽でつけ置き後に洗う
長期間洗濯していない布団や、汚れがひどい場合などは、つけ置き洗いをするのがおすすめです。
「布団がひたひたになるくらいに洗濯槽に水を入れ、2時間ほどつけ置きしてから洗濯してください。
つけ置きする水には、布団の素材に合わせて洗剤を加えてください。羽毛布団の場合には中性洗剤を、綿やポリエステルの布団にはアルカリ性粉末洗剤が使用できます。
つけ置きした後の水を捨てず、そのまま洗濯します。水量に合わせ、洗剤を追加してください」(平島さん)
ポイント4:コース、水量、脱水時間を設定して洗濯開始
水の量は最大に設定し、コースは長時間洗える「毛布コース」がおすすめとのことです。
「毛布コースがない場合は、洗い時間は20分ぐらいに、すすぎはしっかり行いたいので基本的には3回、脱水は8分ぐらいがよいでしょう」(平島さん)
布団を浴槽で洗うことがおすすめできない理由

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洗濯機で洗えない素材や、サイズが大きすぎて家庭用洗濯機では洗えない布団の場合、浴槽で手洗いしようと考える方もいるかもしれません。しかし、平島さんは布団を浴槽で洗うことはおすすめしていないそうです。
「浴槽などで布団を手洗いすること自体は可能です。しかし、水を吸った布団は一人では持ち上げられないほど重くなることもあるため、手作業でしっかりとすすぎや脱水を行うのは非常に困難です」(平島さん)
平島さん自身も、実際に布団を浴槽で手洗いしたことがあるそうですが、かなりの重労働だったとのことです。
「大きな布団で家庭用洗濯機では洗えない場合は、コインランドリーを利用するのがよいでしょう。コインランドリーでの洗濯に抵抗がある方は、使用前に槽洗浄を行うのがおすすめです」(平島さん)
コインランドリーで羽毛布団を洗う方法!【洗濯のプロが教えます】
洗濯した布団をしっかり乾かすコツ

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布団に湿気が残っているとニオイやカビの原因にもなるため、洗濯した布団は完全に乾かす必要があります。しかし、強めに脱水しても、厚手の布団は中までしっかり乾かすのが難しいものです。布団を乾かすコツを平島さんに伺いました。
乾燥機で手早くふっくら
「わが家では、洗濯した布団を乾かす際には乾太くんを使っています。温風の力で素早く乾かせるうえ、ふっくらと仕上がるのが最大のメリットです。
乾燥時間は、シングルサイズの布団の場合、薄手のもので40~60分、厚手だと60~90分、ダブルサイズの場合は90分とされていますが、実際にはそれより早く乾くことも多いです」(平島さん)
ガス衣類乾燥機「乾太くん」でスピーディに乾燥!
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衣類乾燥機にはガス式・電気式があります。ガス式は電気式より乾燥スピードが早いことが魅力です!
ガス式の「乾太くん」は、スイッチをオンにして数秒で温風が出て、そのままドラム内を約80~100℃の高温で運転し、一気に洗濯物を乾かします(一部モードで80℃以下)。 また、上の排湿筒から余分な水分を排出していきます。ガス式では短時間で、一気に湿気を排出するため、このような仕組みとなっています。
だからガス式は短時間で乾くんですね。
さらに、ガスならではの強い温風をたっぷり送り込みながら乾燥させるので、洗濯物の繊維が根元から立ち上がり、肌触りの良いふわっとした仕上がりになります。
衣類から寝具、靴まで乾燥できる乾太くんをぜひチェックしてみてください。
自然乾燥は干し方がポイント
洗濯した布団を自然乾燥させる場合は、広げて干すことができる布団専用の物干しを使うのがおすすめだと平島さん。
夏は1カ月に1回は布団を洗濯したほうがよいそうなので、布団専用の物干しを用意しておくと便利です。
洗濯した布団を屋根のない場所で干す場合は、天候に十分注意しましょう。せっかくきれいに洗った布団が雨にぬれてしまっては台無しです。
「最近はゲリラ豪雨なども増えているので要注意ですね。また、花粉症の家族がいる場合は、花粉が飛ぶ季節は屋外で干すのはやめておきましょう」(平島さん)
部屋干しをする場合は、できるだけ風を当てて乾かすのがよいそうです。
「布団専用の物干しを使って室内で乾かす際は、直接クーラーの風が当たる場所に設置して、下からサーキュレーターや扇風機の風も当てると早く乾きやすいです」(平島さん)
布団を洗濯したいけれどできないときには

提供:平島利恵さん
布団を洗濯したほうがよいとわかっていても、素材やサイズの関係で家庭では洗濯できないこともあります。また、季節や布団の厚みなどによって洗濯しても完全に乾かすのが難しいと感じることも。そんなときはどうすればよいのでしょうか。
平島さんによると、コインランドリーなどを利用する以外には、布団乾燥機で湿気を取り除くというのも良い方法だそう。ちなみに、冬に布団乾燥機を使う場合は、高温の温風でダニを退治できる「ダニ退治コース」に設定するのがおすすめだそうです。
また、通常の洗濯とは異なりますが、お湯をかけながら汚れを吸い取る「リンサークリーナー」も、布団やマットレスのお手入れに便利だそう。
「ソファやカーペットにも使えるので、1台あるとさまざまな場面で活躍しますよ」(平島さん)
おわりに
洗濯研究家の平島利恵さんに、自宅で布団を洗う方法や注意点を教えていただきました。これまで洗えないと諦めていた布団も、意外と簡単に洗えるかもしれません。清潔な布団で眠ることは、健康を保つうえでも役立ちます。まずは、比較的洗いやすい薄手の布団から自宅で洗濯にチャレンジしてみませんか。