にんじんを再生栽培! プロから学ぶ再生野菜【リボベジ生活のススメ vol.5】

調理するときに捨ててしまうことが多いにんじんのヘタ部分、もったいないなと思ったことはありませんか? 実はちょっとしたコツで、簡単ににんじんの葉が再生させることができます。これまでいろいろな野菜やフルーツをリボベジしてきたそらベジさんに、にんじんの再生栽培のコツを教えていただきました。

にんじんの再生栽培に必要なものは、4つだけです。

• にんじん
• 育てる容器
• つまようじ
• 水

にんじんの葉の根元部分を使用して、にんじんの葉を育てていきます。

「容器は、再生に使う部分が無理なく入る幅の容器を選びます。それほど重くはならないものの、葉が上に向かって育っていくので、あまり高さのある容器は避けたほうがよいでしょう」(そらベジさん)

つまようじはにんじんを位置良くセッティングするために使うので3本程度準備しましょう。

水は水道水を使用します。

再生栽培には、基本、調理で使用しなかった部分を使います。とはいえ、再生栽培に利用するために、調理の際に気を付けておくポイントがあります。

「にんじんの場合、ヘタ(葉の付け根)に近い部分を残しておき、それを使って再生します。この部分が葉が育っていくための栄養となるのです」(そらベジさん)

ここからは、実際にウチコト編集部がにんじんの再生栽培に挑戦した様子をリポートしていきます!

まずは準備です。にんじんの使わなかった部分を、再生しやすい状態に整えていきます。

再生栽培する場合は、ヘタ側2～3cmを残しておきます。
ここに真横から等間隔につまようじを刺して、水に浮かべれば準備完了。

「にんじんの断面だけが水に触れるように水位を調整します。側面は水を吸わないだけでなく、浸かってしまうとにんじん自体が腐ってしまうので注意してください」(そらベジさん)

ここから毎日1回の水替えをしながら観察していきます。

にんじんの再生栽培。どのように葉が成長していったのか、収穫できるまでをお伝えします。

数日はまったく動きがありませんでしたが、4日目に小さな芽が数個出てきました。すでにチリチリとした形状でにんじんの葉らしさが感じられます。

新しい芽が伸び、2cm弱ほどの長さになりました。かなりはっきりとにんじんの葉特有の形状が分かるようになりました。

約2週間で10cmほどの高さにまで成長。3つの芽がありましたが、1本はあまり成長せず、残りの2本がグングン伸びています。

ヘタ部分から新たな芽も登場して、にぎやかな雰囲気になってきました。葉はまっすぐキレイに上へと伸びていきます。

1日1cmほどの早さで成長しているにんじんの葉。次々とどんどん芽がでてきているので、どの時点で収穫するか迷っている間に、元気がなくなって折れてしまったものも･･･。

にんじんの葉はすでに25cm以上に伸びています。少し成長させすぎてしまったのか、緑の色味が浅くなってきたので、この時点で収穫することにしました。

にんじんはセロリやパセリなどと同じセリ科の野菜で、葉も食べることができます。細かく亀裂が入った葉はハーブのように料理の飾りとしても活躍してくれますよ。

セリ科独特の苦みがあるにんじんの葉ですが、細かく刻んで卵で包めばよいアクセントに。

「実は、にんじんはオレンジ色の根の部分だけでなく、葉にもβ-カロテンやビタミン類、カルシウムなどが豊富に含まれています。気軽に育てて栄養も取っちゃいましょう!」(そらベジさん)

特徴的な形の葉は、盛り付けのアクセントにもぴったり。ちょうどケーキを食べる機会があったので添えたバニラアイスににんじんの葉をトッピングしてみました。グッと上品な雰囲気になりますね。

にんじんの再生栽培に関する疑問についてそらベジさんに回答してもらいました。

「にんじんの場合、基本的に1年中スタートして大丈夫です。ただし、水温が上がると腐ってしまう可能性があるので、夏の不在時や冬の暖房時などは室温に注意しましょう。水温が23～26℃になったくらいからカビが生えて腐ってしまいます」(そらベジさん)

「にんじんの再生栽培は、基本、葉の部分のみの収穫になります。時間と手間をかけて、土に植え替えて･･･とやっていけば根菜部分も収穫できますが、かなり大変です」(そらベジさん)

「再生栽培は、素材とした野菜本体と水から栄養を得て育っていきます。にんじんの底部分がヘコんだのは、その分成長に使われたということ。問題ありませんよ!」(そらベジさん)

「にんじんの葉の様子を見てみましょう。葉が1～2本しおれているくらいなら大丈夫ですが、全体的にしおれてしまっているようなら、ヘタの部分が腐り始めている可能性が高いです。葉の様子を観察し、葉が元気なときに収穫するようにしましょう」(そらベジさん)

「にんじんはとても生命力が強い野菜です。葉の部分は5回以上の収穫も期待できます。また、上手に育ててあげると花も咲くので、たくさんかわいがってあげてくださいね」(そらベジさん)

「もちろん可能です! スーパーなどで見かける紫や赤などのカラフルなにんじんも再生野菜として楽しめますよ。生えてくる葉の色味の違いなども楽しみながら育ててみてください」(そらベジさん)

ウチコト編集部がにんじんの再生栽培にチャレンジしました。少し残したオレンジ色の根から新緑のような鮮やかな色の葉がどんどん育っていく様子は、観葉植物としても魅力的に楽しめます。もちろん、葉の収穫もしっかりできるので、オムレツ以外にもスープやサラダなど、いろいろな食べ方で楽しんでくださいね!

次回は大根に挑戦します! お楽しみに!