にんにくの再生栽培にチャレンジしてみましょう!
冷蔵庫の片隅に1片だけ残ってしまっているにんにくはありませんか? そのにんにく、腐ってしまう前に、再生野菜として栽培してにんにくの芽を収穫してみましょう! これまでいろいろな野菜やフルーツのリボベジを試してきたそらベジさんに、「にんにく」の再生栽培の方法について教えていただきました。
用意するもの

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にんにくの再生栽培に必要なものは、4つだけです。
- にんにく
- つまようじ
- 育てる容器
- 水
にんにくは1片だけでも、丸ごと1株でも、どちらでも大丈夫です。
「ぐんぐん成長する姿が見れるので、1株のほうが迫力があっておすすめです!」(そらベジさん)
つまようじは数本用意します。これは、容器の縁ににんにくが直接触れないようににんにくに刺して使用するためのものです。
「にんにくは重さがあるので、つまようじ3本ぐらいを周囲にしっかりと刺して支えられるようにする必要があります」(そらベジさん)
育てる容器は、深さがあるものにします。
「にんにくは根がたくさん生えてくるので、大きめの容器がおすすめです」(そらベジさん)
毎日の水替えのしやすさなどを考慮して、根が生えるまではニンニクのサイズに合ったもの、根が生えてからは根が余裕を持って収まる大きめのものを選ぶなど、成長にあわせて容器を変更していくとよいでしょう。
水は水道水をそのまま入れて使用します。
再生栽培のための下準備

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にんにくは1片でも再生栽培できます。たくさん買って余ってしまったときや、芽がでてきてしまったにんにくがあれば、リボベジでにんにくの芽を栽培・収穫してみましょう。
「にんにくはまず外側の薄くて白い皮を取り除きます。片と片の間など取りづらい部分は残ったままでも大丈夫です。皮をむいたにんにくは30分ほど水に浸けておきます。
その後、水から取り出しつまようじを刺して、水の入った容器に入れたら準備OKです」(そらベジさん)
水の高さはにんにくの底にぎりぎりつくところを目安にします。それよりも水が多すぎるとにんにく自体が腐ってしまうからです。
にんにくの再生栽培にウチコト編集部が挑戦!

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ここからは、実際にウチコト編集部がにんにくの再生栽培に挑戦した様子をリポートしていきます!
準備
まずは準備です。1株買って使い切れなかった部分や、芽が出てきてしまったにんにくを、再生栽培しやすい状態に整えていきます。
外側の薄くて白い皮をむく

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1株丸ごと使う場合は、1片ずつ切り離さず使用します。
まずは、軸は残して、にんにくの表面にある薄い皮を取り除いていきます。乾燥しているので最初はどんどんむけていきますが、内側になるにつれてかなりむきづらい……。少し根気がいりますが、ピカピカのにんにくが現れるまで頑張りましょう!
1片同士の間はとても狭くて皮をむくのは難しいため、そのままで大丈夫です。

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「取り除いた薄くて白い皮も、ビタミンAやビタミンCなど、植物に必要な栄養素が含まれています。土に混ぜ込むことでゆっくり分解され、効果が長続きする肥料として活用できますよ。土で育てている野菜があれば、白い薄皮をミキサーで粉状にして使ってみてください!
黒ニンニクであれば、その皮をお湯につけてお茶として飲むこともできちゃいます。皮もいろんなかたちで活用してくださいね!」(そらベジさん)
つまようじを刺して水に浮かせる

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にんにくを丸ごと1株使用する場合は、かなり重さがあるため、つまようじをしっかりと刺し込んでいきます。
つまようじは3カ所ほど刺せばバランスが安定します。
新鮮なにんにくは、つるつるしている上に硬いのでつまようじを滑らせてケガをしないように注意して行いましょう。

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ニンニクよりもひと回り大きいサイズの容器(ゼリーの空容器)を使用しました。
水はにんにくの底にちょうど着くくらいの量にします。
これで準備は完了です!
成長過程
準備ができたにんにくから芽の部分がどのように成長していったのか、いつ、どのくらい収穫できたのかをリポートしていきます。
1日目:なにも変化は見えない

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再生栽培スタートの翌日。にんにくの芽や根が出る様子はありません。
7日目:ほんの少し、にんにくの上が緑がかってきた

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まったく見た目に変化がなかったにんにくですが、1週間たつとにんにくの上の部分(少しツンとした形のところ)が真っ白からほんのり緑がかってきました。根の方はまだ動きがありません。
16日目:うっすら緑色になった先から何か出てきそう

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少しずつ膨らむように伸びてきていた新芽が顔を出してきました。
22日目:ついに短いヒゲのような根が生える!
栽培22日目にして、ついに根が生えました! 触るとチクチクしそうな短くて愛らしい根です。
栽培スタートから、水と触れる部分は水替えの際にぬめりチェックを兼ねて、指で軽くすすぎ洗いしていました。
無事に腐らず、根も生えてきたので、この調子で栽培を続けていきます。
23日目:根がどんどん増えてくる

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根が生え始めてから1日でこんなに根が増えました!
「根があることで、水をグングン吸えるようになるので、ここからさらに成長は加速していきますよ」(そらベジさん)
36日目:にんにくの芽が一気に成長

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にんにくから押し出てくるように芽が出てきたと思ったら、グングン伸びて一気に成長していきました。
根の量も増えてきたので、より大きなキムチの空容器に移し替えることにしました。深さや間口部の直径、丈夫さなどがにんにくと相性が良いです。商品フィルムを剥がせば透明容器になるので、増え続ける根の観察も楽しめます。
42日目:20cmほどに育った芽を収穫

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4片中、3片の芽が20cm程度になり、おおよそ生えそろったので収穫です。市販のにんにくの芽のような茎形状ではなく、太いニラのように平たい葉です。
葉の根元近くをキッチンばさみで切りました。
そらベジさんによると、にんにくは生命力が強く、まだまだ収穫できるということなので、引き続き栽培を続けます。
45日目:切ったところから新しい芽が生えてくる

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最初の収穫から3日後、もう新しい芽が生えてきました。何層にも重なっていて、中心に近いほうから伸びてくる様子が分かります。
71日目:2回目の収穫

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最初の収穫時に残していた1片が、倒れてしまうほど伸びてしまったので収穫しました。長さはなんと40cm超え!
2回目の収穫となった3片からでている芽も、再び15~20cmほどに成長しました。
そらベジさんが言っていた「ぐんぐん伸びる」の言葉通りの結果となりました。
再生したにんにくの葉のおいしい食べ方

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今回のリボベジで収穫できたにんにくの芽(葉)は、ほのかににんにくの香りがあるものの、実の部分ほど香りが強くないので和食などにも使いやすそうです。茎のような歯ごたえはありませんが、香りと彩りを楽しめます。
豚肉とにんにくの芽のみそ炒め

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にんにくの芽と相性の良い豚肉と合わせて炒め、味噌で味付け。火を通すと緑色がさらに鮮やかになり、味噌の香りも相まって食欲をそそります。クセがなく、子どもでも食べやすいようです。
バンバンジーと蒸し野菜

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バンバンジーに合わせる蒸し野菜として、サツマイモと一緒に調理。シャキシャキとした食感も楽しめました。
にんにくの再生栽培Q&A

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にんにくの再生栽培に関する疑問をそらベジさんに伺ってみました。
Q:おすすめの栽培時期は?
「にんにくは非常に生命力が強く、根が生えたら一気に芽(葉)も育っていくので、1年中栽培が可能ですよ!」(そらベジさん)
1片だけや使いかけの1片でも栽培できる?
「1片でも栽培できます! また、芽は1片の中心から育ってくるので、成長スピードや収穫量に多少の影響はありますが、使いかけた一片でも大丈夫です! それくらい強い野菜なんですよ」(そらベジさん)
リボベジに使ったにんにくは食べられる?
「栽培で栄養が出て行っているので風味などは通常よりも劣るかもしれませんが、食べられます! 食べるときは 水に浸かっていた部分が腐っていないか、よく確認してくださいね」(そらベジさん)
おわりに
連載3回目はにんにくの再生栽培にチャレンジしました。根が出るまでは少し時間がかかるものの、そこからの葉の成長がとても早いので1カ月ほどでたくさん収穫できます。
にんにくの葉は、和食や中華など、調理の幅も広いので、余ったにんにくがあればぜひチャレンジしてみてくださいね!
次回は豆苗に挑戦します。お楽しみに!