操作パネル、開いたことある? 実は便利機能だらけのガスコンロ活用術

今回、ガスコンロの便利機能を使ってみたのは、ウチコト編集部の料理が苦手な主婦ライターです。正直、取扱説明書を読むのも面倒で、ガスコンロの操作パネルは今回初めて開きました。

ところが改めて機能を知って活用してみると、忙しく働く世代にこそお伝えしたい便利な機能が満載だったんです! 毎日がちょっとラクになる上に料理も楽しいと感じられる、実用性の高い機能をリアルにリポートします。

小さな子どもがいる共働き世代の場合、朝は一日の中でも心に余裕がなくなる時間帯ですよね。分刻みで自分やわが子の身支度を調えながら、フライパンを使って朝から調理をするなんて、失敗するのが目に見えていると思っていました。

そもそも、焼き上がるまでフライパンを第一優先で見張っているものだと思っていたのですが、まさかガスコンロが自動で火を消してくれるなんて驚きです。

しかも、コンロの調理タイマーの使い方は、点火したら加熱時間をセットするだけ。設定した時間になると音でお知らせしてくれる上に自動で消火してくれるので、万が一、子どもの世話で手が離せなくなっても、目玉焼きが焦げる心配はありません。

すぐにお皿に移せなくても、ちょうど良い焼き加減になるよう加熱時間を設定しておけば、余熱調理ができてエコ。何より「早く火を消さないと」と焦るストレスから解放されて、心に余裕が生まれました。

これはカレーなどの煮込み料理にも使えるのでは? と、思わずほかの料理への活用法も考えてしまうほどの、便利すぎる機能でした。

ケトルでお湯を沸かす場合、「ピー!!」とけたたましく鳴る音が聞こえたら大急ぎで火を消しに行くことはありませんか? そんな方は今すぐ、ガスコンロの操作パネルを確認してください。

操作パネルにやかんのマークがあったら、今日からあなたは慌てる必要はありません。しかも操作は、点火した後に湯沸かしスイッチを押すだけです。コンロによっては、さらに沸騰後も保温してくれる機能まで付いている可能性があります。

とはいえ、「沸いたとたんに火が止まるなんてことはないのでは?」と半信半疑のままこの機能を使ってみました。まずは保温機能ナシのシンプル設定で見守ってみたところ、ケトルが「ピ」と鳴った瞬間に自動消火して驚きました。
地味だけど、毎日のように使う機能だからこそ、この快適さは一度知ったらもう戻れません。

魚焼きグリルって掃除がめんどくさそう･･･と思って、実はほとんど使っていませんでした。でも、グリルは魚以外にも活躍することを発見しました。

SNSを検索していたら、「魚焼きグリルでトーストを焼く」という技を発見。しかも、時短になるというのです。毎朝パン食のわが家はいつも、大体3分程度、オーブントースターで食パンをトーストしています。

時短になるならありがたいと思い、グリルに食パンを入れて適当に点火しました。時短といっても1分を切ることはないだろうと思って開けてみると、すでにこげてしまっていました。

魚焼きグリルは火力の強さが魅力とのことで、あらためて調べてみるとトーストなら火力は最弱がちょうど良いとのこと。両面焼きのグリルなら、一度に両面に焼き色を付けることができるのだそう。

こがしてしまったトーストをよく観察してみると、下側が特にこげていたので、急きょトースター用のプレートを敷き、余熱1分、最弱火力で1分焼いてみました。焼き上がりの様子がこちら。

香ばしい焼き色がいい感じに付いています。恐る恐る裏面を確認してみたところ、美しい焼き目が! ほんのり焼き色が付くくらいがお好みなら、余熱すら必要なさそうです。好みの焼き加減になるよういろいろ試してみてくださいね。

さらに、焼き上がったトーストを食べて驚きました。いつもと同じパンなのに、外側はサクサク、中は程よく水分が残ってもっちりしていて、いつもよりおいしく感じたほど。焼き時間が短いのに中が冷たいということもなく、あまりの焼き上がりの違いに衝撃を受けました。

調べてみると、ガスコンロの機種によっては、グリルにトースト機能が付いているものもあるのだそう。この機能があれば、ボタン一つでトーストが簡単に焼けて便利ですね。

焼き野菜の中でも難易度が高めな焼きナスが、魚焼きグリルで簡単に作れると知って挑戦してみました。

皮に切れ込みを入れて、魚焼きグリルで焼くだけでいいとのこと。サンマの代わりに並んだナスに一抹の不安を抱きつつ、上下強火で12分加熱しました。

1分でトーストを炭化させた魚焼きグリルの威力を知っていたので、上下強火で12分はなかなかの勇気が必要でしたが、扉を開けてみるとコゲてはいない様子。
しかも、両面焼きの魚焼きグリルなら、途中で裏返したりする手間もなく完成です。

すぐさま冷水につけると、見たことのあるビジュアルに。

粗熱をとった後、皮をむき始めたら、さらに感動が待ち受けていました。皮が、信じられないほどスルスルとむけたのです。
焼きナスを上手に焼くコツは火力にあるそうで、強い火力が出せるガスのグリルはとても相性が良いと知って納得。
それにしても、まったく皮が残ることなく、すべてキレイにむけたのは人生初かもしれません。

あまりにも上手に焼けたので、思わずこの美しさを生かした盛り付けに。
今まで、皮がところどころ残っていたり、皮に実がくっついてはがれたりして、形が崩れている焼きナスしか見たことがなかった家族にも、驚かれる仕上がりです。これからは、もう焼きナスは、魚焼きグリルでしか作らないと決めました。

毎日忙しい共働き世帯にとって、市販のお総菜は強い味方です。せっかくなら上手に温め直して、おうちでお店の味を楽しみたいもの。特にフライは余分な油を落として、サクサクとした食感を復活させたいところです。

そんな願いも、魚焼きグリルを使えばかなうと知り、トーストを焼いたときの「外はサクサク、中はもっちりとした食感」を思い出して妙に納得しました。

今回は、アジフライの温め直しに挑戦しました。コゲやすい尻尾を火力が弱い扉側に向け、1分程度で様子を見つつ温めてみました。すると外側がサクッと仕上がり、焼け落ちるのが心配だった尻尾も無傷でした。

網に載せて加熱することで、余計な油を落とせるのもメリットですね。

温め直す料理に厚みがあるとコゲやすく、思ったよりも短時間で熱が入るので、様子を見つつ、火加減や加熱時間を調整してみてくださいね。

ガスコンロと鍋でご飯が炊けることは知っていました。でも、火加減が難しそうで自分には無理だと思っていました。ところが、操作パネルに「ごはん」のマークが。まさかと思い、取扱説明書を確認してみると、本当にボタンひとつでご飯が炊けることが判明しました。

わが家のガスコンロは、別売りの炊飯専用鍋のほか、アルミ・ホーロー・ステンレス製の鍋が自動炊飯に適しているとのこと。いつも使っているステンレス鍋を選び、下準備に取り掛かりました。まずはいつも通りお米をとぎ、鍋に米と分量の水を入れ、浸水させます。

取扱説明書には、白米なら春〜夏は30分以上、秋〜冬では60分以上が理想で、水に浸けたら14時間以内に炊き始めれば良いと記載されています。帰宅後の調理時に浸漬時間を省きたい場合は、朝に下準備を済ませて、置いておくのが良さそうです。

下準備が終わったら、ガスコンロの自動炊飯に対応している左側に鍋を置き、点火します。その後すぐに操作パネルの「ごはん」スイッチを押せば、あとは炊き上がるのを待つだけです。

ちなみに、炊飯ボタンでは「おかゆ」と「ごはん」を選択することができます。おかゆは土鍋の使用もOKでした。ボタンひとつで、消化に良いおかゆが作れるなら、仮に家族全員が体調不良に見舞われたときでも、心強いですよね!

肝心の火加減は大丈夫かと見守っていると、自動で調整をしてくれている様子でした。しかも、消火した後は、蒸らし時間のカウントダウンがスタートしました。そして蒸らしも終了して、食べられる状態になってから、完了のお知らせアラームが鳴りました。

こちらが実際の炊き上がりです。まさかガスコンロのボタンひとつで、こんなに上手にご飯が炊けるとは思いませんでした。

こんなに簡単なら、炊飯器の蒸気や置き場所に悩んでいる方は、ガスコンロと鍋で炊飯する生活を選択肢に入れても良いかもしれません。停電で電気炊飯器が使えなくなっても、点火が電池式のガスコンロなら、慌てずに温かいご飯を炊くこともできますね。

揚げ物のレシピを見ているとたまに、揚げ油の温度が書いてありますよね。「170℃に調整する」といわれても、温度計を買う気にはなれず、諦めていました。

でも今回、操作パネルを開いたら温度調節機能を発見。この機能を使えば、「冷めてもカリカリの唐揚げを作るには、まず160℃の油で3分揚げたら、190℃に油の温度を上げて1分揚げる」といった、お手上げだと思っていたレシピも簡単に再現できそうです。 

ということで、最後は憧れていた「冷めてもカリカリが続く唐揚げ」に挑戦することにしました。

まずは操作パネルで揚げ油の温度を160℃に設定し、揚げ時間も操作パネルのタイマーを活用しました。すべてコンロだけで操作ができる点も、とても便利でした。迷いなく作業を進めることができます。

一度目が揚げ終わったら、設定温度を190℃に上げて余熱完了の合図を待ちます。
アラームが鳴ったら、唐揚げを再度投入し、1分のタイマーを設定します。タイマーが0になると自動で火が消えるので、何度か同じ工程を繰り返す場合は、消火前にタイマーを延長する必要があります。ただし、残り時間が30秒以下になると、1秒ごとのカウントダウンに切り替わるので、難しい作業ではありませんでした。

190℃の油に唐揚げを投入すると、明らかに油の勢いが増していて、1度目に揚げたときより温度が上がっていることを実感しました。設定した時間通りに油から上げると、とてもおいしそうな色に仕上がっていました。

中まで火が通っているか確認のためカットしてみると、ザクっと小気味よい音とともに肉汁があふれてきて感動しました。冷めた後にも試食してみましたが、ザクザク食感が続いていて、料理が苦手な私が作ったとは思えない仕上がりに感動しました。

ここからは番外編。ガスコンロの端には、スマートな隠し収納が付いていることを知っていますか? 

引き出しを閉めると、まるで何もないように見えるほどフラットなので、X(旧Twitter)で話題となり、この隠し収納と「初対面」を遂げる人が続出。中には入居してから10年以上たってから発見して感動する人もいたようです。

ガスコンロは壁から15㎝以上離して設置しなければならないため、空きスペースの有効活用としてこのような引き出しが設置されるのだそう。

この引き出しは、料理の途中ですぐに調味料が取り出せる便利な調味料ボックスとして活用できますし、奥行きがあるので、想像以上にたくさんの調味料やハーブ類を収納することができます。

引き出しの有無を確認したことがなければ、ぜひこの機会にチェックしてみてくださいね!

今まで点火と消火しか使っていなかったガスコンロが、まさかこんなに頼れる調理の相棒だったとは驚きました。いくつかの機能を試してみた結果、今ではどの機能も使わない選択肢はありません。

操作パネルを開いたことがない方は、すぐにでも開いてみてください。取扱説明書が見当たらなくても大丈夫です。メーカーのWebサイトで機種番号を検索すれば、取扱説明書のPDFデータをダウンロードすることもできます。ガスコンロの「できること」を知れば、きっとあなたのガスコンロライフが変わりますよ。