食味の特徴はもちろん、合う料理も異なる銘柄米
全国各地でたくさんの銘柄米が作られていますが、その銘柄ごとに、香りや食味はもちろん、合う料理など特徴が異なります。お米のスペシャリストである全農パールライスさんに、代表的な銘柄米について、名前の由来や産地、食味の特徴を伺いました。
それぞれの銘柄米の特徴を知ることで、普段食べているお米のおいしさを、さらに実感することができるのではないでしょうか?
自分好みの銘柄米を見つけよう!
お米の銘柄は聞いたことがあっても、その特徴までは知らないという方も多いのではないでしょうか? 現在、日本で生産されているお米の品種は300種類ほどあると言われています。お米は同じ銘柄でも産地や生産年度により食味・食感・香りが異なるため、ぜひ食べ比べをして、自分好みの銘柄米を探してみてください。
ここからは、代表的な銘柄米の特徴やおすすめの食べ方をご紹介していきます。
コシヒカリ
「越の国に光り輝く米」という願いが込められ、1956年に誕生した「コシヒカリ」。全国各地で栽培され、30年以上もの間、圧倒的なシェアで生産量日本一を誇る、日本を代表する銘柄米です。
食味のバランスが良く、かむごとに甘みやうま味が口の中に広がるのが特徴です。特に新潟県魚沼産のコシヒカリは、コシヒカリの中でも非常に評価が高く、令和2年度の日本穀物検定協会の米食味ランキングでは最高の「特A」の評価を得ています。
お米自体の味も濃いので、ハンバーグや焼肉など、味の濃い料理と一緒に食べてもお米のうま味をしっかりと感じられます。生産地ごとに食味・食感が異なるので、ぜひ食べ比べをしてみてください。
あきたこまち
「あきたこまち」は1984年に「コシヒカリ」を品種改良して誕生した銘柄米で、こちらも全国各地で栽培されています。
あきたこまちは、秋田県小野の里に生まれ、美人と評判であった平安時代の歌人・小野小町にちなみ、「おいしいお米として末永く愛されるように」と願いを込めて名付けられました。
炊き上がりのツヤや光沢が良く、コシヒカリ譲りの甘みやうま味に加え、味や香りのバランスが良いお米です。米粒にはしっかりした粒感があり、軟らかくなり過ぎないのが特徴です。
コシヒカリと比較すると、味が濃くないため、繊細な和食を楽しむのにピッタリの銘柄米です。冷えても、モチモチとした食感を残すため、おにぎりやお弁当などにも向いています。
ゆめぴりか
冷涼な北海道の気候に合うように品種改良されたのが「ゆめぴりか」です。北海道の人たちの「夢」と、アイヌ語で美しいを意味する「ピリカ」から名付けられました。
ゆめぴりかの食味において最も特徴的なのは、粘り気が高くもちもちとした食感です。粒が大きく、炊き上がりはツヤがあるという見た目の良さや甘い香りも特徴です。令和2年度の日本穀物検定協会の米食味ランキングでは、最高ランクの「特A」を受賞しています。
ゆめぴりかはお米自体に甘みがあり味がしっかりしているため、お米だけでもおいしく食べることができますが、濃い味付けのおかずにもよく合います。また、水分の含有量が多くもっちりとしているため、冷めても甘みが際立つので、おにぎりやお弁当との相性もバツグンの銘柄米です。
ひとめぼれ
「ひとめぼれ」は、おいしさと耐寒性をあわせ持つお米を目指し、1981年に「コシヒカリ」を品種改良して宮城県で開発が開始され、誕生した銘柄米となります。また、今年(令和3年産)で生誕30周年を迎えます。栽培が比較的簡単なので、青森県から沖縄県まで広い地域で生産され、今ではコシヒカリに次ぎ作付面積全国2位を記録しています。
ひとめぼれは、粘りの強さと甘さが特徴です。炊き上がりはふっくらとしていて、粘り気はやや強く食感はモッチリとしています。素朴な食材を引き立てるマイルドな味わいで人気の品種です。バランスがとれたやさしい味わいなので、シンプルな味付けの料理との相性が良く、焼き魚や刺身などの和食の定番メニューや炊き込みご飯にぴったりです。また、冷めてもおいしく食べられるため、お弁当にも使える銘柄米です。
つや姫
「つや姫」は、コシヒカリなどのルーツとなった「亀ノ尾」を品種改良して、2010年に山形県で開発された銘柄米です。名前の由来の通りツヤがあり、甘味や粘り気があってお米自体のおいしさを活かせる和食との相性が良いのが特徴です。コシヒカリをしのぐほどのおいしさで、近年人気の高い銘柄米になっています。
発祥地の山形県では、「つや姫」は県の戦略的品種に指定されており、特別な基準を設けて栽培されています。その成果として、お米のおいしさを評価する日本穀物検定協会などによると、つや姫は甘みやうま味、ツヤといった項目でコシヒカリを上回る評価を受けています。
晴天の霹靂
「青天の霹靂」は、米栽培で有名な青森県の中でも、特に気候や土壌などの条件が良好な地域に限定して栽培されている銘柄米です。青天の霹靂という名前には、青森の晴れ渡った空に、突如として現れる「稲妻」のような鮮烈な存在となってほしいという願いが込められています。
栽培にあたり、土づくりや肥料にこだわり、農薬を減らすなど、おいしく安全・安心な米づくりを徹底しています。また、食味を検査した上で、一定の基準以上のものを出荷し、銘柄米としての品質を維持しています。
青天の霹靂は、粘りとキレのバランスが良く、上品な甘みが特徴の銘柄米です。粒は程よいツヤがあり、やや大きめでしっかりしています。炊き上がりからしばらく保温してもつぶれない適度な硬さがあります。どんな食材とも相性が良く、おかずを選ばない頼もしさもあります。
お気に入りの銘柄米は、直火炊きでおいしく炊いてみよう!
お気に入りの銘柄米を見つけたら、ぜひガスコンロとお鍋を使って、直火炊きにチャレンジしてみましょう! 火加減などのコツさえつかめば、簡単にお米を炊くことができます。炊飯時間も3合で20分程度と、炊飯器で炊くよりも短時間で炊き上がるので、時間のないときでも炊きたてのご飯を味わうことができます。
また、お鍋で炊くと1合からでもおいしく炊けるので、必要なときに必要な分だけ炊くことができ、省エネ・節電にもつながります。
以下で、おいしい直火炊きのご飯の炊き方をご紹介します。
【手順1】米を洗う・水に浸ける
米は洗ってざるに上げ、軽く水気をきってから鍋に入れ、分量の水を加えて浸けます。
※夏は30分、冬は1時間の浸漬を徹底しましょう。
【手順2】米を炊く
1の鍋にふたをして中火にかけ、10分かけて沸騰させます。沸騰したら弱火にして15~20分加熱し、火を止めて10分蒸らします。
※点火時の火加減を10分前後で沸騰するよう設定するのが、ふっくら甘味のあるごはんを炊く秘訣です。
最新のガスコンロなら、スイッチ一つで「自動炊飯」!
最新のガスコンロなら、自動で簡単にご飯が炊けるって、ご存じでしたか?
ガスコンロの「自動炊飯」機能は、ボタン1つで火加減の調節から消火まで全て自動で「かまど炊きのようなご飯」を炊きあげます。※
1合から美味しく炊けて、しかも炊飯時間は3合で約20分程度! (蒸らし時間は除く)
「自動炊飯」機能では、水位目盛りが付いた水加減が簡単な自動炊飯専用鍋などもありますが、ご家庭にあるでフタ付きで深めの金属製のお鍋(アルミ、ステンレス、ホーロー製など)で簡単にご飯を炊くことができます。
土鍋など一部「自動炊飯」機能に対応していない鍋があります。詳しくはコンロの取扱説明書をご確認ください。
目盛りがついていない鍋の場合は、お米の容積の1.2倍の水で炊いてください。水分を多く含んだ新米の場合は1~1.1倍で炊いてくださいね。
その他にも「ガスコンロ」には自動でおまかせの便利な機能がいっぱい!
ガスコンロを使いこなせば、調理グッズをたくさん買いそろえるよりも、時短&上手に料理ができますよ!
(※各機能は搭載されていない機種もあります。各画像はイメージです。専用容器は別売の場合もございます。)
おわりに
お米のスペシャリストである全農パールライスさんに、代表的な銘柄米についてお話を伺いました。外出があまりできない今だからこそ、家での食事にこだわる方も多いと思います。さまざまな銘柄米について、名前の由来や、産地、食味の特徴を知り、自分好みのお米を見つけてみませんか?