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クスクスやタジンも! おうちでモロッコ料理【料理教室講師のコトコト小話 第11回】

こんにちは、東京ガス料理教室講師のKです。みなさんは、モロッコ料理がどんなものかご存じですか? 今回のコトコト小話は、私が以前住んでいた時に知った、おうちでも作りやすいモロッコ料理のレシピをご紹介します。料理で旅行気分を味わってみてはいかがでしょうか? 毎日の生活が少しでも楽しくなる、「すぐに役立つ『食』」の情報や工夫をお伝えします。ぜひ参考にしてみてください。【監修:東京ガス 食情報センター】

最終更新日:2024.9.26

目 次

「クスクス」や「タジン」も! モロッコ料理ってご存じですか?

タジン鍋

PIXTA

みなさんは、「クスクス」や「タジン」って聞いたことがありますか? お料理をされる方なら、一度は聞いたことがあるかもしれませんね。でも、これらがモロッコ料理であることをご存じの方は意外と少ないのではないでしょうか?

モロッコってどんな国?

まずはモロッコ料理の前に、モロッコという国についてご紹介したいと思います。

モロッコはアフリカ大陸の北西部にあり、地中海を挟んだスペインの南に位置し、チュニジア、アルジェリアと合わせて「マグレブ三国」といわれています。マグレブとは、アラビア語で「日の沈むところ=西の方の国」という意味だそうです。アラブの国、イスラム文化の国ではありますが、フランスの植民地だった歴史もあるため、フランス料理のような華やかな料理があったり、地中海風にも通じる料理があるなど、ヨーロッパの影響も強く受けています。

日本からモロッコまでは、ヨーロッパを経由して飛行機で17~20時間かかります。観光地としても見どころがたくさんあり、例えば、迷路のような旧市街地が残る「フェズ」や「マラケシュ」などは、ユネスコ世界遺産としても登録されています。

モロッコ料理の特徴とは?

モロッコ料理

TOKYOGAS

暑くて乾燥した気候のモロッコ。南には砂漠もあり、大西洋と地中海に面していて、アトラス山脈からの水の恵みも豊か、農業も漁業も盛んで食材も豊富です。モロッコの料理というと、時間と手間をじっくりかけた料理が多い一方で、少ない材料でささっと仕上げるスピード料理や、お祭りのときに作る特別な料理など、バラエティも豊富なので料理好きにはたまりません。イスラム教徒が多く、アルコールは禁止、豚肉もNG、食卓には羊や牛肉、鶏肉、魚を使った料理が並びます。

モロッコの代表的な料理をご紹介!

モロッコの代表的な料理といえば、世界最小のパスタといわれる「クスクス」、とんがり帽子のような独特な形をしたモロッコの土鍋で作る「タジン料理」が有名です。他にも、結婚式などお祭りの席で出される鳩肉を使ったミートパイ「パスティーラ」や、ラマダン(断食月)の時期に欠かせない腹持ちのよい濃厚なスープの「ハリラ」はモロッコの代表的な料理と言えるでしょう。そして、いろいろな味付けの塩漬けオリーブも日々の食卓に欠かせません。

真鍮製のポットでミントの葉と砂糖をたっぷりと入れてグツグツ煮出す「ミントティー」は、とても甘いのに後を引くおいしさ。モロッコには魅力的な食べ物がたくさんあります。

今回は、おうちで手軽に作れるモロッコ料理のレシピを4種類ご紹介いたします。

家族そろって食べる!「ラムチョップのトマト煮クミン風味~クスクス添え」

「ラムチョップのトマト煮クミン風味~クスクス添え」

TOKYO GAS

イスラムの国では金曜日は礼拝の日。お昼、仕事の合間にモスク(イスラム教徒にとっての礼拝堂)に出向いてお祈りをします。その後は自宅に戻り、家族そろってクスクスを食べるという習慣があります。昼休憩の時間をたっぷりと取って、大きな皿にのった山盛りのクスクスを家族で囲みます。

クスクスを作るための専用鍋があるのをご存じですか? 蒸し器のような2段構造の鍋で、下の鍋でクスクスのスープを煮込み、その蒸気を使って上の鍋でクスクスを蒸します。スープの香りで蒸し上げたクスクスは本当においしいです。火口を効率よく使い、エネルギーを大切に使うという暮らしの知恵ですね。日本で買えるクスクスは熱湯で蒸らすだけのものもあり手軽です。モロッコでは羊の肉を使うことが多いので、今回はラムチョップで作るクスクス料理をご紹介します。ラム肉が手に入らない場合は、鶏肉でも作ることができますので、ぜひお試しください。

【材料】(4人分)

ラムチョップ・・・8本
塩・・・小さじ1/2
コショウ・・・少々
オクラ・・・8本
ナス・・・1本
オリーブ油・・・大さじ1・1/2
クミンシード・・・小さじ2

[A]
タマネギ(みじん切り)・・・150g(小1コ)
ニンニク(みじん切り)・・・1片分
パプリカ(赤)・・・1コ
塩・・・小さじ1/4

白ワイン・・・1/4カップ

[B]
ホールトマト(缶)・・・300g
水・・・1カップ
赤唐辛子・・・1本
コリアンダーパウダー・・・小さじ1
ローリエ・・・1枚

塩、コショウ・・・各適宜
水・・・1カップ

[C]
クスクス・・・180g
塩・・・ひとつまみ
オリーブ油・・・大さじ1

【準備】

・パプリカはヘタと種を取って2cm角に切ります。
・ホールトマトはつぶします。
・赤唐辛子は種を除きます。

【作り方】

1. ラムチョップは筋に数ケ所切り込みを入れ、塩、コショウをします。
2. オクラはガクを取り除きます。ナスはヘタとガクを取り除き、縦1/4に切り、それぞれを斜め半分に切ります。オリーブ油大さじ1/2をからめ、1とともにグリルで焼きます。
両面焼き水なしグリル 上・下強火 約8分
火が通ったものから取り出します。
3. 鍋に残りのオリーブ油とクミンシードを入れて火にかけます(弱火)。香りが出たらAを加えて炒めます。全体にしっかり油がまわったらコンロ調理タイマーを5分に設定し、じっくり炒めます(中火~弱火)。
4. 2のラムチョップと白ワインを加えて煮立たせ、アルコールをとばします。Bを加え、煮立ったら火を弱めてふたをします。コンロ調理タイマーを20分に設定し、時々混ぜながら煮込みます(中火→弱火)。
5. 2のオクラとナスを加え、コンロ調理タイマーを5分に設定してさらに煮込みます(中火~弱火)。塩、コショウで味を調えます。
6. 別の鍋に分量の水を入れて沸かし、Cを加えて混ぜます。表面を平らにして火を止め、ふたをして蒸らします(約5分)。
7. 6をほぐして5とともに盛りつけます。

フライパンで作る!「タジン・ケフタ(ミートボールのタジン)」

「タジン・ケフタ(ミートボールのタジン)」

TOKYO GAS

タジン鍋は日本でもブームになったモロッコの土鍋で、とんがり帽子のようなかわいらしい形が特徴。タジン鍋で作る料理をタジンといいます。タジン鍋は、密閉性が高い上に、その縦長の形のおかげで食材から出た水蒸気がすぐに冷え、食材に戻りやすいのが特徴です。そのため、水の少ない砂漠地方でも、タジン鍋を使えば素材の持つ水分を上手に使って料理がおいしく仕上がります。水が貴重な砂漠の民の知恵ですね。

今回ご紹介するタジン・ケフタは私が最初に覚えたモロッコ料理で、他のタジン料理に比べて簡単かつ手早くできます。タジン鍋をお持ちでない方でも手軽に作れるのでおすすめです。今回は、フライパンで作る方法でご紹介します。

また、この料理はソースもおいしいので、アラブのパン(ホブス)と一緒にいただきます。
モロッコのお母さんは家でパン作りもします。ただ、オーブンは各家庭にないので、共同パン焼き場に持っていきます。パン焼き場の隣には共同浴場があり、薪を燃やして湯を沸かし、そのエネルギーを使ってパンを焼きます。食事時のパン焼き場には焼く前と焼けた後のパンでごった返していますが、パン焼きのおじさんはパンの形や表情でどこの家のパンか分かるそうですよ。

【材料】(4人分)

《ケフタ(ミートボール)》
牛ひき肉・・・300g

[A]
塩・・・小さじ1/2
クミンパウダー・・・小さじ1/3
パプリカパウダー・・・小さじ1/3
シナモンパウダー・・・小さじ1/3
ニンニク(すりおろし)・・・1片分

タマネギ(みじん切り)・・・50g

《トマトソース》
タマネギ(みじん切り)・・・150g(小1コ) 
ニンニク(みじん切り)・・・1片分
オリーブ油・・・大さじ1

[B]
カットトマト(缶)・・・400g
コンソメ(顆粒)・・・小さじ2 
砂糖・・・小さじ1/2
塩・・・ひとつまみ
コショウ・・・少々
水・・・1/2カップ

塩、コショウ・・・各適宜
卵・・・2コ
イタリアンパセリ(みじん切り)・・・適量

【作り方】

1. ケフタを作ります。ボウルに牛ひき肉を入れ、Aを加えてよく練り混ぜます。
2. タマネギを加えて手早く混ぜ、20コに分けて丸めます。
3. トマトソースを作ります。フライパンにオリーブ油とニンニクを入れて香りが出るまで炒めます(弱火)。
4. タマネギを加えてさらに炒め、透き通ってきたらBを加えて煮立たせます。
5. 2を加えてふたをし、コンロ調理タイマーを8分に設定して煮ます(中火)。途中でケフタを返します。
6. ケフタに火が通ったら、塩、コショウで味を調えます。卵を割り入れて好みの固さに仕上げ、イタリアンパセリを散らします。

モロッコのお母さんの甘い手作りおやつ、モロッコ風パンケーキ「バグリール」とモロッコ流「ミントティー」

モロッコ風パンケーキ「バグリール」とモロッコ流「ミントティー」

TOKYO GAS

「バグリール」は現地のお店で買うこともできますが、手作りの味は格別! 甘いお菓子と甘いミントティーがあれば、お茶の時間のおしゃべりにも花が咲きます。バグリールの材料はとてもシンプル。シンプルなパンケーキにたっぷりのハチミツバターをかけていただく、おうちスイーツです。

「バグリール」の【材料】(直径約16cm 7~8枚分)

[A]
デュラムセモリナ粉・・・150g
強力粉・・・50g
ベーキングパウダー・・・小さじ1(4g)
インスタントドライイースト・・・3g
塩・・・少々
砂糖・・・ひとつまみ
ぬるま湯(40℃くらい)・・・2カップ(400ml)

はちみつバター(作りやすい分量)
ハチミツ・・・50g
バター・・・50g

「バグリール」の【作り方】

1. ミキサーにAを全て入れ、攪拌します。
2. ボウルに移し替えてラップをし、30℃前後の温かいところで30~40分ほど休ませます。
3. フッ素樹脂加工のフライパンを、コンロの温度調節機能で180℃に熱して2を流し、ふたをして片面だけ焼きます。表面に気泡ができて、十分に乾いたら焼き上がりです。
4. 小鍋にバターとハチミツを入れてバターを溶かし、混ぜます。3にたっぷりとかけていただきます。

※ デュラムセモリナ粉は製菓材料店などに売っていますが、手に入らない場合は薄力粉で代用できます。

「モロッコ流ミントティー」の【材料】

ミント・・・1パック(約20g)
紅茶(ティーパック)・・・1コ
砂糖・・・適量(好みの量)
熱湯・・・適量

「ミントティー」の【作り方】

1. ティーポットにミント、紅茶、好みの量の砂糖を入れ、熱湯を注ぎます。もう一度沸騰させ、 2~3分ほど煮立てます。
2. カップに注いでいただきます。

おわりに

日々の料理や家事の中で受け継がれる暮らしの知恵や工夫。エネルギーを無駄にしない調理法は東京ガスで推奨している「エコ・クッキング」にも通じるところがあるように思います。

クスクスやハーブ、スパイスなどを使って、おうちでも作れるモロッコ料理、モロッコのお母さんたちの暮らしの知恵を思い浮かべながら、この機会にぜひチャレンジしてみてください。

東京ガスや私たち料理教室スタッフはどんな時でも「食を通じて皆さまの幸せな生活」を応援します。次回もお楽しみに。

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東京ガスの料理教室は、大人から子どもまで、ご要望に合わせて1回からご参加いただける料理教室です。
 
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公開日:2021.1.22

最終更新日:2024.9.26

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