仕事よりプライベートを優先する人が、ついに半数を上回る!
東京ガス都市生活研究所が1990年から3年ごとに行っている「生活定点観測調査」。生活の力点を仕事においているか余暇においているかを聞いたところ、2017年には余暇に力点をおいていると答えた方が過半数を超えました。
ワークライフバランスが重視されるようになり、働き方改革が年々進んでいる昨今。「仕事」と「プライベート」の在り方も変化してきていますが、調査でもはっきりと意識の変化が表れた形です。
「仕事は自己実現のため」という考え方は、4割以下へ減少
余暇を重視するようになったのと同時に、仕事への意識も少しずつ変化してきました。2002年時点では「仕事は自己実現のため」が半数近くを占めていましたが、最新のデータでは「給料」を重視する人が6割を超えるまでになりました。
「家でひとり」or「家で家族と過ごす」「ウチ余暇」が圧倒的多数。
では、その「余暇」をどのように過ごしているのでしょう。自由な時間をどのように過ごしているかを聞くと「家でひとりで過ごす」「家で家族と過ごす」という人々が多数派だということ。
アウトドアが人気で、外出することが多いように感じますが、実際に、キャンプや森林浴など自然の中でレジャーを楽しむ層は、2002年に比べて減少傾向です。2017年には全体の3割を下回りました。
自由に使える時間は、なにも特別なものでなくていい、家でゆっくりと過ごすことが忙しい日々を充実させてくれる、家で過ごす自由な時間のことを「ウチ余暇」として充実させる・・・。そんな意識を持っていることが次の調査結果から見えてきました。
これから充実させたいことは? 伸びたのは「休息」「料理」「ひとり時間」
「外に行くよりも家で過ごす」が多数派になった昨今、今後はどんなことを充実させたいと考えられているのでしょう。
これまでよりも増えている部分に注目してみると、「睡眠」「料理」「家事の効率化」「家での食事」と、まさに「家で行えること」を重視していきたいと考えていることがわかります。
ワーキングマザーのウチ余暇1「ひとりでお風呂に入る」
ここからは、平日、休日ともに忙しい共働き子育て層(夫婦ともに週30時間以上労働している30~40代、小学生以下の子どもあり)のニーズにフォーカスしてみましょう。
入浴中にひとりの時間を実際に楽しめているのは、男性の45.7%に対して女性は全体の37.7%。逆に「ひとりの時間を楽しみたい」と希望しているのは、男性44.3%に対して、女性68.1%。
また、肌や髪の手入れをする時間を充実させたいと答えた共働き子育て層の女性は65.2%。
日々の生活は、子育てや家事で手一杯で、自分のために時間をかけて入浴したり、ゆっくりとボディケアをすることができていないのかもしれません。
ワーキングマザーのウチ余暇2「おいしい料理をつくる」
家でおいしい料理を作りたいと希望しているのは女性。また、別の質問で、親子で料理をする理由を聞いたところ「コミュニケーションがとれる」と答えた人が7割を上回りました。
時間に追われる共働き世帯だからこそ、料理をする時間も家族のコミュニケーションの大切な機会と考えていることがわかりますね。
共働き子育て層の男性がウチ余暇「ピクニックやバーベキューをする」
共働き子育て層の男性が「取り入れたい余暇」として答えたものの中で、目立っていた回答が「家でピクニックやバーベキューを楽しみたい」でした。
週に1日か2日しかない休日。家族で遠くへ出かけると、楽しいけれど疲労もたまります。忙しい共働き子育て層の男性は、家で手軽にアウトドア気分を味わいながら作ったり食べたりすることを楽しみたいと考えているようですね。
今回取り上げた『生活定点観測調査』は、東京ガス都市生活研究所が1990年から3年ごとに行っているものです。
東京ガス都市生活研究所レポートの詳細は以下のサイトをご覧ください。
プライベートはウチ余暇を楽しむ ~家で日常を大切にする、新しいフツウの暮らし~
おわりに
ワークライフバランス重視の流れが加速する中で、とにかく時間に追われているワーキングマザー。ひとりでお風呂に入るというささやかな行為を「充実させたい!」をかなえる方法を家庭内で話し合うとよいかもしれません。